令和6年度第2回横浜市障害者後見的支援制度検証委員会会議録 日  時 令和7年2月7日(金)午前9時00分〜午前11時52分 開催場所 横浜市役所 18階共用会議室みなと1・2・3 出 席 者 麦倉委員長、坂田副委員長、佐伯委員、野村委員、浮貝委員、八木委員、 品川委員、村山委員 欠 席 者 なし 開催形態 公開(傍聴者6人) 議  題 (1)横浜市障害者後見的支援制度の現況について (2)各区障害者後見的支援室の運営状況報告について (3)各区障害者後見的支援室の取組状況、全市的な課題について 決定事項 議  事 開 会 (事務局)ただいまより、令和6年度第2回横浜市障害者後見的支援制度検証委員会を開催させていただきます。本日、進行を務めます、健康福祉局障害施策推進課の渡辺でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  議事に先立ちまして、この会議を傍聴される方が本日いらっしゃいますので、傍聴される方にお願い申し上げます。この会議の円滑な進行を図るために傍聴の方はご発言できませんので、よろしくお願いします。  続きまして、出席委員数の確認に参ります。この会議は委員8名になっておりますが、今日は全員ご出席いただいております。ありがとうございます。横浜市障害者後見的支援制度検証委員会設置運営要領第6条第3項に規定されております、委員の過半数を満たしていることをご報告いたします。なお、浮貝委員につきましては、業務の都合により、10時頃退席されると伺っております。お忙しいところ、ありがとうございます。また、事務局ですが、障害施策推進課長も公務にて11時半頃退席させていただきますので、申し訳ありませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。  それでは、議題の(1)に参りたいと思います。ここから進行は麦倉委員長にお願い申し上げます。 議 題 (1)横浜市障害者後見的支援制度の現況について (麦倉委員長)麦倉です。よろしくお願いいたします。本日は議事がたくさんございますので、時間を節約するために早速議題1に入ってまいりたいと思います。事務局から資料1の説明をお願いいたします。 (事務局)それでは、資料1のご説明に参ります。後見的支援制度の現況です。毎回ご報告させていただいておりますが、半年間の法人の皆様の活動状況報告を数値的にお知らせしております。ざっと全体的なお話をしますと、この半年間、前回報告の6月末からの半年間では、大きな傾向の変化はございませんでした。なので、今回は登録者数のところを中心にご報告させていただきたいと思うのですが、まず18区合計で、12月末で2129人となっておりまして、前回報告から39人増加ということになっております。ここ近年のこの統計の傾向なのですが、緩やかに増加しているという傾向がうかがえます。なお、前回のこの検証委員会でのご意見を受けまして、今回から区別で登録者数をお出ししております。増減が5人以上の区がありまして、ここの増減理由を運営法人の皆様にざっと聞いたのですが、おおむね他機関からのご紹介によって新規のご登録者さんが増えているという結果になっております。一部、地域のキーパーさんから紹介があって登録につながったという事例も伺っておりますので、運営法人の皆様のキーパーさんとの活動が、少しずつではありますが実を結んできているのかなと思っています。減少理由としましては、区外転居されたですとか、運営法人の皆様は定期的に利用の意向確認をしておりますので、もう利用しなくてもいいですと終結に至っているのが主な減少の理由となっております。  続きまして、ちょっと飛びまして10ページをご覧ください。あんしんキーパーについてのページになっております。あんしんキーパーさんの登録状況につきましても、全体的に大きな傾向の変化は見られません。なので、ここもキーパーさんの登録者数を中心にご報告したいと思いますが、18区合計で現在1608人登録がございます。半年前、6月末から39人の増加となっております。こちらも前回の検証委員会のご意見を受けまして、区別で人数を出しております。増加が大きい4区、旭区、青葉区、戸塚区、栄区に理由を聞いてみたのですが、旭区さんに関しては、民生委員の定例会で制度説明を行ったら、その地区の民生委員さんが10名ぐらい一気に登録してくださったということで人数が増えています。あとは、今まで活動していた登録者さんとの面談の中でキーパーさんのご希望を伺って個別に登録のお願いをしたらつながったという理由で14人増えているということでした。それから、青葉区ですが、こちらは10人ですけれども、青葉区は皆さんもご存じのとおり商店会に協力店を依頼して、その商店の従業員さんにキーパー登録をしてもらうという活動を行っているのですが、こちらのあおばエール協力店という形での登録が増えた要因だと聞いています。それから、戸塚区は7人増えているのですが、事業計画書の取組事項にキーパーの増員を入れていて、力を入れて周知活動をした結果、7人増えたとおっしゃっていました。栄区さんは登録者の方からキーパーになってほしいという希望等で登録いただいていると。地道に活動した結果ということでした。ざっと報告は以上となります。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局の説明につきましてご質問やご意見、実績を見て感じたことなどがありましたらお願いいたします。何かございませんでしょうか。では、私から1点、区別に利用登録者とあんしんキーパーの数を出していただいて、各区ごとの特徴が見えてきてよかったかなと思います。登録者数は、それぞれの区の人口が違いますから、人口比でどこが一番多いのかとか、そんなようなところも分かるといいのかなと思います。今、登録者数で、単純な数でいくと栄区さんが一番多くて、あんしんキーパーの数でいくと青葉区さんが一番多く、次が栄区さんというふうな、そうした数になっているかと思うのですが、これは人口比でいうと、やはり随分違うものですよね。 (事務局)ありがとうございます。そのとおりで、青葉区に関しては横浜市内でも人口の多い区になります。30万を超えています。栄区に関しましては逆で、むしろ人口が少なく、17番目の区だったと記憶しております。 (麦倉委員長)そうした単純な数と、地域にどれぐらい浸透しているかというところの評価は、やはりちょっと経過を見ていかないと分からないところだと思いますが、そうしていくと、人口規模の割に多い区というのがあるなという印象です。ほかに何かございますでしょうか。村山委員、お願いいたします。 (村山委員)基本的なことで申し訳ないのですが、あんしんキーパーとゲートキーパーは違うのですか。 (事務局)ご質問ありがとうございます。あんしんキーパーについては、この後見的支援制度で使っている名称になります。ゲートキーパーは、自殺対策ですね。自殺予防のために見守りをするという制度のところで使っている名前になります。 (村山委員)ありがとうございます。あんしんキーパーの登録はすぐできるのでしょうか。 (事務局)あんしんキーパーの登録は、ご本人が希望すればすぐ登録していただくことができます。 (村山委員)分かりました。どうもありがとうございました。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ほかに特によろしいでしょうか。それでは、議題1についてはこれで終了といたします。 (2)各区障害者後見的支援室の運営状況報告について (麦倉委員長)続きまして、議題2に移ります。各区障害者後見的支援室の運営状況報告についてです。ここからは、本日出席している委員全員で、運営法人の事業計画書兼自己点検シートに基づき、運営状況等の確認を行います。本日は、A区、B区、C区の3区の後見的支援室の運営状況報告を実施します。まずはA区から始めます。委員の皆様は、お手元のA区と記載されている資料2−1の事業計画書兼自己点検シートとヒアリングシートをご準備ください。A区後見的支援室には、この資料2−1事業計画書兼自己点検シートに基づく取組について、達成目標及び取組項目の(1)(2)(5)(6)を中心にご報告いただきます。その後、ヒアリングの時間といたします。こちらはヒアリングシートに沿って質問し、運営法人から回答していただく形で進めていきたいと思います。運営法人の皆様は、このヒアリングの内容を議題3で意見交換しますので、ヒアリングシートのメモ欄をご活用ください。ヒアリングシートは検証委員会終了後に事務局が回収いたします。それでは、A区後見的支援室は、運営状況の説明を3分程度でお願いいたします。 (A区)よろしくお願いいたします。A区の担当職員です。 (A区)A区の管理者をしています。よろしくお願いします。 (A区)それでは、事業計画書兼自己点検シートに沿って説明させていただきます。(1)についてです。今年度の目標は、登録者の地域でのつながりを広げるために、集う会の開催方法や開催内容を検討し、希望される方が参加しやすい集う会を開催することを目標に挙げました。そして、定期的な訪問や面談の中で、登録者と地域とのつながりを確認していく。具体的には、多世代交流のイベントを登録者・キーパーとともに企画し実行する。集う会については、地域福祉保健計画の地区別7地区での開催に変更する。希望される方が参加しやすいよう、週末の開催日に設定するというところを具体的取組として取り組んでまいりました。多世代交流としては、当支援室が何か企画してやりましょうというのではなく、地域の中で障害のある方だけでなく誰もが一緒に楽しめる会を企画しましょうという提案に応えてくださったというか、そういった登録者さんやご家族、キーパーさんと一緒に打合せから積み重ねて実際に会を行いました。そして、集う会は地区別計画の地区別7か所で開催を行っております。  (2)についてです。登録者や家族の思い、ニーズをしっかりと聞き、ケア会議などの場で必要な情報提供を行う。また、関係機関と連携していく。