第1回 横浜市障害者差別解消支援地域協議会会議録 日時 平成28年7月14日(木)14時00分〜16時35分 開催場所 関内中央ビル10階 大会議室 出 席 者 (名簿順)池田委員、井上委員、佐藤(秀)委員、須山委員、永田委員、浜崎委員、松島委員、山下委員、和田委員、大羽委員、清水委員、石曽根委員、加藤委員、根上委員、山之井委員、山野井委員、村岡委員、中瀬委員、前沢委員、石渡委員、内嶋委員、堀川委員(代理出席)、石川委員、小泉委員、佐藤(祐)委員、冢田委員、山田委員、吉田委員 欠席者 奈良ア委員、河原委員、湧井委員、鈴木委員、大野委員 議 題 1 会長、副会長の選出 2 会議における約束事について 3 障害者差別解消に関する市の取組状況について 4 障害者差別解消に関する啓発活動等について 5 地域協議会の今後の取組について 6 今後のスケジュールについて 議 事 1 開会 (1) 配付資料確認 (2) 健康福祉局長あいさつ (3) 委員自己紹介 (4) 事務局等紹介 (5) 地域協議会の役割について (資料1について事務局から説明) (事務局)ご質問、ご意見のある方はお願いしたい。 (大羽委員)この地域協議会とは別に調整委員会という会議があり、既に第1回の会議が開かれたと聞いているが、調整委員会とこの地域協議会との関係について伺いたい。 (事務局)お話いただいたとおり、横浜市では、この地域協議会とは別に、もう一つ、「障害者差別の相談に関する調整委員会」を設置している。 会議の位置付けとしては、(二つの会議は)上下の関係などはなく、別々の独立した会議である。まだ実際の事案はないが、調整委員会は、事業者から差別を受けたという事案について、その事業者や行政機関への相談によっても解決に至らない、解決の難しい事案について、次の手段として、障害のあるご本人などからの申出に基づき、調整委員会が事実確認等を行った上で、障害のある人と事業者に対して解決を図るための歩み寄れるようなあっせん案を提示するものである。 このように調整委員会は、解決の難しい事案を対象にあっせんを行うことを役割としており、個別の事案を対象とするものである。 よって、調整委員会であっせんを行った場合は、この地域協議会においても、相談事案に関する報告の中でお伝えしていくことになるが、会議としては、役割の異なる別々の会議ということでご理解いただければと思う。 2 議題 (1) 会長・副会長の選出 会長に石渡委員、副会長に内嶋委員を選出 (会長挨拶、副会長挨拶) (2) 会議における約束事について (石渡会長)議題の2「会議における約束事」に進みたい。まず事務局から資料2について説明をお願いしたい。 (事務局) (資料2について説明) (石渡会長)案について説明があったが、追加や修正をした方がよい点など、意見や質問のある方はお願いしたい。 (井上委員)資料2の1の(12)についてであるが、1時間に1回の休憩は、要約筆記のみでなく手話通訳についても同じであることを理解しておいていただきたい。 (石渡会長)それでは、その点を反映し、案の内容で進めていきたいと思う。その他、会議を進める中で、また何か気づいたことがあれば指摘していただきたい。 (3) 障害者差別解消に関する市の取組状況について (石渡会長)議題の3「障害者差別解消に関する市の取組状況について」に進みたい。資料3について、山田委員から報告をお願いしたい。 (山田委員) (資料3について説明) (石渡会長)まだ障害者差別解消法が施行されて3か月余りであるが、横浜市では様々な取組が進められていることが分かった。意見や質問のある方はお願いしたい。 (須山委員)資料3の7、区役所窓口における手話通訳対応の充実についてであるが、これはすばらしい取組であると思う。手話通訳者の配置は2つの区で実施されているが、将来的には全部の区役所で配置をしていくのか。 また、手話が分からない聴覚障害者も多いが、横浜市ではどのような対応をしていくのか伺いたい。 