第1回横浜市障害者差別解消支援地域協議会 日時 令和3年2月24日(水曜日)午前10時から午前12時まで 開催場所 横浜ワールドポーターズ イベントホールA 出 席 者(グループ順) 1グループ 大貫(義)委員、大野委員、佐藤委員、高木委員、高崎委員、奈良﨑委員 2グループ 内嶋委員、須山委員、永田委員、湧井委員、和田委員 3グループ 井上(良)委員、清水委員、沓澤委員、佐渡委員、松島委員 4グループ 池田委員、岩城委員、佐野委員、松木委員、山下委員 石渡会長(全体統括) 欠席者 井上(彰)委員、大羽委員、大貫(望)委員、加藤委員、渋谷委員、若栗委員、鈴木委員、金指委員、内田委員、塚田委員、森委員 議題 1 障害者差別に関する相談対応事例 2 障害者差別に関する相談対応の課題検討会議(横浜市障害者差別解消支援地域協議会部会)の開催報告 3 グループワーク 4 その他 議事 1 開会(障害福祉保健部長あいさつ) 2 議題 議題1(障害者差別に関する相談対応事例) (石渡会長)それではまず、議題1について事務局より説明をお願いします。 (事務局)(資料1の説明) (石渡会長)これだけの相談が出てくると、色々な事例があるのだということを改めて感じたが、この相談事例についても、グループの中で意見交換をしていただければとお願いします。 それでは、次に議題2の報告について続けて事務局よりお願いします。 議題2 障害者差別に関する相談対応の課題検討会議 (事務局)(資料2)の説明 (石渡会長)部会の時からかなり盛り上がったのだが、ぜひ今日はグループごとに議論を深めていただければと思います。では、グループワークの進め方を事務局よりお願いします。 議題3 グループワーク (事務局)グループワークの説明 【グループワーク1】 (石渡会長)それでは発表したいグループがあれば手を挙げていただけますか。では3グループからお願いします。 (3グループ)とてもいい話がでたので皆さんに紹介します。今までに障害に対して偏見を持ったことがあるかということについては全員がYESでした。過去も含めて考えたときに、今まで自分は障害者に関しての偏見や差別をしてきたのではないかということが皆さんからお話いただきました。自分がそういうことをしているということを気がつけるかがすごく大切だという話がでました。具体的なエピソードですごくいいお話があったのですが、非常に重度の障害のあるお子さんが地元の普通校に行きたいという話があり、それを初めて聞いた委員は「それはひょっとしたら親のエゴではないのか、障害のある子供は特別支援学校の方がいいのではないか」と思われたそうです。ただ、直接お母様がお子さんを連れて委員のところに会いにきて本人に会ったら気持ちが変わったそうです。その子が地域でみんなと一緒に勉強したいという気持ちが伝わってきて自分の偏見に気づいた。そこから地域の人に声をかけ、PTAに声をかけ、学校長の協力のもとで、今はその子は地元の小学校に通っていて、子供たちもそれをさりげなく受け入れてくれている、ということがあるそうです。その子は間もなく中学生ですが、中学校側でもその子を受け入れる準備をしているという話がありました。気づくことでいろんなことが動いていくということが、具体的なエピソードを持って語られたのでぜひ紹介したいと思いました。 (石渡会長)そのように地域が大きく変わっていくきっかけを、その方が作ってくださった横浜の力みたいなのを感じます。ありがとうございました。 他にももう1グループぐらい発表していただきたいが。それでは4グループお願いします。 (4グループ)皆さん子どもの頃だとか学生時代、若かった頃に偏見があったなっていうのを振り返りながらのお話をしてくださいました。共有したいなと思ったこととして一つは、委員として来ているということもあるのでしょうが、仕事柄偏見を持たないようにして心掛けているとか、あと合理的配慮はしっかり心がけているというのはあるのだけれども、逆にそのことによって、先入観をもってしまっているのではないかと話題になりました。要は障害があるとか、当事者とかの枠組みで障害のある人をとらえてしまっているのではないかと。そうではなくて、その個人がどう考えているかとか、その人と向き合う必要があるというのは今日改めて話題に出ました。あとは障害のある委員からも、自分に障害があると偏見を持たれることがすごく多いと話が出た。ただ、そのことによって自分の中には今まで偏見があったっていうことに気づくというきっかけができました。例えば環境整備というのか、目に見える障害の方だと、支援をすぐしてもらえていい。いわゆる目に見えない障害の方だとなかなか人に補助してもらえなかったりする。