緊急事態が起こったときでも慌てることがないよう、なかなかふだんお会いできないご家族や関係機関とも意識的に連絡を取り合うことを心がけていくということを目標に掲げていました。具体的には、他機関とも連絡を取り合える関係を持てるように、計画相談のモニタリングや、個別支援会議には積極的に参加させていただきました。あとは、生活支援センター、自立生活アシスタントとの定期的な情報共有の場を設けていて、それを今年度も継続しています。  そして(5)制度の周知についてです。地域ケアプラザの地域交流コーディネーターや民生委員・児童委員、社会福祉協議会の職員等と連携し、地域の方に向けた周知活動を行っていくことと、広報誌の発行・報告会は継続して行っていくことを目標に掲げています。具体的には、地域交流コーディネーターの連絡会で制度周知の時間を頂いています。これは3年前から年1回定期的に行わせていただいていることで、コーディネーターさんたちが後見的のことを理解して協力していただけるようになったなと感じています。広報誌等も定期的に発行し、キーパーさんにお届けするということを続けております。  (6)についてです。地域の方とつながり続けるために集う会は継続して開催する。若い世代の方にも制度のことや障害のある方のことを知ってもらうことで、見守りの層を厚くしていこう。これを今年度の目標として掲げておりまして、先ほど一番最初にご説明しました多世代交流のイベントにつながっております。そして、令和5年度より地福計画の中の見守りを考える部会というものがありまして、そちらにも参加させていただいております。簡単ではありますが、以上になります。 (麦倉委員長)ありがとうございます。集う会をたくさん開催されたり、多世代交流等を企画されたりなど、非常に積極的に活動していらっしゃるなと感じております。それでは、ヒアリング内容でお聞きすることになっている内容を聞いていきます。まず、取組事項に関することの(1)(2)に関わるものとして、「身近な地域での、登録者の見守り体制の構築」「登録者の意思に基づく生活の実現に向けた支援」というものが取組項目にあるわけですが、具体的に、意思表出支援と意思決定支援をどのように進めていますかという点をまずはお伺いいたします。 (A区)面談を重ねて関係性をつくっていく、意思表出をしやすい状況をつくっていくというのはもちろんのこと、集う会や多世代交流の場、機会を通して、面談の場面では聞くことのなかったご本人の思いやお気持ち、お考えを知ることができているなと感じています。例えば、集う会の中で、当支援室との面談では緊張して、なかなか言葉を発信するのが難しかった方が、集う会の中で地域の方を目の前にして、地域の方の、話を聞くよという温かい姿勢に、ご自分から自分の病気のことを伝えていたり、ご家族もお亡くなりになってしまい施設に入るしかないと思われていた方が、当支援室でもお話は聞かせていただいていたのですが、地域のあんしんキーパーさんが一緒に面談の中に入りお話を聞いてくださり、地域で手伝うよ、とか助けるよと言ってくださったことで、その方はもうちょっとこの地域に住んでみようかなとか、そんなことを発信してくださったり、そういうところから地域の方のお力によってこの意思表出ができたのかなと感じております。 (麦倉委員長)ありがとうございます。地域の方の温かい話を受け入れる姿勢というのは自然に出てくるものなのか、それとも、A区さんのほうから何か事前にご説明なりをして醸成しているものなのか、いずれなのでしょうか。 (A区)何かこちらが事前にお願いすることは一切なく、地域の方たちの力なのかなと感じます。また、別の方なのですが、当支援室とあんしんキーパーさんって何が違うの?と聞いたときに、やっぱり仕事で聞いてくれるのと親身になって聞いてくれる違いとおっしゃられていました。 (麦倉委員長)よく分かりました。ありがとうございます。それでは2つ目に、本人と家族の意向が異なる場合、どのように対応されていますか。いかがでしょう。 (A区)やはり親御さんと一緒に面談させていただいていると、親御さんがいることで、ご本人は何か言いたいことを言えていないのではないかと思う場面もあります。そういうときは、お話を聞く場を別に設定しています。親御さんとしてはこの子に早く自立のために経験を積んでほしいというお気持ちが強くて、ショートステイを利用している方がいらっしゃるのですが、ご本人様からは、本当はあまり行きたくないという声を聞かせていただいたことがあります。支援者の中で、ご本人はそういうお気持ちなんだなということを共有させていただきました。 (麦倉委員長)ありがとうございます。何か追加で説明がありますか。よろしいですか。 (A区)1番のところに戻らせていただくと、先ほど担当職員からありましたが、この制度の強みだと感じているのは、もちろん面談の中でその方の思いをサポーターもマネジャーも丁寧に汲み取ろうとしています。当事者さんもなるべくお話をしてくださっているとは思うのですが、先ほどあったとおり、地域の人は親身になって聞いてくれるよと。本当はもう少し強い言い方で、お金をもらって聞いているよねということをおっしゃっていたのです。そう考えると、地域の中でこそ伝えられることというのがあるんだなと。それは同じ住民同士ということで、そこが僕らとの大きな違いで、逆に言うとこの制度の強みというか、意思を汲み取っていくために地域の方たちと一緒にやっていくという、そこがこの制度の最大の強みだなと最近感じております。自分たちも最初からそう思っていたわけではなくて、ここ最近、そういったエピソードが続いています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。これまでの積み重ねがあったからこそ、そうした地域の住民の方たちの理解とか、広い意味での地域づくりというところに結びついているのかなとも思います。かといって、地域住民だけでできるというものでもないので、そのあたりもお互いにできることというのをちゃんと共有しながら進めていくことが大切かなと思います。  それでは3つ目で、支援室は区内の関係者及び区民それぞれにどのくらい認知されていると感じていますかという点なのですが、いかがでしょうか。 (A区)この制度のことを自立支援協議会などで周知させてもらっていますので、障害関係機関の方々には比較的認知されているのではないかと感じています。一方で、地域の方にはまだまだなのかなといった印象はあります。 (麦倉委員長)中間振り返りの資料2−1を拝見すると、3−1の(2)のところですかね。計画相談の会議には積極的に参加しようとしているけれども、関係者として認知されていないこともあって、計画相談支援事業所に後見的支援のことを説明しなければならないことがあったと書かれていまして、そうした部分でまだちょっと漏れがあるというのが現状なのでしょうか。 (A区)ご本人様から関わっている関係機関等は教えていただいて、計画相談の方には登録させていただいたタイミングや、計画相談の方が入られたタイミングでこの制度のことを説明させていただいて、私たちも一緒に関わらせていただいているので会議等のとき呼んでいただけるように働きかけをしています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは4つ目ですけれども、地域福祉保健計画の参画状況を教えてください。いかがでしょうか。 (A区)A区は地域福祉保健計画の地区別が7地区に分かれています。そのうち1地区の見守り部会のメンバーだったあんしんキーパーさんが、もっと地域にこの制度を広めないとということで、部会が自主的にキーパーを増やすための取組を始めてくださいました。2年前からその会に当支援室も加わらせていただいています。定期的に参加させていただいているところは1か所ですが、他地区の見守り部会的なところに制度の説明と、集う会へのお誘いをしたところが2か所あります。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは5つ目に、地域とのつながりづくりをどのように行っていますかという点ですが、いかがでしょうか。 (A区)地域とのつながりづくりというところですが、当支援室では10年ぐらい前から集う会というのをさせていただいていて、初めは本当にあんしんキーパーさんの情報交換のための会議ということで始めたのですが、キーパーさんたちの中から、やはりキーパーだけでは何も分からない、登録者のご家族の話を聞きたい、当事者の話も聞きたいというお声が出てきて、今の集う会の形に発展してきました。また多世代交流の取組ですが、もともとあんしんキーパーさんたちの中から、自分たちはもうだんだんと年を重ねて高齢化してきたのだから、もっと若い人たちを増やさないと駄目だよという声を頂きました。現役世代は忙しいので、その子供たちに障害のある方と一緒に過ごしてもらい、一緒に楽しめたらよいよね。そういう考えから、登録者さん、ご家族、キーパーさん、地域の方、子供たちも含めて楽しめる会の企画メンバーを募りました。登録者、キーパー中心で、その方たちと多世代交流の会を今行っています。集う会も、キーパーさんから始まりそのご家族、登録者さんと徐々に参加者が広がっていきました。今では、ご興味のある方、地域の方はどなたでもぜひ参加してくださいという形で募っております。 (麦倉委員長)ありがとうございます。本当に風通しよくいろいろな人が気軽に参加できる場というのができてきているということで、すごく印象的な取組だなと思います。  それでは6つ目に、区社会福祉協議会との関係づくりはどのようにしたらもっとうまくいくと思いますかというような、ちょっとピンポイントの質問なのですが、いかがでしょうか。 (A区)まずは、今年度に入ってからですが、A区社協の事務局長さんが地域福祉保健計画とは何ぞやというお話を頂いて研修会をしてくださいました。それから、集う会には区社会福祉協議会の職員さんが参加してくださっているのと、法人地活の運営委員にも区社会福祉協議会の局長が入って下さっているので、後見的も含めてご理解してくださり、協力してくださっているのかなと思っております。  