更に、バス・地下鉄の関係の委員が出席されているのでお話をさせていただくが、例えば切符を買うときに機械の故障で買えなかった場合に、切符を買うところから音声が流れているようであるが、それは(聴覚障害のある人には)分からない。その際の対処法などを教えていただきたいと思う。 今はボタンを押すと表示が出てくるところもあるが、音声のみによるところもある。横浜市内の 例ではないが、ゆりかもめの切符売り場などはそうであり、障害者割引で買うときに音声のみの案内で困ってしまうとの話もたくさん聞く横浜市内だけでも音声のみでない対応を考えていただけるとよいと思う。 (山田委員)手話通訳者の配置、手話ができない人への対応についてお答えをしたい。手話通訳者の全区への配置については、今回の2区での取組やタブレット端末を活用した手話通訳対応、また、従来から予約により 実施している手話通訳者の派遣の仕組みもあるので、どのようなものがよいのか、これらの三つの実施状況や効果を見ていくとともに、実際に利用した方のご意見などを伺って考えていきたい。 手話ができない人への対応については、これまでも対応はしてきているが、基本的には筆談などの対応になる。 また、言葉を文字にすることができたりする電子機器などが進んでくれば、そうしたものも検討の対象にしていくことになるのではないかと考えている。 (須山委員)筆談は非常に時間がかかる。今言われた音声認識、スマートフォンや携帯電話で音声を文字に変えることなどもできるので、それらのものも是非利用していただきたいと思う。厚生労働省では、スマートフォンなどは既に普及しているものであるので、聴覚障害者の福祉機器の中の日常生活用品としては入れられないとしている。普及しているものであっても、音声認識のこともあるので、横浜市で考えていただけるとよいと思う。 (石渡会長)意見として横浜市で検討をお願いしたい。3点目のバス・地下鉄の件については吉田委員から説明をお願いしたい。 (吉田委員)切符売り場の音声案内が分かりにくいということでよろしいか。案内の内容が複雑過ぎて分からないということか、又は音声のしゃべり方が悪くて分からないということなのか、教えていただければと思う。 (須山委員)聴覚障害のある人は、マイクなどの音声が聞き取りにくい。音が出ていることは分かっても何と言っているのか分からないということが多い。そのため、文字表記みたいなものを一緒に添えてもらえると助かる。そのような工夫をしていただきたい。電車が事故でストップした場合なども、聴覚障害のある人はマイクで何を言っているのか、何が起きているのか分からない。そのようなときの配慮として、文字表記などをしていただけるとよいと思う。 (吉田委員)ご意見はごもっともなことであると思う。いかに文字で表すのか、電車の中でのご案内の表記であるとか、駅での掲示板でのデジタル表記であるとか、切符売り場での文字表記など、できることを考えていきたい。 (井上委員)須山委員の意見に関連してであるが、横浜市営のバス・地下鉄だけでなく、金沢区のシーサイドラインについても是非含めて考えていただきたいと思う。無人駅が多く、聴覚障害のある人は非常に不便を感じている。 (石渡会長)私も障害者差別解消法の研修をするときに、電車が止まってしまった場合の事例を出したことがあるが、そうしたときに、一緒に乗っている乗客がどのような対応をするのか、市民への啓発も非常に大事であると、ご指摘を聞いて改めて感じた。いろいろな方法が考えられるのではないか。 (内嶋副会長)須山委員や井上委員から指摘のあった件であるが、これは障害者への差別解消の話に限らないと思う。社会が高齢化する中で、耳が遠かったり、あまり目がよく見えないという高齢者の方も、家からどんどん出て街を歩いている。 私が後見で関わっている方も街を歩いているが、そうした方は、実は障害のある方と同じ不自由を味わっている。耳がよく聞こえないのは両委員が指摘をされたことと同じであるし、白内障や緑内障等で視力が弱ってしまったという方は、逆に耳に頼ることになる。