目に見える所があったらいいなとつい思ってしまったりしたこともあったと、その主に2点を共有したいと思います。 (石渡会長)ありがとうございました3グループからは気づきの話が出ましたが4グループからは先入観と、偏見を持たれたことが逆に自分の偏見に気づくというような、それぞれ深い議論をしていただけていると思います。それではここで、内嶋副会長にコメントをもらいます。 (内嶋副会長)2点だけ、あえてコメントを申し上げたいと思います。一つは最初の課題で差別をしたことがありますかというお話で、その「差別をする、してしまう。」かは、偏見を持ってしまう側から見ると、二つ大きく差別や偏見が生まれてしまう原因があると思います。 一つは皆さんがおっしゃるように知識がないため。知らないということです。特に障害に関する差別や偏見について言えば、やっぱり見えにくい障害というのはありますね。さっきうちのグループでも実は聴覚障害の方から、そういうご意見が出たんですが、例えば内部障害の方もそうですけども、見えにくい障害の方が偏見や差別を受けやすい場合もある。見える障害の方は差別を受けないのかというと、逆に見える障害の方は強烈な差別を受ける可能性もあります。私は自分で告白しましたけれども、精神障害の方について、若い頃怖いという差別というか偏見がありました。それは謝りました。精神障害の方の外見というか、問題行動を、自分の記憶の中で持っていてそれが払拭できないからそういうことになったんですね。ですので、まずはその差別とか偏見の対象となる事柄のことをやっぱりよく知るという必要があると思います。それからもう一つが、これはうちのグループの委員がおっしゃったのですが、障害がある、あるいは差別を受ける、偏見を受ける側の気持ちをわかってもらえれば、偏見や差別は減るのではないかということでした。委員のお話の中では、バスの運転手が障害のある乗客の方に非常につらい態度を示しても、もしそのバスの運転手が自分も障害があれば、障害のある方の気持ちはわかるはずだから、そうすると優しい気持ちで接せられるんじゃないかということでした。こういうお話は、小学校の道徳のときから多分我々散々聞かされている。それがなぜできないかということですが、恐らく、「人の気持ちを知る、相手の気持ちを知る」というのは実はけっこう高等な技術なのです。自分に余裕がない時はできない。私達立場上ですね、例えば国籍とか人種差別の問題を取り扱うのですが、いわゆるヘイトということをやっている人たちは、結構その人たちの待遇や境遇が悪い人たちもいる。つまり自分たちのつらい思いというのを、人に対する差別にぶつけていくということをやる人たちがいるんですが、それは結局自分がつらいので、もう視野が狭くなってしまって、周りが全然見えなくなっている。そういう人に「知れ」というのはなかなか大変なのですが、じゃあそこを打破するためにはどうしたらいいかというと、やはり障害や偏見をその狭いエリアで問題にするのではなくて、社会化していくこと。先ほどの、重度の障害の方が普通級の中学校に入学するという話で、その過程において、ご本人をご覧になってその関わった方が自分も一肌脱ごうと思ったことも大事なことだが、もう一つ大事なことはそこが広がっていったこと。地域に広がり学校に広がり、おそらく行政にも広がっていったと思う。その広がりというのがないと、なかなかこの問題は解決できない。一つの手段として、例えば法律という枠組みを作ってやるというやり方。障害者差別解消法を作ったおかげで、今は駅のホームで、「困っている方がいたら声をかけてください」とアナウンスが流れるようになった。これはもうすごいことなんですよ。もちろん充分とは限りませんが、ついこの間まで流れてなかったので、やればできるということです。だからその位やればできるという、社会の中でどんどん広げていくということを次のグループワークの中でお話をするようなので、この辺で私のコメントは終わりにさせていただきます。 (石渡会長)次のグループワークの2で、「差別をどうなくすか、自分がやれることは」といった話になっていくかと思いますので、ここで10分ほど休憩をして少し頭をリフレッシュしていただいて、今までの議論なども噛みしめながら次のグループワークに向かっていただきたいと思います。 【休憩】 (石渡会長)それではグループワークの2の議論について、事務局から説明をお願いします。 (事務局)グループワークの説明 【グループワーク2】 (石渡会長)皆さんから大事な声が出ているので、それを共有したいと思います。では先ほど発表していただいていない、1グループと2グループからご報告をいただければと思います。