あとは、B、Cに戻りますが、地域福祉保健計画を勉強していかなければという思いがあるのと、A区地域福祉保健計画推進会議に自分が参加させていただいているので、ここで集う会のエピソードなども伝えさせてもらっています。A区はその冊子にもそういったエピソードが掲載されているという形で、地域の方にお伝えしていくにはいい席を頂いているなと思っております。  あとは、今の局長さんになって積極的に協力してくださっておりますが、なかなか、これはどうしてなのか分かりませんが、その年々というのか、局長が交代することで協力していただく具合が変わってくるというのが非常に、こちらはすごく、地域を知っている区社会福祉協議会さんに協力していただくということは、キーパーさんの登録とか理解につながっていくと思っていますので、非常にそこが年によって波があるというのは、そうじゃないほうがいいなと思っております。今は非常に協力していただいて感謝しているところです。 (麦倉委員長)分かりました。多分、Eの趣旨というのは、区社会福祉協議会との関係で課題だと思われているものは何ですかという趣旨だと思うのですが、その年々によって関係性に違いが出てくるというのは、恐らく区社会福祉協議会のほうに後見的支援の位置づけがちゃんと入っていないことが課題だと思いますので、そこは共有できたらいいかなと思います。  その他幾つかございますが、スタッフ間の連携状況を教えてくださいということと、2つ一緒にお伺いしてしまいますが、支援室の体制づくりのために工夫していることはありますか等、いかがでしょうか。 (A区)今、サポーターさんたちが6名、週5の方が3名、週4の方が1名、週3・週2の方もそれぞれ1名、計6名のサポーターさんがいるのですが、常に皆さん全員が出勤しているわけではないので、情報が共有できるように毎朝ミーティングで近況報告をし合ったり、共有すべき事項を報告したり、その日の面談で自分が何を確認してくるかも伝え合い確認しています。あとは、緊急時には責任者にも報告して指示を受けて動けている、そういう連携が取れていると思っています。  体制づくりのための工夫というのとはちょっと違うかもしれませんが、A区は担当職員が、サポーターから担当職員になっています。今も元担当職員がサポーターとして事務所にいて一緒にチームの中にいるので、相談しやすい環境にあると思います。やはり地域の窓口になっている担当職員なので、前任者がいる状態をありがたく感じています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それではもう一つ、制度運営に当たって困っていることはありますかという質問ですが、いかがでしょうか。 (A区)A区では報告会を年1回やらせていただいていて、お仕事帰りの登録者さんや、支援者さんにもぜひ聞いていただきたいという思いから、夕方、大体5時ぐらいから報告会を行わせていただいているのですが、なかなか場所の確保ができないといいますか、区役所を借りるのが駅からも近くて駐車場もあってとてもありがたいのですが、なかなか夕方のその時間、今までお借りできているのですが、スムーズにお借りできないことが多いかなと。以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。非常に分かりやすい言い方かなと思います。それでは、委員の皆様からお気づきになった点、何でも自由にお聞きいただければと思います。いかがでしょうか。 (品川委員)品川です。先ほどの7番の質問でスタッフ間の連携状況なのですが、サポーターさんが6人いらして、毎日ではないかもしれませんが多く来られる方と、週に1回か2回ぐらいの少ない方たちは、毎朝、朝礼みたいなものとか報告は聞けていないと思うのですが、週に2回だとしたら、それ以外の5日間のことは分からないかもしれないので、そういったことはどのようにしていらっしゃるのでしょうか。 (A区)ご質問ありがとうございます。朝の会議のときに簡単な記録というか、こういう話をしたというのを書くようにしているので、お休みだった人は出勤したときにそれを見ていただく。電話なんかもこういう内容の話を受けたというのを、本当に簡単なのですがメモを取っておくようにしているので、こういうような動きがあったんだなということを確認できるようにはしております。 (品川委員)ありがとうございます。では、前回自分が出勤したときから今日までの間のことを見ていって、こういうことがあったんだなと理解するという感じですかね。 (A区)そうです。もちろんメモ書きだけでは分からないところもあると思いますし、担当の方は特にこれまでの動きというのは引き継がせていただくようにしています。 (品川委員)ありがとうございました。 (麦倉委員長)ほかにいかがでしょうか。 (坂田副委員長)坂田です。2番、本人と家族の意向が異なる場合なのですが、多分、親は自立を期待してというのがあるのですが、早くグループホームに入れないかなとかそんなことなんでしょうけど、ご本人はなかなかそうはいかないという場合、今後どのような形に持っていく予定ですか。お願いします。 (A区)ご質問ありがとうございます。実際、親御さんとしては進めていきたいから、グループホーム紹介しておいてとかおっしゃることはあるのですが、ごめんなさい、私たちはご家族のお気持ちはとてもとても理解しているつもりなのですが、ご本人様の側に立たせていただくスタンスでおりますので、少しそういう話を振らせていただいたりもしますけれども、あまりにも関心なさそうだなという場合はあえてそこは触れずとか、タイミングがあるのかななんて思いながら関わらせていただいております。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。村山委員、お願いいたします。 (村山委員)村山です。今の話で、逆に親御さんが話したくないよということもあったりしますか。 (A区)はい。あるなと感じます。 (村山委員)本人がちょっと行ってみたいなと思っても、親御さんが無理だと思うとか、そんな感じなのでしょうか。 (A区)そうですね、私が今ちょっと思い浮かべたのは、親御さんは、ご本人がいてくれると実は助かったり、いろいろなおうちのことを手伝ってくれるというか、いてくれるので本当に助かっている面もあって、なかなか手放し難いのかなと感じる方もいらっしゃいますね。 (村山委員)いろいろな方がいらっしゃるということが分かりました。ありがとうございました。 (浮貝委員)浮貝です。よろしくお願いします。先ほど少し触れられていた@意思表出支援と意思決定支援について、これは全体の話になるとは思うのですが、A区ではどう考えになっているか聞かせていただきたいと思います。私も障害福祉サービスに従事しておりまして、我々の障害福祉サービスで使っている意思表出支援と意思決定支援と、地域福祉に位置づけられるであろうこの後見的制度の支援という言葉が一緒になってしまっていて、意思決定支援という言葉も一緒の言葉を使っていますが、位置づけとしては違うと思っているのです。立場が違うので、障害福祉サービスと同じ意思決定支援をやるべきではないと思いますし、でも同じ言葉を使っているという意味で、後見的支援制度の立場としてはこの意思決定支援というのをどのようにしているか考えているかという、その違いについてどうお考えになっているか聞きたいなと思っていたのですが、いかがでしょうか。 (A区)ちょっと答えになるか、先ほどの話の続きになるかもしれません。この制度が出来上がったときに、敷居の低さというのか、本人側に立ったというようなフレーズがすごく強かったように思っています。たしか坂田副委員長もそのときに、風通しよくするということと、この敷居の低さというのを期待していますとおっしゃっていたように記憶しています。僕らも利害関係というのか、サービスを、支援と入っているから提供することになるのですが、直接支援をしたりはしないということでは、敷居の低さというのがこの制度の売りなのかなと思っていたのですが、今回、先ほど伝えたように登録者の方たちのご意見を聞くと、登録者の皆様にとっては決して低いものではないんだなという認識を持っておかないといけないのかなと思いました。その方がどう思われているのか、何を希望されているのかということを聞くに当たっては、僕ら支援をしている側のマネジャー、サポーター、担当職員では限界があるのかなというのは非常に感じていますので、地域との連携というのか、住民の人たちのフラットな立場と一緒にやっていくことが意思表出につながっていくのかなというのは非常に感じています。 (浮貝委員)ありがとうございます。僕も別に答えを持っているわけでは全然ないですが、我々障害福祉サービスの中での意思表出、意思決定支援というのは、基本的にはそのためにニーズアセスメントをしたり、障害特性のアセスメントをするということで、本人の意向と第三者のアセスメントがあって成り立つものだと考えているのですが、それをやるわけではないじゃないですか。でも、意思決定支援と書かれていますよね。それを後見的の人がやるわけではないと思っているという意味では、じゃあ何をやるのかといったときに、僕は家族的な支援制度だと思っているのです。家族は本人に支援というのをしないじゃないですか。身内は支援するという関わりはしない。そういう立場の後見的支援制度を皆さんがどういう位置づけでどのように本人の意思を大事にして支援していくのかという全体的な方向性とか考え方みたいなものが示されていないと、この言葉を使ってしまうと非常にややこしくなってしまうような気がしています。だって、きょうだいとか家族の意思決定支援をしていますって、家族は言わないですものね。だから、その辺が少し見えてくると、もう少し分かりやすいのかなという感想を持った次第で質問させていただきました。ありがとうございました。 (野村委員)野村と申します。ご報告どうもありがとうございました。多世代交流の部分で、資料にもあるかもしれませんが、ご質問を幾つかさせていただきたいと思います。