先ほど無人駅の話があったが、コストカットをする中で、障害の ある方以外にも多くの市民が、犠牲という言い方は厳しいかもしれないが、昔は駅員が出てきて対応してくれていたことが、駅員を減らすために機械化したことによって、視覚情報又は音声でしか案内をしないという限定したやり方になってしまった。今一度、人間らしい支援を目指すということをこの地域協議会でも考えていかなければいけないと思う。 (清水委員)石渡会長が言われたとおり、市民啓発が非常に大事であると思う。それがこの地域協議会の役割でもあると思う。福祉のまちづくり推進会議で、28年から32年までの推進指針をつくっている。推進指針の概要版をつくるときに、先ほど須山委員が発言をされたが、駅で電車が遅延しますという場面で、聴覚障害のある人、それから高齢で耳が遠くなった人の頭の上に「?」マークを書き、「周りの人が教えてあげられるといいね」というイラストを入れた。 既に配布されているので是非見ていただきたいと思う。 (石渡会長)市の取組として、次回にでも、事務局から配付していただければと思う。 (石曽根委員)タブレット端末のことでお尋ねしたい。導入してから約1か月であるが、利用者や反響などについて伺いたい。 (事務局)5月27日から開始したが、6月末時点で利用件数は9件である。区役所の各課で利用されているが、横浜ラポールの手話通訳者の派遣を頼まなくても利用ができるということで、おおむね効果が認められると思う。件数はまだ少数であるので、引き続き周知をしていきたいと考えている。 (石渡会長)それでは、市の取組状況についてはここまでとしたい。10分間の休憩としたい。 (10分間休憩) (4) 障害者差別解消に関する啓発活動等について (石渡会長)会議を再開したい。議題の4「障害者差別解消に関する啓発活動等について」である。資料4と資料5が関係の資料であるが、まず進 め方について事務局から説明をお願いしたい。 (事務局) (説明) (石渡会長)続いて、資料4の説明を山田委員からお願いしたい。 (山田委員) (資料4について説明) (石渡会長)様々な立場、分野から各委員にお集まりいただいているが、意見や質問のある方はお願いしたい。 (井上委員)町内会、自治会にも啓発活動をしていただきたいと思っている。それを含めて検討していただきたいと思う。 (石渡会長)グループホームを設置したいという場合なども、町内会、自治会への啓発の必要性が話題にのぼることもあるが、事務局から何かあれば伺いたい。 (事務局)町内会、自治会への啓発については、まだ具体的な検討を進めているものではないが、検討部会の議論の中でも、広く市民を対象とした啓発のほかに、町内会や学校など、対象をある程度絞った啓発活動も大切であるとのご意見をいただいている。今後検討していきたいと考えている。 (山田委員)町内会、自治会の理解ということについて、井上委員がどのようなことで不便を感じているのか、困っているのか、何かあれば教えていただければと思う。例えば、災害時に住民同士で助け合うことは非常に重要なことと考えている。 現在、地域の防災拠点を運営する方々に対して障害に関する理解を深めていただくための冊子を配付したり、防災訓練に障害当事者の方が一緒に加わっていただき、障害のある方を含めて避難所の運営をどう考えていけばよいのかなど、少しずつ進めているところである。 (佐藤委員)いよいよ啓発活動の取組が動き出すのだなと感じている。私は検討部会のときから参加させていただいているが、たくさん集まった事例を拝見したときのことからを考えると感慨深いものがある。そこで伺いたいが、啓発の動きを始めるに当たっては、横浜市としての現状評価のようなものがあろうかと思う。例えば、障害者差別解消法自体が市民にどの程度認知されているか、理解されているのかなどから出発していくのかと思っているが、その辺りの評価等があれば教えていただきたい。 (山田委員)今のところ市民意識調査などでの把握は行っていない。いずれかの時点ではそのようなことも必要になるのではないかと思っている。 横浜市では、様々な形で市民意識調査等を行っているので、そのような機会も含めて今後考えていきたいと思う。 (石川委員)資料4の4、市職員向けの研修についてであるが、昨日も区の総務課長会議で区役所における研修について話をし、職員向けの研修を進めていくこととしているが、この対象の職員に教員が含まれているのか確認しておきたい。 人権、差別の解消については、小学生、中学生のうちからきちんと進めていく必要があると考えられ、その意味でも教員への研修は重要であると思うので確認しておきたいと思う。 (小泉委員)教員向けとしては、教育委員会として、市立学校教職員対応要領、更には対応の手引きを4月に作成し、特別支援教育コーディネーター、校長・副校長といった管理職向けにまずは研修を実施している。また、一般教員に関しては、コーディネーターや管理職をもって研修に当 たることで進めている。更に、事例集的なものも現在作成しており、各学校に配付したいと考えている。市全体の方向に沿う形の中で、教員に向けても進めているところである。対象は、市立の小、中、高等学校、特別支援学校の全てである。 (和田委員)子供が小学校に通っているが、小学校の人権教育というと車いすバスケや耳の聞こえない人の手話のことなどがほとんどで、見て分かる身体障害のことが多い。子供の夏休みの宿題の課題の中に、取材メモの一つとして、バリアフリーとかユニバーサルデザインがあり、福祉の関係を勉強して来てくださいとあった。そこで両親ともに精神障害であるので精神をやればと言ったが、学校では精神障害や発達障害の人のことはなかなか考えにくいものであるのか。 (小泉委員)学校においては様々な障害のある子供が様々な場面で学習をしている。学校としては、それぞれの学校で実際に学んでいる子供のことをベースに進めていくことを前提としている。小・中学校においては、障害の種類が多い中でなかなか行き届いていないところもあるかもしれない。人権ということを考慮しながら、今後も検討していく必要があると考えている。 (大羽委員)今のことの関連であるが、横浜市の教育委員会と健康福祉局で、学校教育における障害の理解の教員向け資料を作り始めていると聞いている。そのためのヒアリングを団体として受け、浜家連として意見も提出したところである。精神障害についての学校での取組は、直接障害者差別解消法に関連してということではないかもしれないが、横浜市では一歩ずつ進めていると聞いている。 (冢田委員)小学校では、様々な障害のある子供が学び、生活をしている。和田委員がお話をされた人権教育ということでは、まず分かりやすいところから徐々にという視点で取り組んでおり、見て分かる障害が多いという感想を持たれたのは、そうしたことからではないかと思う。また、学校現場では、障害を保護者の方が受容しているのかによってそれをオープンにできる、できないということがあり、慎重に考えなければいけない課題であると思っている。校内で言ってしまって分かってもらった 方がよいと○○さんがアドバイスをしてくれるが私はそれはできないであるとか、その人は良かれと思って言っていることでも、ご家族の気持ちにはなり切れないところもあり、なかなか難しいと考えるところである。 視点は異なるが、啓発活動については、いつも理解をしてあげるとか、そうしたことが趣旨となるが、いつか自分もその立場になるかもしれない。 中途で聴力を失ったり、視力を失ったりする人もいる。啓発活動の中で、そのような自分意識のような視点も検討の中に含めていただけるとよいと思う。 (石渡会長)人権教育であるとか障害の理解については、子供たちの発達段階等に応じて、まず分かりやすい障害のことから段々と進めている、検討しているということであった。自分の問題として意義付けをしてという部分については、検討部会の中でも話があり、また、先ほど内嶋委員からもお年寄りの方の問題にも重なってくるとの話があったが、そのような視点も踏まえた啓発が大事であると改めて思った。 (須山委員)啓発で、分かってほしいとか、差別を解消しないといけないとか直接言ってもなかなか分からないと思う。