1グループは奈良﨑委員が素敵な絵を書いていて、聞くよりも見た方がいいのかなという気はするのですがお願いします。 (1グループ)1グループでは、偏見や差別をなくすようにするにはということと、私にはこれができるということを皆さんでまとめていただきました。 この模造紙にまとめるにあたって、ちゃんと工夫してやりなさいという指示をいただいたが、結局やりきれなくて、奈良﨑委員に素敵な似顔絵と絵を書いていただきました。出た意見としましては、やはりいろいろ障害があるということや、障害ということを知ってもらう機会がやっぱり必要だ、色々な事業だったり、自分の活動を通して知っていただく機会というのをしっかりと作っていくということが必要だという意見が出ています。また、障害のある委員からは、障害があるということを安心して人に言えるようになるようにしていかなきゃいけないのではないかというようなご意見もありました。ただ一方で時間も必要で、そんなにすぐには理解・啓発というのは浸透していかない部分もあるので、時間をかけてしっかりと伝えていくということが必要ですというような話が出ています。そして皆さん私にはこれができるということで、宣言をしていただいたことですけれども、事業や仕事や業務を通じて障害のことをしっかりと啓発をしていくことはできますということは、宣言をしていただきました。また、ご自身が困っている、あるいは困っていそうな方に対して自ら声をかけていく、手助けするということはしっかりとできますというお話や、あとはすぐ友達になれますというようなご意見もいただきました。やはりその人を障害者として見るのではなくて、しっかり人として、障害があってもなくてもいい関係を築いていくことができるというようなお話をいただきました。素敵な絵がありますのでまた後ほど近くに来て見ていただければと思います。 (石渡会長)大事なメッセージがたくさん入っていました。では、2グループお願いします。 (2グループ)2グループは、皆さんの思いを、1番・2番・3番と項目ごとに貼ってみました。主にお話の中では、自分たちはこれができますということをやるということは、その前にいろんな経験があったり、気持ちがあったり、自分の立場があったり、そういうことを踏まえてできるということに繋がっていくと思ったので、できることを中心にお話していただきました。その中のご意見で、私は誰にでも優しくできる、ということはつまり、つながりを作るということかなという話がでた。それがあって特に差別や偏見はなく、どこかで繋がっていくのかなというふうに思いました。他にも産む、育てるという話もあった。「そんなこと、どうして」ということで自分で立ち上がって当事者の会を作られたり戦っていく。力を自分で出していくことができるというお話をされて、他にもそういうとても大切なことを考えさせられる時間になりました。 (石渡会長)当事者の立場でないと、言えないようなことを言っていただいていると思います。せっかくなので3、4グループから、どんな発表があって盛り上がったかをお聞きできたらと思います。 (3グループ)前段のワークにも引き続いて、気づきだとか、地域ということがテーマで話されました。ほとんどの委員の皆さんが、やはり地域での活動で、障害のある人がそこで生活をしているということを知ってもらう必要があるということで、お互いに助け合うためには、当事者がアピールをするとか、知ること、知らせること、啓発というのがすごく大事という話がありました。その中でも、当事者ご自身が今までもやってきたしこれからもやっていくこととしてボランティア活動をずっとやっているので、それを続けていきたいという話がありました。横浜がずっと大事にしてきた当事者性を大切にして、それをきっかけに伝えていくっていうことはこれからも重要なので続けていきたいということですとか、小さな頃から生活をするときに近くに障害のある人がいることが当たり前になるように、そのためには教育が変わる必要があるということで、それを当事者として訴えていきたいという話ですとか、地域が大切なので、活動している委員からは枠にとらわれずに民生委員児童委員として、相談しやすい環境を作っていきたいというお話があって、私は何でも屋さんですというお話がありました。 (石渡会長)ありがとうございました。では4グループお願いします。 (4グループ)4グループの話で言いますと、その人の人格とか立場、多分障害のあるなしに関わらないと思うのですが、そういったところを尊重するにはその人のことを知らなきゃいけないという話があった。特に障害のある人という意味で言えば、障害のある人と交流をする場面がなくちゃいけないという話がありました。