若い世代の方が関わっていって理解を広げていくというのはすばらしいことだと思いますが、利用者さんから見てそういった若い方が入られることについての何か影響といいますか、利用者さんの受け止め方で何か違うことがあれば教えていただきたいのが1点。あと、具体的に若い方のキーパー増にはまだつながっていないという記載があったかと思いますが、やはり担い手というところでは、若い方がキーパーさんのほうに入っていくという流れがつくれていくと持続可能な形になっていくのではないかと思いますので、そのあたりの方策といいますか、見通し的なところで何か感じられていることがあれば教えていただきたいと思います。 (A区)ありがとうございます。利用者さんがどのように感じていらっしゃるだろうかということですが、子供たちと一緒にこういう会をやろうと思うというお話をしたときに、ちょっと苦手だから私はいいやと、そういう登録者も何人か実際にいらっしゃいました。多世代交流の企画に参加したお一人の方は、車椅子を使われているのですが、今までは混んでいるところで子供たちがぶつかってくるんじゃないかと恐怖を感じていた。だけど、こういうところで一緒に楽しんでくれる子供たちが増えれば、そういうことに配慮できるようになるんじゃないかとか、お子さんたちが将来お仕事に就いて、一般就労の中でもいろいろな方がいらっしゃると思うので、ハンデがある方と出会ったときに配慮できるお子さんになってくれたらうれしいなと、そんなことを語ってくださった方もおりました。  あともう一つ、今後の展望みたいなところですよね。 (野村委員)参加してくれる若い世代の方がキーパーにつながるというようなことについての展望的なものがあれば。 (A区)子供たちが大人になってあんしんキーパーになりたいと思ってくださるまでには、本当に長い長い時間が必要なのかなと思っています。ただキーパー数だけではなくて、そういうお気持ちのある方がA区内に増えてくれたらいいなと、そんな思いで取り組んでおります。 (野村委員)どうもありがとうございました。 (A区)今の質問に対して少しいいですか。基本的に、見守る側と見守られる側は一方通行ではないと思っています。というのは、障害のある方が見守られるという、それはもちろんあるのですが、僕は相互に関係があるのかなと思っています。というのも、あんしんキーパーさんの中には、登録者さんと日々関わらせていただくことで、自分の成長を感じるということをおっしゃる方もいますので、登録者の方たちが地域に与えている影響というのは非常に大きいなと感じております。なので、お互いさまということをベースに考えたときに、次世代をというのは、後見的に限らず地域の課題になっているかと思います。民生委員さんも含めて次の担い手がいないという。僕らはそこで何ができるかと考えたときに、今言ったような、誰もが参加できる交流会というのを企画した中で、お子さんたちの親御さんが少し関心を持ってくれたらいいなということもあったのですが、実際に参加してみると当事者の方が、僕から見たら本当に楽しいのかなというような印象だったのですが、ずっと企画から参加してくれるのです。当日は紙飛行機大会をやって小学生が5人ぐらい参加してくださったのですが、なかなか交わっていかないんですね。だからこれはどうなんだろうなと思っていたのですが、後から聞いたら、さっき担当職員が言っていたように、思いやりのある子供になってくれたらいいなとおっしゃったときに、この方も地域づくりというのか、そういう社会になっていったらいいなという願いがあるんだなと思ったのです。登録者さんだって僕らだって地域の人だって同じように温かい街をつくっていこうという気持ちは一緒なんだなと思ったんですね。なので、見守るということは一方通行ではなくて相互にあるものなんだというのと、誰もが一緒につくっていくということがこの制度を進めていく上でのキーになるんだなということを今回のことで学ばせてもらいました。 (麦倉委員長)ありがとうございます。当事者の方を支援するということだけでなく、支援を通して地域全体というか、長期的な地域の力を高めることにもつながっているということで、まさに双方向の関係になっていると思います。予定時間を超過してしまいましてすみません。まだまだお伺いしたいところでありますが、本日はどうもありがとうございました。 (A区)ありがとうございました。 (麦倉委員長)次はB区の皆様です。それでは、B区の後見的支援室から、資料2−2事業計画書兼自己点検シートの内容に基づき、運営状況の説明を3分程度でお願いいたします。 (B区)B区の管理者をしております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。 (B区)同じくB区の担当職員をしております。よろしくお願いいたします。それでは、早速ですが、資料に基づきまして、B区の取組についてお伝えさせていただきます。  達成目標として、目指す姿。私たちは遠慮しないで声に出す。重点目標として、職員同士声をかけながら登録者や地域との関係を深めていく。と掲げました。後見的支援制度のガイドラインにもありますチーム支援に重点的に取り組んできました。具体的には、担当以外の面談に入る。問合せから定期面談までの流れをつくり、当支援室の体制をイラストにしました。サポーターの中にすごく似顔絵が上手な職員がいまして、とてもよく特徴を捉えているので皆さん似ていると言われていますが、それを用いて分かりやすくしました。それから、ご本人やご家族の思いに寄り添っていくには、やはり職員同士の連携が必要であると考えました。私たちはご本人のありのままをフラットな気持ちで受け止めていきたいこと、また、ご本人やご家族もまずは当支援室の職員がどんな人間なのかを知ってほしいこと、お話を伺いながら人となりを知ることを大切にして職員の受皿を強くしていきたいという思いで、それを全員で確認して目標にしたという経緯がございます。  (1)です。支援計画書の振り返りとご提示のときに、そのほかにも日々の面談の中で行きつけのお店とか近隣の方などの具体的な話題が出るときがあるのですが、その話題をより深めていけるように聞き方を変えてみたり、または訪問時に地域の様子を確認するなど、意識的に取り組むことができています。そういった様々な情報を共有して全員で把握に努めています。  (2)です。これまで聞きためてきた相談支援カードを基に、情報の進捗を会議で共有しております。当支援室も9年目を迎えまして、ご家族の状態像もかなり変わってきているなと感じております。どんなことがこれから必要なのか一緒に考えて、必要に応じて関係機関との連携も視野に入れて取り組んでいます。また、将来に向けて話すことが制度上多くなるのですが、これまでの暮らしについても聞くことによって、どんな言葉で心地よくなっているのか、よく過ごされていたのか、またはどんなことが苦手だったのかを聞いていくのも、今後の安心した生活を考える上で大切だと思ったので、そこも意識的に聞くようにしています。それから、関係機関の基幹相談支援センターや自立生活アシスタント事業と、私たち当支援室は同じ場所にあるということも幸いして、すごく連携しやすくなっております。面談の中で、これは関係機関さんにつなげたほうがいいかなというときは、ご本人・ご家族に確認を取って情報を提供させてもらっています。  (5)です。制度の周知としては、おととしから区内の地域ケアプラザさんに向けて、ガイドラインの説明とともに、各地域ケアプラザさんのエリアにいるご本人から、近くに知り合いを見つけたいというご希望があったときに、ご協力していただけますかという話を一緒にしています。すごく不思議なのですが、ある地域ケアプラザにつながると、そのエリアのご本人から、後から地域につながりたいという話がうまい具合に出てくるんですね。なので、町内会長さんや民生委員さんを紹介してもらって、顔合わせをしてつながることができるようになってきました。顔が見えることでパイプが太くなっていくことを実感しています。  最後に(6)です。あんしんキーパーさんの開拓及び活動定着として、7月と年明けの1月に広報誌を発行しています。おととしから毎年2月に茶話会を開催しまして、あんしんキーパーさんと交流を図っています。茶話会にお知り合いや障害について興味のある方も誘ってお越しくださいと、お誘い方法も変えてみました。一人で参加するのはちょっと気まずいなという思いもあったので、それを入れてご案内しています。  目標と、(1)(2)(5)(6)については以上になります。 (麦倉委員長)ありがとうございました。それではヒアリングに入ります。B区のヒアリングは佐伯委員にお願いいたします。 (佐伯委員)佐伯と申します。よろしくお願いいたします。では、早速B区のヒアリングを進めたいと思います。まず1番で、意思表出支援と意思決定支援をどのように進めていますかということで、先ほどの区でも大分この辺がポイントだというようなことも感じましたので、ちょっと詳しく教えてください。 (B区)私たちはご本人の特性に合わせてお話を伺うように努めております。例えばの話になりますが、精神障害のある方はその日の体調によって様々だと思いますので、それを考慮したり、時間を短くしたり、話したくないことがあれば無理に話さなくてもいいですよということをお伝えしながら、ご本人と確認して進めています。それから、自閉症スペクトラム障害の方には、見通しが分かるように、今日聞きたいことはこれですみたいな感じで紙に書かせていただいて、視覚的に対応できるようにしています。お話がちょっとできない方は、ご本人の表情やしぐさなどを確認しながら、どんなことを思っているのかなとか様子を見つつ確認させていただいています。私たちはできるだけ話しやすくリラックスできるような雰囲気づくりとか、定期的にお会いする中で、この人はいつも来るなと思ってくださればすごくうれしいのですが、なかなか心の内を話すまでにはやはりお時間がかかるんだなと感じております。信頼関係を築くには、やはりじっくり向き合うことが大切なので、私たちも焦らず進めていくことを大事にしています。8年ぐらいたってからやっと実はねみたいな感じで心の内を話される方もいらっしゃるので、関わり続けることがやはり大事なんだなと思っています。  