障害のことを理解してもらうには、やはりふれ合いしかないと思う。例えば、横浜市で企画する行事に、この協議会のように団体から障害のある人に入ってもらうとか、障害のあるなしにかかわらず参加できるような催しを考えてほしいと思う。また、先ほど、障害を受容することが難しいとの話があったが、本当にそうである。 私も自分が聴覚障害を受容できたかなと思えるまで年かかった。障害者になったらみんな隠したい、できるだけ普通に見られたいという意識がある。そのような中で、障害を理解しろ、理解しろと我々が言っても無理な話である。 やはり障害者と共に何かをする機会を自然な形で持つ、そうした中で少しずつ分かっていただくことが大事であると思う。公園であったり、運動会でも選挙の投票所のお手伝いでも、障害者も健常者も一緒になって町内会に関わっていくなどの形がとれたらと思う。 (石渡会長)それでは、資料5の議論に進みたい。まず資料5について事務局から説明をお願いしたい。 (事務局) (資料5について説明) (石渡会長)4つの視点で整理されている。それぞれ関連し合う内容であるが、一つずつ進めていきたい。まず@、どのようなやり方をしたら効果が上がるか、啓発の工夫や障害当事者の方からの協力などについて、既に取り組んでいること、考えなどがあればお願いしたい。 (和田委員)どこで発言しようかと思っていたが紹介をしておきたい。今、旭区で精神障害者文化まつりというのがあって、情報発信コーナーでは、大きな木を書くことを行っている。「元気になる木」や「働く木」などがあって、みんながその言葉に合う自分の考えなどを13センチ×9センチくらいの葉っぱに書いてそこに貼っていく。文化まつりであるので、家族会の方、地活、デイケアの方たちが自分で作ったものを飾ったりしているが、その中で、1週間くらい情報発信コーナーで展示をして見てもらう。また、サポーターの人が、見に来てくれた人にアンケートを配って書いてもらったりしている。もう4、5回になるが、旭区ではこのような取組を行っている。 (池田委員)今日6時半から開催されるが、伊勢佐木町地域の人たちと視覚障害者がボーリング大会を毎年行っている。今年で30回目くらいになるが、正に合理的配慮を地でいくような大会である。全盲の人は当然ピンが見えないので、助走をして投げるのではなくレーンのところまで行ってそこから投げる。 また、今日は重複障害、知的障害で失明している人や、車いすで失明している人も参加することになっている。2ゲーム行うが、それぞれハンデがあって、全盲の人は1ゲーム100点。半盲(弱視)の人は1ピン1ピンは見えないが、ある程度目標は分かるので一般の女性と同じで1ゲーム30ピン。このようなハンデをつけるので、全盲で車いすの人が優勝して賞品をもらうこともある。研修会で障害の特性を学ぶこともよいが、交流の中で、こういうときはこうしなければいけないということを実践で理解していくということも大事である。 また、私はよく野毛の能楽堂の話をするが、1年に1回くらいバリアフリー能というのがある。そこでの対応が誠にすばらしい。第1回目のときに障害者団体連合会に話があって説明会に行った。 もちろん建物は新しいので車いすの移動などに問題はなかったが、聴覚障害のある人や知的障害のある人もいる中で、舞台の説明をしてくれ、何とか音声で能・狂言の案内をしようとしていたが、(視覚障害のある人に)どのように説明したらよいのか、分からないようであった。私もまず能舞台が観客とどのような位置関係にあるのか分からなかった。最初の説明で舞台がL字型になっているとあったが、私は舞台と客席は向かい合っているものと考えていたので、L字型の舞台になっていることの理由が分からずに(理解するのを)諦めてしまった。1日目は他の人もいるので、質問もしないで帰ってきてしまった。そうしたら、翌日、能楽堂の人から電話がかかってきて、視覚障害のある人にどのように説明したらよいのか分からない、もう一度来てくれないかと話があった。 それで、みんながいるときは話ができなかったが、舞台全体を触らしてくださいとお願いをした。