ただ、障害のことに偏見を持っていたり興味がない人に対しては、そういう交流の場を作ることがまず難しいだろうということで、気軽に交流ができるようにすることが大事。あとは子どもが授業で社会科見学をするように、大人もそういう障害者の人が集っていたり活動している場所に見学するような会を作れたらいいのではないかと。大人でもそういった場面で見て勉強して、学ぶのが大事だけど、子どもは特に教えなくても、見ているだけできちんと学んでくれるというような話もありました。できることの話は、皆さんのそれぞれの立場でボランティアだったり、当事者からお仕事の場面で、例えば今日の話や、それから今言った交流の場だったり、障害がどんなことなのかとか、そんなことを発信していくことができるのではないかという話でした。 (石渡会長)4グループありがとうございました。本当にそれぞれのグループから大事な話をしていただけて、やはり差別をなくすには、とにかく無知で知らないということをどのように変えていくかです。そのためには当事者の方といろんな立場の人が地域で一緒に動くことが大事だということを改めて感じました。今日のグループワークについては、まず事務局が全体をまとめてくださるかと思うので、それはそれで期待したいと思うが、広げていくことが大事だというご意見もたくさんありましたので、ぜひ皆さん今日それぞれの持ち場に帰ったらこの議論をちょっとずつでも周りに広げる配信や、じわじわっと広げて大きな力になるようなことをやっていけたらいいなと思いました。ぜひそれぞれの組織で色々な議論を深めていただけたらというふうに思います。では今日のグループワークはこれで終了させていただきます。本当に貴重なご意見たくさんいただけてとても実り多かったと思います。続いて、本来なら次第3の報告を事務局からしていただくところですが、時間も限られているので皆さん何かご質問があれば事務局に直接お願い致します。それでは今日の議事はこれで終了したいと思います。皆さんそれぞれに拍手をして今日のワークは終了とさせていただきたいと思います。 【拍手】 本当に皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。 4 その他(事務連絡) (事務局)最後に事務局から1点ご連絡がございます。これまで、本会議では障害施策推推進課長が横浜市健康福祉局を代表し委員として入っていましたが、来年度から少し体制を変更いたします。障害施策推進課長は事務局の立場でこの会議に加わることとし、変わりまして、同じ健康福祉局内で、福祉のまちづくりを担当している福祉保健課福祉保健センター担当課長に委員としてお入りいただくようにしたいと思いますので、皆様ご了承ください。簡単ではございますが佐渡委員と、新しく入る福祉保健センター担当課長からご挨拶をいただきたいと思います。 (佐渡委員)委員としてこの会に参加させていただいて本当にありがとうございました。これからは事務局として皆様が、議論をしやすいような環境作りの方に力を注いでいきたいというふうに思います。委員として発言できなくなるのは非常にと寂しいところではあるのですが、これからまた一緒に皆様とこの会を盛り上げていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。ありがとうございました。 (福祉保健課福祉保健センター担当課長)地域福祉部の江原と申します。福祉のまちづくりの担当しておりまして、障害のある方だけではなくて、ご高齢の方ですとか子育てで、ベビーカーなど、そういう方も含めてバリアフリーや、福祉のまちづくりを担当しています。主には建物とか、駅という話が多いのですが、やっぱり最終的には差別や、心の意識のような話になってきます。実は委員の皆さんの中には、福祉のまちづくりの委員とも重複されている方がいらっしゃいますので、そういうこともありまして今後私も参加させていただいて皆様のご意見を福祉のまちづくりにも活かせたらと思っています。よろしくお願いいたします。 (事務局)ありがとうございました。それではこれで、令和2年度障害者差別解消支援地域協議会を終了とさせていただきます。 資料・特記事項 資料1 相談対応事例一覧(令和元年7月~令和3年1月) 資料2 障害者差別に関する相談対応事例の課題検討会議(横浜市障害者差別解消支援地域協議会部会)の開催報告 資料3 グループワークに使う資料 資料4 障害者差別解消に関する本市の取組状況 資料5 障害者差別解消の推進に関する取組指針 資料6 横浜市障害者差別解消支援地域協議会運営要綱