それから、意思決定支援ですね。まず初めに私たち支援室から、ご本人とご家族の思いがそれぞれ異なることがありますよね、当支援室は中立的な立場でお話を伺いますと説明させていただいています。すると、うんうんと、親御さんもご本人もうなずかれている方がいるなと思っています。最初はご家族と一緒に面談されている方も、慣れてきた頃からお一人でお話ししましょうかという感じでお伝えして、ご家族と別々に話を聞くようにしています。ご一緒のときは、ご家族に心配をかけたくないという思いがあって、ご家族のご意見に合わせてしまうんですよね。そうだよね、お母さん、俺もそうなんだよみたいな。そんな感じなんですけれども、お一人になると、いや、本当はこうなんだよね、やりたくないんだけど、行きたくないんだけどみたいな感じを吐露されるというかおっしゃるので、すごく素直に本心を話してくださっているなと思っております。当支援室はご自身で決めることが大事だと思うので、情報提供、幾つか選択肢をご提示して、増やしたりして、ご本人のペースに合わせてじっくり考えられるように時間をかけて、私たちは待つ。ご本人が発する気持ちになるまで待つという姿勢を大事にしています。 (佐伯委員)ありがとうございます。今のお話の中で、言葉が話せない人については、どのぐらい意思の確認が取れるのでしょう。 (B区)作業所さんのところに行って作業されているときの表情を見たり、職員さんとのお話を聞いたり、やり取りを見ながら、楽しくやっていらっしゃるな、ちょっとここは難しいのかなというのを私たちは感じながら見守っています。 (佐伯委員)ありがとうございます。それと関連してなのですが、2番目の、本人と家族の意向が異なる場合、どのように対応していますか。これは多々あると思うのですが。 (B区)先ほどA区さんもおっしゃっていましたが、まずはご本人の思いを大事にさせていただいています。お話ができる方は、ご家族にどう伝えたらいいですかとかご本人に相談して、ご本人が私たちに安心してお話ができるように対応させていただいています。その上で、ご家族の思いも聞き取って、ご家族はご家族なりの思いもあると思いますので、それも受け止めていくようにさせていただいています。具体的なエピソードを今日はちょっと持ってきたのですが、ご家族はグループホームに入居してほしい、でも、ご本人は自宅に住みたいというケースがありました。基幹相談支援センターと連携しておりまして、基幹のほうでは、実際の生活についてのお話や、グループホームの体験を勧めていました。当支援室は、ご本人の気持ちを軸に伺っていっておりました。何か所かご本人もグループホームの体験をしたり見学に行ったりした中で、いろいろな経験をされたことでグループホームのイメージを持っていったようなんですね。最終的にはグループホームに入居という形になって、最近ですが、土日に自宅に帰りたくない、グループホームにいたいという連絡が来ることもありました。このように、意向が異なる場合でも、経験不足ということもあるのかなと思っております。私たちもそうなのですが、やってみないと分からないことが多々ありますので、経験することが大事なんだなと思っております。後見的支援制度は、ああしましょう、こうしましょうというような制度ではないので、何でも相談できる関係を築いて、何か困ったことがあったら計画相談や基幹相談支援センター、または生活支援センターと区役所、就労支援センターなどに橋渡しをすることで、関係機関と連携することを考えながら行っております。 (佐伯委員)ありがとうございます。今の実例は私自身も実感として感じていまして、これから先どうしようかというので、個人的にも大変ありがとうございます。引き続き3番目の、支援室は区内の関係者及び区民それぞれにどのぐらい認知されていると感じますかということで、相手が感じることなのでちょっと難しいかもしれませんが、こんなものではないかということで概略を教えていただければと思います。 (B区)分かりました。B区では、自立支援協議会さんや民生委員・児童委員協議会で地道に制度説明をしていくうちに、訓練会の保護者の方や特別支援学校の先生からの問合せも増えてきている状況になっています。また、問合せのときに、区役所でパンフレットを見ましたとか、作業所で配布されていたので電話しましたというふうにご連絡を下さる方もいます。当支援室は開所して9年という年月もたちまして、年2回の広報誌発行を続けてきたこともあり、また、法人の機関誌にも特集として当支援室の記事を載せていただいたのですが、それを町内会で回覧してもらったということもあって、徐々に認知度が上がってきているのかなと感じております。B区もいろいろな地域がありますので、まだまだ伝わっていないところはあると感じていますので、今後も制度を知っていただくことに力を入れていきたいと思っております。それから、事業計画の制度周知のところでもご報告したのですが、地域ケアプラザさんの所長会や地域活動交流コーディネーターさんの連絡会があるのですが、そこで繰り返し制度説明を行わせていただきました。顔が分かるというか顔が見えるような関係になると、アポイントなしで来てくださるようになって、本当に突撃でこんにちはみたいな感じで来てくださって、そこですごく人脈が広がっているんだなと感じています。支援者同士もお互いを知ることで話しやすくなったり、地域のことを一緒に考えていけるようになったんだなと、本当に実感しています。 (佐伯委員)分かりました。4番目の、地域福祉保健計画の参画状況について教えてください。 (B区)参画には至っていないというのが正直なお話になっております。 (佐伯委員)今後どうするかというようなことはありますか。 (B区)補足でご説明させていただきます。B区の地域福祉保健計画では、区民の方たちの意見を募る集まりがあるのですが、正直言ってあまり障害のほうのこういった機関がお呼びいただけていないなというのは実感しております。では地域で全く障害に関心がないかというとそういうことでもなくて、地域ではそれぞれ防災関係で障害を知る機会をつくろうとか、障害のある方の暮らしを知ろうという講演会などをお願いされたりもするので、関心がないわけではないのですが、こういった地域福祉保健計画策定となってくると正直、なかなかそういったところに参加できていないなというのは実感しております。今後ですが、私たち支援室だけでは難しいなというのは実感しておりまして、自立支援協議会に積極的に参加させていただいていますので、自立支援協議会としてそういったところにきちんと組み込んでいただくようにしていくとか、あるいは区役所のお力もかりて、なかなか機関側からは難しいところを、地域との橋渡しといいますか、そういったところに巻き込んでいただくように、こちらも積極的に働きかけなければいけないなと思っています。その一方、今、地域ケアプラザとの関係づくりが進んでおりまして、その中で地域ケアプラザさんが地域福祉保健計画地区別の事務局をやっておりますので、そういったところから一緒にできたらなと考えております。 (佐伯委員)分かりました。ありがとうございます。次に、地域とのつながりづくりをどのように行っていますかというのは、先ほど地域ケアプラザでの制度説明とか町内会との顔合わせの場を設けているとありましたけれども、そういったことでよろしいのでしょうか。 (B区)はい。そのとおりでございます。地域に強いのは地域ケアプラザさんだと思っておりますので、そこに相談させていただいています。去年の7月で10か所になったのですが、当支援室と地域ケアプラザさんがつながっている半分以上のところでは直接話をお伝えしたり、まだつながっていないところと言っていいのか分かりませんが、制度説明から始めて顔の見える関係をつくってからご相談しようとしています。具体的には、サポーターさん向けに、地域の話をいろいろ面談で伺っているのですが、そういう地域の話が出たときはどうつながればいいか、その進め方というフローチャートをつくって視覚的に分かるようにしています。それから、ご本人が地域に入りやすいきっかけは、具体的なことになってしまいますが、やはり防災が分かりやすいかなと考えまして、防災の意識を高めるために、個別の避難所がどこにあるか記入できるシートをつくりました。個々に記入しながら、どこの小学校に行けばいいか、物資はどこかみたいな感じで一緒につくらせていただいて、ご本人の自宅に貼っておくものと当支援室が保管するものの2枚つくっています。それから、ご本人がどこの地域ケアプラザさんのエリアにお住まいで、どこの町内会に今属しているのか、入っていらっしゃらない方もいるのですが、そういうシートも作成しまして、いつでも職員が確認できるようにしています。シートを用いるとご本人も具体的にイメージしやすいみたいで、地域でつながっていきたいとか、あんしんキーパーさんという方がいてもいいかもと、そういうお答えも多くなってきましたので、積み重ねていくことが大事かなと思っています。  最近では、市民後見サポートネットさんに参加させていただいて制度説明をしたり、事例検討みたいなところに入れさせていただいたのですが、市民後見人さんがあんしんキーパーに登録してくださいました。それから、お一人暮らしのご本人が、あんしんキーパーさんが必要なんだけどどなたがいいですかとご希望を聞いたら民生委員さんがいいということで、地域ケアプラザさんを通して民生委員さんにご紹介しましたら、すごく快くあんしんキーパーさんに登録してくださいまして、その登録してくださった民生委員さんのお友達の民生委員さんもこの制度に賛同してくださいまして、コンビニエンスストアのオーナーさんなのですが、その方も登録してくださるという、つながりの輪ができる瞬間に立ち会っているような感じでした。それから、あんしんキーパーさんにはまだなっていらっしゃらないのですが、町内会長さんたちをおつなぎしたケースもあります。もうちょっと交流したところでキーパーさんはどうでしょうというふうにお願いしようかなとひそかに思っております。