そうしたら、白足袋を貸してくれて、舞台の鏡の間から橋掛かり(花道)から舞台全体を触らせてくれた。 それで、笛柱など4本の柱に名前が付いていることなども2回目のときに分かった。これならば、点字の説明と、能・狂言の進行を音声で説明し、役者の立っているところを柱からの位置と向きで言ってくれれば分かりやすい。 そのような舞台と客席の関係の図面を作ってくれるようお願いをした。このような用意をしてくれたので、当日は17人の視覚障害の人が参加したが、全員が楽しめた。 また、新聞の連載でその後に単行本にもなったが、藤田真一さんという方の「盲と目あき社会」の中で、盲のことは盲に聞かないと分からないと言っている。やはり障害特性はそれぞれに聞かないと分からない。以上、ご紹介をさせていただいた。 (村岡委員)障害特性という話があったが、私ども社会福祉協議会は、事業 者の顔と普及啓発をするという二つの顔を有している。その中の障害者支援センターは、障害当事者の団体部会の事務局も担当している。私たちとしては、その障害当事者の構成員からご意見をいただいて、この協議会に伝えていければと考えている。それから、もう1点、少し前の話になるが、脳性マヒの当事者の団体の方をお招きして、差別ということはもちろんであるが、日常生活の中でどういった疎外感を感じているかなどのお話を伺う機会があった。そうしたことを通して私たちが痛みを理解していくことも大事であると思っている。 各区社協では福祉保健の活動をしている人もたくさんいるので、そういった人たちに当事者の方たちの思いを伝えていける場をつくっていければと考えている。少しずつ取組を進めていきたいと思う。 (浜崎委員)車いすの会としていろいろと活動しているが、非常に人気のあるのは、車いす体験講座である。小学校や中学校などから依頼があるが、車いすを何台か持って行き、子供たちに実際に車いすの操作をしてもらったりするが、一番最初に講師の人が、なぜ車いすに乗っているのか、車いすで何が一番困っているのかなどを話すと非常に興味を持ってくれる。 団体の活動はいろいろであるが、子供たちに会って活動をしていくことは非常に大切であると思っている。このような取組も進めていければと思う。 (中瀬委員)市民への啓発、資料5の1の@についてであるが、市民の方が障害者差別解消法の情報を得ようとする場合には、横浜市のホームページを見る人が多いのではないかと思う。検討部会のときもそうであったが、横浜市のホームページも非常に情報量が多いので、なかなか必要な情報を見つけることが難しかった。リーフレットなどを作った場合は、データをホームページ上にも公開することになると思うが、分かりやすい場所に公開してほしい。 できればトップページに差別解消法の情報の窓口があって、相談窓口の設置場所やリーフレットのデータ、協議会の会議録等を分かりやすく掲載してほしいと思う。また、リーフレットのみでなく、音声による情報発信ということでは、コミュニティ放送局がある。戸塚であるとFM戸塚という放送局があり、そこでは、戸塚区役所のいろいろなイベントなどの情報を発信をしている。 朝通勤する途中で戸塚区役所の情報発信を聞くことがよくある。障害者差別解消法のような情報も市民の方に知っていただくという意味では、コミュニティ放送局などの利用も一つの方法になるのではないか。 (松島委員)いくら啓発をあちこちでしても、結局見る人は福祉に興味のある人が多く、福祉には全く興味がないとか障害者は嫌いとかいう人は、全然見向きもしないということであると思う。私が求めているのは、障害福祉に興味がなくても障害者が嫌いでもよいから、その人たちに1回でもよいから見てほしいし、1回でもよいからふれ合ってもらいたいし、それでやはり嫌いだとか嫌ということでもよいから、そうした人たちを何とか巻き込めるような啓発をいろいろなところでできないものかと思う。例えば、駅舎などもよいと思う。また、ふれ合いと言っても、1回や2回のふれ合いをしたところで、障害者の理解が深まらずに終わってしまう人もいるかもしれない。 