それから、地域ケアプラザさんに相談すると、地域で主催している勉強会などに制度説明はどうかとお声をかけていただいているので、次から次という感じで相談が増えているんだなと感じています。 (佐伯委員)ありがとうございます。次に、区社会福祉協議会との関係づくりはどのようにしたらもっとうまくいくと思いますかということなのですが。 (B区)B区の社会福祉協議会さんが力を入れているのはつながり事業というものになるのですが、そのつながり事業で防災訓練ということに力を入れられて、地域で行われる訓練に障害児・者とそのご家族が参加し、地域住民に知ってもらえるきっかけになればという内容のものです。そこで区社会福祉協議会さんから、障害児・者とそのご家族が防災訓練に参加するにはどうしたらいいか、どなたかいませんかというご相談が当支援室に来ましたので、そのご相談を受けておととしから、防災を通して地域とご本人の家族をつなげる活動をしています。こうした活動を通して区社会福祉協議会の方たちとも同じく顔の見える関係が築けているので、本当に様々な相談ができるようになっていると思っています。最近ではご本人から地域ケアプラザさんでボランティアをしたいというお声がけを頂いたので、区社会福祉協議会さんと地域ケアプラザの職員さんに私のほうからご相談して、ご本人を含め、当支援室と区社会福祉協議会、地域ケアプラザの職員さんでボランティア登録会を開きまして、そこで登録されたご本人ができそうな館内の消毒作業を考えてくださったので、それを行っているという連絡をくれたりなど、連絡のやり取りもできるようになってきましたので、一歩一歩ですが関係が深まってきているのかなと思っています。 (佐伯委員)ありがとうございます。防災訓練は障害者参加が一番大事だと思います。私は前、泉区にいたのですが、車椅子を持ってきて実際に避難訓練をしたりしている町内もありました。今は引っ越してそういうこともないのですが、車椅子で実際に動くとどう違うかというのが分かります。ちょっと話がずれました。では、スタッフ間の連携状況を教えてくださいということですが。 (B区)7番と8番は一緒な感じで。スタッフ間の連携状況と、体制づくりのために工夫していることですが、スタッフの体制はあんしんマネジャー担当職員で、あんしんサポーターが当支援室は4名になります。週5日の常勤サポーターが2名と、週3日の非常勤サポーターが2名になります。先ほどA区さんもおっしゃっていましたけれども、毎日勤務していない職員もいますので、情報共有には力を入れさせていただいています。毎朝のミーティングで情報の漏れがないように記録をしています。紙ベースではなく社内メールの掲示板を使っているのですが、各自必ずそこを開けるので、サポーターさんのペースで確認できるようにしたり、分からないことや困っていることが出てきたときは、目標に掲げました遠慮しないで声に出しましょうということで、各自が抱え込まないように積極的に声を上げるようにして共有できているかなと思います。でき始めたかなというのが正直なところかもしれません。また、もし困ったことがあったら全員でサポートしますということで、チーム支援をすることへの意識を高めています。  それから、冒頭にもお話ししましたけれども、職員の体制図は、ご本人・ご家族が分かりやすいようにイラストを使ったものを見てもらっています。また、担当ではない面談にそれぞれ参加することで、お話を伺い、全員で支えていますというふうにご本人・ご家族にも理解を求めています。やはり違う職員が入るとまた違う話が出てきたり、受け答えが違ったりと、いろいろな姿が見える利点もあるんだなと、職員も感じています。職員の勤務については、人事異動とか退職もほぼなく、定着率がよいというところも利点かなと思います。時間外勤務をなくす工夫もしていまして、記録の書き方なのですが、入力する項目をみんなで決めました。それでまとめやすくして、実務時間の短縮に努めています。以上でございます。 (佐伯委員)ありがとうございます。では、最後に、制度運営に当たり困っていることがあれば教えてください。 (B区)正直申し上げて登録者数が減ることはなくどんどん増えていくという中で、やはり限られた職員人数で対応していく必要がある。けれども、やはり予算的に職員はこれ以上確保できないということで、1人の職員の負担が増えていってしまうことにはすごく頭を悩ませているところです。どうしても人材確保、登録者との兼ね合い、どういった形で業務を進めていくか、今、工夫しながらそのあたりはどうにかやりくりさせていただいているのですが、やはりそこが一番大きな課題かなと感じております。 (佐伯委員)分かりました。どこの業界でも人手不足ということがありますので、それは分かります。その中で先ほどの、入力の項目の内容を決めて事務を簡素化するというのはすごくよいことだと思うので、どんどん進めて、人がやらなければいけないことは人がやって、パソコンでできることはパソコンに任せるとか、そういうことに気を遣って人をうまく活用してください。では、ほかの検証委員の方、ご質問ありますでしょうか。 (麦倉委員長)麦倉です。最後の、記録の項目を整理していただいたというのはすごく大事なポイントかなと思いました。これはほかの区とも、何が必要な項目でどれがそうではないのか、地域の特性もあるとは思いますが、できれば共有したほうがいいのかなと思いました。本来はこちらでやるべきことなのかもしれませんが、その辺の他区との情報交換等はしていらっしゃいますでしょうか。 (B区)ありがとうございます。記録についてみんなで考えたときに、ご登録者さんのことを書いてそのときの気持ちを記録に残すというのも制度の役割だと思うのですが、マネジャーさんは各区にいらっしゃるので、ほかのマネジャーさんとの情報共有で出していただいて他区の情報をもらったり、私たちも担当職員でこういうふうにしていますという感じで話をしています。そこで当支援室としてどうまとめようかということで話をしてつくったものになりますので、改めて共有ということはしていません。 (麦倉委員長)ありがとうございます。質の向上ということで言うと、他区の良い事例は共有したほうがいいと思いますし、そうした中で、必要な情報が項目を共有することで漏れがなく、また、限られた人材というか、必要な項目に労力を注入していくことができるのであれば、ぜひ整理したほうがいいとは思っています。  あともう一点、茶話会を何度か開催されているということですが、これはほかの区でやっていらっしゃる集う会に相当するようなものでしょうか。 (B区)そうですね。ネーミングがそれぞれ区によって交流会とか集う会とか茶話会というふうになっていますが、ざっくばらんに気兼ねなく参加できるような感じで、ちょっとお茶を飲みながらほっこりできる会ができたらいいなという思いで、茶話会としてB区は進めています。 (佐伯委員)ほかにどなたかご質問ありますでしょうか。 (坂田副委員長)今、茶話会とおっしゃっていましたが、それは登録者の交流会ですか。それとも、キーパーさんの交流会ですか。 (B区)あんしんキーパーさんのです。 (坂田副委員長)キーパーさんだけ。登録者さんのはない。 (B区)ないというか、今後はそういうふうにどんどん広げていけたらいいなと思っていますが、まずあんしんキーパーさんとのかかわりがちょっと薄かった時期がありまして、もうちょっと私たちと仲よくなって、私たちもキーパーさんとともに寄り添って地域に努めていこうという思いがありまして、まずあんしんキーパーさんと交流しています。 (坂田副委員長)今、登録者がどんどん増えていますよね。登録した本人ではなく家族は、日中活動に行っても保護者会もなく、みんなと情報交流するところも今、不足していますよね。だから、そういうのも考えていただけるといいなと思います。やっている区もあります。 (B区)そうですね。再来週、2月19日に茶話会が開催されます。昨年度は施設を皆さんで回って利用者さんと交流したのですが、今回は登録者さんのお母様のお話と、登録者さんがビデオレターでお話ししてくださっているという感じで、ちょっとずつ保護者の方にもできるような会にしていきたいと思っております。 (坂田副委員長)年に1回でもそういう機会があると、お母さんが集まっていろいろなストレス解消になるのではないかという気がします。それと、登録者がどんどん増えてサポーターさんも増えますよね。そうすると、予算的にはどうなのでしょうか。 (事務局)ただいまのご質問については事務局からお答えしたいと思います。サポーターさんの人件費につきましては、登録者数に応じて増えるような制度設計になっておりますので、そこの部分はご安心いただければと思います。 (佐伯委員)よろしいですか。ほかに質問ありますでしょうか。 (品川委員)品川です。質問ではないのですが、地域ケアプラザとすごくつながっていると。私も地域ケアプラザの人間なのであれですけれども、10か所の半分以上とつながっていると聞いてとてもうれしいのですが、ぜひ地域活動交流コーディネーターの定例会とか、区によって1か月おきとかあるかと思います。必ず区社会福祉協議会の人も参加していますし、異動もあるので、あそこは行ったからいいよねではなくて、定期的に年に1回とか2回とか、あと、所長会にも出たいと言えば絶対にセッティングしてくれるので、各区の所長会で所長たちにも言って、B区は10か所以上あるので、いつでも説明に行きますのでと継続的にアピールしないと、異動とかでここは初めてという人もいますし、職員も所長も法人によってはちょこちょこ異動するところもあるので、ぜひ続けていってほしいなと思います。ありがとうございました。 (佐伯委員)ほかに質問ありますでしょうか。ないようでしたら、委員長のほうに戻します。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、これでB区の後見的支援室のヒアリングを終了いたします。どうもありがとうございました。これから5分間の休憩に入ります。10時46〜47分になりましたら、お席にお戻りください。 (休 憩) (麦倉委員長)それでは再開いたします。最後はC区の後見的支援室から、資料2−2事業計画書兼自己点検シートの内容に基づき、運営状況の説明を3分程度でお願いいたします。 (C区)よろしくお願いいたします。まず1番の「身近な地域での、登録者の見守り体制の構築」というところから報告させていただきます。昨年度の地域ケアプラザの制度説明から、登録者さんが参加している活動に参加させていただきまして、地域ケアプラザの利用者さんも含めた見守り体制づくりを継続しているところです。また、親御さんとのお別れで施設入所される方も徐々に、支援室が始まって10年たつ中で出てきていますので、グループホームの支援者さんに支援者キーパーになっていただいたり、後見人さんを立てた見守り体制の重層化に努めているところです。  2番の「登録者の意思に基づく生活の実現に向けた支援」というところです。親御さん亡き後、きょうだい3人とも支援が必要な方が3人で暮らしていて、今の生活は変えたくないけどこれからのことが心配なので、どのようにこれからの生活を組み立てていけるか、基幹と区で連携して支援しているところです。また、意思決定支援に関しては、何かあったときに支援が入るのでは遅いので、ふだんの丁寧なアセスメントから何かあったときのシミュレーションをして関係機関との連携を図っています。昨年度は作品展を開催しまして、意外と皆さんご自分の作品を出される方がいらして、自己肯定感を高める場としてとてもよかったのかなと。作品展に出したことによって面談を再開できるようになった方もいらっしゃるので、そこは今年度も継続していきたいと考えております。また、これは3番、4番のところにも関係してきますが、成年後見制度や親族後見を希望する方が最近多く、後見人がついていないとグループホームにも入れないところが出てきていますので、登録者さん向けの制度説明や勉強会も今年度開催する予定になっています。  また、5番の制度周知に関しましては、今まで支援室のメンバーが定着してこなかったということもあって、地域活動ホームとあまり連携が取れていなかったのですが、この1〜2年でやっと定着してきたことによって、地域活動ホームとも連携が取れるようになってきたことから、おのおのの親御さん向けの制度説明を改めて実施する予定になっています。また、民生委員さんとのつながりも図っているところなのですが、なかなか民生委員さんもお忙しくて、活動にご理解いただける方もいらっしゃれば難しい方もいらっしゃるので、地域単位向けに制度説明を今後実施していきたいと思っております。地域ケアプラザ利用の地域訓練会向けに今年度、制度説明を何回かさせていただきました。改めて親御さん向けにこの制度を理解していただきたいということも含めて活動を行ったところ、学齢期のお子さんの親御さんたちから、自分の子供が18歳以上になってもつながれる場があるというのはとてもうれしいというお声を頂きました。18歳になるのはまだ先々のことだけれども、今からつながりを継続したいとおっしゃってくださったところもありますので、地域訓練会とのつながりは今後も継続していきたいと思っております。また、今年度からサポートネットやセーフティネットの会議にも定期的に参加させていただいているのですが、その中でもこの制度の理解が深まって、生活支援課からの依頼も今増えているところです。  6番の「あんしんキーパーの開拓及び活動定着」というところに関しましては、キーパーの集う会や交流会を昨年度開催しまして、キーパーさんからも、こういうことをやりたいとかああいうことをやりたいという声が上がりましたので、キーパーさんの声に合わせて登録者さんとの交流会を実施させていただきました。今年度もそういった形でキーパーさんと登録者さんとの交流会を開催したいと思っております。また、キーパーさん自身が活動している会があるのですが、キーパーさんが活動している会にも私たちが参加させていただくことで、よりつながりを深めていきたいと考えています。以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、これからヒアリングに入ります。C区のヒアリングは八木委員にお願いいたします。 します。 (八木委員)それではヒアリングをさせていただきます。説明ありがとうございました。取組事項に関することから順に伺っていければと思います。まず、(1)と(2)のあたりに該当する質問になります。ヒアリング内容としては、意思表出支援と意思決定支援をどのように進めていますかという質問になります。よろしくお願いします。 (C区)責任者でございます。よろしくお願いいたします。まず、意思表出支援については、やはりご本人に選んでいただく機会を多く持っています。それはエゴがあるとかないとか関係なく、ご本人が快・不快をどのように表現してくれるのか、2つのものを提示したときにどういう表情になるのかということも含めてご本人の意思を私たちがどのように酌み取るかということについては、日頃私たちも練習していて、ご本人にもそういう機会を同様に提供しているという形になります。意思決定支援につきましては、先ほど説明がありましたように、開設して10年になります。そうすると、親御さんが実際に亡くなるとか、施設に入所されてご本人が独りになってしまう、このような状況が多々見られるようになってきました。そのときに、親御さんとの別れやその後の生活ということに関して、基本的にはご本人に寄り添って、どういう生活をどこでしたいのかということを、焦らずご本人に寄り添う中で聞き取っていく。もしくは、そこでご本人の気持ちを酌み取るという部分になりますが、これは複数の職員が対応するという形で、こういう表現でご本人は表出されたと、それは意思決定につながるのではないかというような根拠に基づいて、支援室としてどういう部分を意思決定にするかということを会議の中で話し合って決めていく。方向性も含めてですが、そういうことになります。なかなかショックのあまり、すぐそれが表出できないという時期が皆さんあります。ですから、それは個人によってそれぞれ違いますので、どういうタイミングで私どもが行って意思決定に関われるかというのは、例えばグループホームだったらグループホーム長と連携して、ご本人に介入するタイミングについては、周りの関係機関と常に連携する中で決めているという形になります。以上です。 (八木委員)ありがとうございます。それでは次の質問に移ります。先ほどの意思決定支援などいろいろな場面があると思いますが、ご家族とご本人の意向が異なる場合が多々あるかと思います。そういった場面のときに、支援室としてはどのように対応されているのか、伺えればと思います。 (C区)これも本当に、本人はグループホームに入りたい、もしくは親御さんがグループホームに入れたいけれども、ご本人は嫌ということがやはり多々あります。私どもはまず親御さんの会というものを立ち上げまして、保護者の会、そこで徹底的に、ご本人たちは何を考えているんだろうとか、親離れ・子離れってどういうことなんだろうというようなことから話合いの場を持つようにしています。参加される方も結構多くなってきました。これは定期的に開いています。その中で、やはり自立という部分について、離れたくない親御さんがそこにはいて、息子さんを手元に置いておきたい、そのような気持ちをきちんと聞くこともできます。ただ、それをやっていると自立のタイミングを逃してしまうということについても、親御さんには同時に理解を求めています。やはりご本人が自分で自分の将来を決めていく、これが本当に大切なことなんだということを親御さんに対しては常々、また、親御さん同士のピアの部分も含めて、私の息子や娘はこんなタイミングでグループホームに紹介があって、このタイミングを逃すともうないんじゃないかと思って決めましたみたいな体験談を話してもらったりして、親御さん同士の共有を図っております。以上です。 (八木委員)ありがとうございます。続いての質問に移ります。点検シートの5番、6番あたりのところになりますが、3つ目の質問です。支援室は区内の関係者及び区民にどのぐらい認知されていると感じていますか。お願いいたします。 (C区)区内におきましては、地域ケアプラザを中心として制度の周知活動を行っております。当然、配布物を、例えば地域ケアプラザに置かせていただいたりということもやっておりますし、先ほども担当職員からありましたけれども、親御さんの訓練会系列の方にも行っております。それからあと、小学校とかそういうところにもパンフレットを置かせてもらったりして、それがゆくゆく親御さんに渡ることも含めて、こんな制度がC区内にはあるんだね、後見的支援室があるんだねというようなことをやるようにしております。今後必要なのは、やはりそれが届かない地域とか、それが届きにくい、社会的に孤立されている方々に対してどのようにこの制度を周知していくかということが今後の課題だと思っております。以上です。 (八木委員)ありがとうございます。実施されていることは分かったのですが、認知されていると感じているかどうかという質問のようですので、そのあたりの、主観の部分になってしまうかもしれませんが、お答えいただければと思います。 (C区)やはり電話とかそういうのがかなり増えてきています。この制度について教えてくださいという電話も含めて増えていることと、一般就労されている方からの登録がかなり増えてきています。そういうことからすると、今まで新規学卒だった人が学校から勧められて卒業前に登録するというパターンがだんだん崩れてきてランダムになってきている。例えば、就労に失敗して社会との接点がどこともなくなってしまったので当支援室に登録するという人もいれば、就労は成功したんだけれども会社のことについていろいろな心配事があるからそれを聞いてほしいという意味で登録される方もいらっしゃいます。また、引っ越してこられて、他区でこの制度を知っているので、C区でもこの制度を使って利用したいという方もいらっしゃいます。だから、登録される方の間口がかなり広くなってきたといいますか、そういう部分では、認知度は上がっているというふうに私は解釈しております。 (八木委員)ありがとうございました。次の質問に移ります。