だから、小さい頃から、幼稚園の頃から障害者が健常者と同じ場所で一緒になって自然にふれ合って育っていくことが大事であると思っている。障害者も段々と障害者としての認識が出てくる。 障害者も大人になってから健常者とふれ合うことは難しい。小さい頃からお互いに同じ場所で育つ、自然にふれ合う環境を整えていく必要があると思う。 (石渡会長)大人になってからの1、2回ではなく、小さいときから、子供のときから一緒にということについて、説得力のある話であった。 (前沢委員)3点お話をしたい。一つは、広報・周知という部分であるが、最近バスや電車でテレビのようなモニターが付いていてよく目にする。これらを上手く活用する方法もあるのではないか。そこに音声も付けることもできたらよいと思う。日常生活の中でなるべく目にふれる場所や物を上手く活用できたらよいと思う。 二つ目は、イベントのことであるが、勉強会等も必要ではあるが、私も障害のある人と障害のない人の自然な交流の機会をどうつくるかを考えた。例えば、最近は空前の猫ブームであるが、猫が好きとか電車が好きとか、園芸が好きとかスポーツが好きとか、人それぞれ好きなジャンルがあると思うので、サポートを付けつつ、それらをテーマにした誰でも参加できる企画を考え、障害を前面に出さなくても、共通の好きなことを基に自然に交流して理解がし合えるとよいのではないかと思った。 三つ目は、実際に行っている取組である。地域ケアプラザと共催事業を少しずつ行ってきているところであるが、地域ケアプラザも子供からお年寄りまでいろいろな方が利用できるところであるので、連携して普及啓発の講座をしたり、地域ケアプラザのお祭りに参加するなどして、その中で障害のことを知ってもらうなどの取組を行っている。 (和田委員)旭区には7,000人の精神障害者がいると言われている。その中で地活やデイケアに出てきている人はよいが、どのくらいの人が引きこもって家にいるのかと思う。旭区では、1年に1回、精神保健福祉セミナーを行っていて、今年度も2月に行う。今回で18回目になるが、精神障害者の体験発表と教授や福祉関係者等によるシンポジウムの2部構成としている。引きこもりの人のことなどを含めて検討しているところである。 (永田委員)4つほどお話をしたい。市の職員の人が一般市民に向けて話をしてほしい。また、市民に向けて障害のある人が講演等で意見を言うことができるとよい。それから、障害のある人が市役所の人や作業所の人と意見交換をしたり、障害のある人も参加をして市役所の職員の研修を実施してほしい。また、パンフレットやリーフレットを作成し、役所や駅、学校で配布してほしいと思う。 (冢田委員)いろいろなところでみなさんが取組をされているのだと興味を 持って伺った。そして、継続していくこと、繰り返すことがとても大事 であると思った。 また、先ほど松島委員から、興味があるかないかの話があったが、やはり興味のある人はいろいろなイベント、研修等に参加するが、興味のない人はそこからはずれていってしまう。そうした人たちにどのように周知していくのかを考えると、耳に残ることや目にふれることは大切である。例えば、市からの印刷物の下の方や上の方にいつも同じ障害者差別解消に関するロゴを入れてもらうとか、何か啓発に当たってのキャラクターを決めるとかはどうか。ごみゼロの取組も目にとまるとごみをこうしなくてはいけないなど、いろいろと感じたりする。 子供たちにもキャラクターがあって、市から出る様々なものに載っていたり、いろいろな場所に貼ってあったり、イベントで繰り返し28年4月に障害者差別解消法が始まったことを一言言ってもらうなどの取組ができるとよいのではないかと思う。 (石渡会長)資料5の4つのテーマの@についてであったが、既にAからCまでのテーマにも入っているように思う。会議の予定時間も過ぎているが、啓発の関係で、AからCまでを含めて何か意見等があればお願いしたい。 (山下委員)松島委員の意見には強く共感した。同じ意見を持っていた。大人になってからでは難しいので、子供の頃からが大切である。自閉症と身体障害の両方があっても、その兄姉はその子と小さい頃から自然にふれ合って学んで、特別なことでなく当たり前のことになっている。 普通学校と特別支援学校と分かれていること自体がどうなのかという意見などもあるが、やはり小さい頃からの交流が大切であると思うし、学校などでそのようなことができたらよいと思う。また、前沢委員の発言に関係するが、共通の好きなことに集まって自然に交流ができたらよいと私も思う。私自身もたまたまダンスがしたくてワークショップに参加をしたら、障害のある人、子供たちとダンスができて、自分の障害のこともさらけ出せた。お互いを理解できたので、そのようなことができていければと思う。 (石渡会長)「小さいときからの自然なふれ合い」、それから「日常生活の中で」というのがこれまでの主な意見であると思う。また、「好きなこと、興味のあることをどのように活用していくか」といった意見もあった。 (根上委員)障害者差別解消の究極の目標は、障害のある人も障害のない人も誰もが自由に必要な意思疎通が図れる社会の実現であると思っている。そのために必要な具体的な方策として、例えば目の不自由な方には音声を用いたり、耳の不自由な方には視覚を用いることなど、様々な方策があることを本日伺った。市内の医療機関の代表として参加をしているので、それらの方策を更に聞かせていただいて、市内の医療機関にそれを周知していきたいと考えている。今後ともよろしくお願いしたい。 (石渡会長)それでは、啓発活動については、本日はここまでとしたい。 (5) 地域協議会の今後の取組について (6) 今後のスケジュールについて (石渡会長)議題の5と6について事務局から説明をお願いしたい。 (事務局)議題の5「地域協議会の今後の取組について」は、この地域協議会の今後の検討や取組について、各委員からのご提案などを予定していたが、時間の関係で本日はできないので、何か考えてきていただいたご提案などがあれば事務局まで後日ご連絡をいただきたい。資料5の啓発活動についても、同様に本日発言できなかったご提案などがあれば事務局までご連絡をお願いしたい。 議題6「今後のスケジュールについて」は、次回の開催予定であるが、この地域協議会は今のところ年2回の開催を予定しており、次回は11月末頃ということで後日日程調整をさせていただきたい。 それから1点ご相談であるが、この会議は、位置付けとしては、市の附属機関には該当せず、この会議を公開するのか、傍聴を認めるのかどうかといったことについては、市の定めはなく、地域協議会として決めていただくことになる。会議の公開については、この地域協議会の趣旨から公開してもよいのではないかと思うが、その点確認していただきたいと思う。公開していくということであれば、事務局で、次回以降、公開することで準備をしていきたい。 (石渡会長)事務局から説明があったが、公開とすることでよろしいか。 (了承) (石渡会長)それでは、次回以降は公開していくこととしたい。本日の議題はこれで終了とする。 3 連絡事項等 地域協議会の設置、委員名簿の公表(市ホームページ掲載等)について 会議録の作成、公表(市ホームページ掲載等)について 資 料・特記事項 資料1 「横浜市障害者差別解消支援地域協議会」の役割 資料2 横浜市障害者差別解消支援地域協議会の会議での約束事(案) 資料3 障害者差別解消に関する市の取組状況について 資料4 障害者差別解消に関する啓発活動等について 資料5 意見交換や情報交換をするテーマ「障害者差別解消に関する啓発活動等」 資料6 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)(抜粋) 資料7 横浜市障害を理由とする差別に関する相談対応等に関する条例(抜粋) 資料8 横浜市障害者差別解消支援地域協議会運営要綱 参考資料1 障害者差別解消支援地域協議会設置の手引き(概要)(抜粋) (平成28年3月 内閣府障害者施策担当) 参考資料2 障害者差別解消の推進に関する取組指針