区の地域福祉保健計画の参画状況について教えてください。 (C区)私自身が地域福祉保健計画の委員でもありますので、そこでは当支援室についてきちんと地域福祉保健計画の中に取り込まれるように、各委員と話し合いながらやっております。ですから、地域福祉保健計画の委員は全員、当支援室があることを分かっていただいているということです。活動内容も分かっていただいているということです。 (八木委員)ありがとうございます。今のお話は、区計画の委員の皆さんが知っていて計画の中に反映されているということですかね。ほかのA区・B区の話では、例えばですが地区別の計画とかがあると思うのですが、そういったところとの関わりなんかもちょっとお話しされていたようなので、もし可能であればそのあたりについてもコメント頂ければと思います。 (C区)例えば地域のボランティア団体の代表者の方とか、いろいろな方が地域福祉保健計画の委員に携わっていただいています。子育て拠点の責任者の方とか、そういう方々にそれぞれお話しさせていただく機会を頂いております。ボランティア団体に対しても、皆さんには周知させていただいています。子育て拠点の責任者の方にもお願いして、個別にお母様方を対象に説明させていただいたりしております。委員の皆さんの所属団体、小中学校の校長先生とか、そういうところもございますので、時間が取れないところについてはパンフレットを置かせていただくというような形で周知活動しています。以上になります。 (八木委員)分かりました。ありがとうございます。次の質問に移ります。若干触れている部分もあるかもしれませんが、地域とのつながりづくりをどのように行っていますかということで、地域ケアプラザの話が先ほどありましたので、それも含めてでもいいですし、それ以外のことも併せてお答えいただければと思います。 (C区)地域ケアプラザはいろいろな事業、私どもの事業も含めてですが、福祉・医療・保健については本当に重要な拠点だと私どもは解釈しております。地域の事情を一番分かっているし、地域の特性も分かっているし、地域の課題も分かっているということに関して言えば、地域の特色をまず聞いて、どこから周知していけばいいのかとか、どんな方法だったら受け入れてもらえるのかといった、いろいろなアイデアを伺うすごくいいチャンスに恵まれているというふうに私は感じております。ですから、地域での行事やイベントをするときに、先ほどもありましたけれども、地域の施設を使うということをまず第一にしています。同時に、地域に団体登録する。地区センターとか地域ケアプラザに当支援室を団体登録して、そこで趣旨の説明をさせていただいて認知してもらう。このようなことを少しずつやりながら、あと、町内会単位で制度周知をやっている場合もあります。どうしても町内会は密接になりますので、例えば大きな法人があって、そこのグループホームがこの地区にすごくあるとなると、町内会単位で周知活動を行って、時には民生委員さんとか町内会長さんも含めて時間を頂いたり、場所を頂いたり、町内会館を貸していただく準備をしていただいたりという形で、地域とは連携させていただいております。あと、地域のお祭りや何かにも後見的支援室は出かけていきます。お祭りの実態だとか、そこで出会う皆さん、そこで活躍している当事者の方、そういう方々にお会いして、それぞれ交流を持って次の面談のときの話題にしたりということをしております。以上です。 (八木委員)ありがとうございます。次の質問をさせていただきます。区社会福祉協議会との関係づくりはどのようにしたらもっとうまくいくと思いますかという質問になります。課題がどのようなところにあるのかみたいなことだと思いますが、よろしくお願いいたします。 (C区)たまたま私が区の社会福祉協議会の理事をやっている関係もありまして、今、区社協さんとは非常に良い関係を保てています。例えばサポートネットへの参画についても区社協さんを通じて区にお願いして参画できるようになったという経緯がございましたり、私どもの事業についての周知活動や何かも、建物を優先的に貸していただくことができたり、あとは私どもの活動について、広報誌を区社会福祉協議会に届けて説明させていただく。届けるだけでなく、こんな活動をしましたとか、今後こういう活動を予定しますので、例えば地域交流の方にお手伝いしていただくことは可能ですかと、適宜声かけをしているという関係が区社会福祉協議会さんとは築けてきました。以上です。 (八木委員)うまく連携できているということでよろしいですか。 (C区)はい。 (八木委員)分かりました。ありがとうございます。その他、幾つかご質問させていただきます。スタッフ間の連携状況と、支援室の体制づくりのために工夫していることがあれば教えてください。 (C区)スタッフ間の連携状況については、先ほど担当職員からもご説明があったように、職員の定着率を見ると、昨年1月1日にマネジャーが9年ぶりに替わりました。それと同時に、職員の体制が本当に定着するようになりました。離職者ゼロという年で、初めて1年を乗り越えることができた。こんなような感じです。皆さん残った人たちは、それぞれがお互いをフォローし合うという立場をきちんと実践していただいています。当支援室のミーティングというのもそうですし、毎朝ミーティングの中で、昨日訪問した内容を全員で周知する、共有するという仕組みをつくっています。ですから、例えば週3回のサポーターの方は、おととい訪問して次の日休みだったとしても、直近で出勤したときには、ご自身が担当して訪問したケースについては、2日後には必ず報告ができるというような仕組みです。あと、困っている話題で、例えばこれは支援室として考えてほしいとか、支援室として対応が必要なのではないか、このような話題についても、ミーティングで全部課題に上がります。そうすると、マネジャーと例えば私が相談して私が対応する場合もあれば、マネジャーと私の両方で対応しようかということもありますし、担当を替えてほしいということも中にはありますので、そういう場合は利用者・登録者の方に会ってもう一回話をしてみようかということもやっております。  あと、支援室の体制づくりについてですが、これはやはり年を追うごとに皆さんサポーターの方が、利用者・登録者に対してどんどん身近な存在になっているということを実感しています。それは報告とか記録を見る中で、今まではある一定の距離の中でしか関われなかったサポーターと利用者さんの関係が、例えばグループホームの中まで行って一緒に何かをつくったとか、一緒にこれを見たとか、自分の部屋に案内してくれたとかいうふうに、どんどん距離が近づいている。そういう中で、同じ時間や場所を共有することができているということと、ご自身の例えば将来のことだとか、自分が好きなもの、大事にしているものを見せてくれたりということもございます。ですから、そのように少しずつご自身が心を広げて見せてくれているというのは、体制上も好ましいのではないかと。ただ、これにあぐらをかくつもりはございませんので、より一層、傾聴という原点にきちんと戻るということと、やはりご本人を尊重してお話を聞かせていただくということについては、当支援室として2つの重要事項があるということは毎回、支援計画などでも確認しておりますので、サポーターも研修や何かがあれば、そこには参加させていただきたいと思っております。以上です。 (八木委員)ありがとうございました。固定の質問は次で最後になります。制度運営に当たって困っていることはありますかということなのですが、お願いします。 (C区)当支援室の目標は、まず120人登録というのが前年度の目標でした。今年度120名を達成しました。まだまだ実は待機者の方というのですか、登録には至っていないけれども応募が続いているという状況がございます。他区の方もおっしゃったと思いますが、週5日のサポーターさんが35人とか36人担当されると、ほとんど訪問だけで終わってしまって記録の時間がなかなかないとか、研修に行く時間がないとか、そういうふうになってきてしまいます。この制度を充実させていくためには、やはり対人援助技術だとか、意思決定支援のプロセスだとか、意思表出支援についてどのように酌み取っていくのかというソフトの部分については、引き続き勉強とか知識として学ぶことも当然必要だと思います。ですから、そういうことも含めて、できればサポーターを1名増員したいと思っております。経済的なところがちょっと心配かなというところはございます。以上です。 (八木委員)ありがとうございました。共通の質問は以上となります。今のご回答やご説明を受けた中で委員の皆様方から追加のご質問があればよろしくお願いいたします。麦倉委員、お願いします。 (麦倉委員長)最後に、応募者の方が多くて待機者になってしまっているというようなお話がありました。その前の市からの説明では、サポーター1人当たり登録者が何人とまとめていて、その分の予算は出しているということではありましたが、その境目にいるというか、そういうことなのでしょうか。あと何人ぐらい増えたら、市が決めている予算に増員ということになるのでしょうか。 (C区)あと10人増えたら多分、今もう抱え切れないと思っています。 (麦倉委員長)予算的には10名増えたらその分、もう一人雇用できる予算は下りるということですか。 (C区)まだ今年度の予算額を伺っていないので、人材に関する事業計画がまだちょっと立てられないというのが今、現実としてあります。 (麦倉委員長)分かりました。 (八木委員)よろしいでしょうか。それでは、ほかの委員の皆様方いかがでございましょうか。村山委員、お願いします。 (村山委員)もしかしたらおっしゃったかもしれないのですが、広報誌というのは毎月つくっていらっしゃるのですか。 (C区)年に2回です。 (村山委員)では、半年に1回ということなので大々的というか。 (C区)そうですね。大体、新年の挨拶と、去年こんなことをやりましたというトピックを挙げて、9月ぐらいに年度途中でここまでやりました、例えば親御さんの集いの写真を載せて、こんなことをざっくばらんに話すことができましたという活動の経過とか、幸い私どもは昨年、スタッフの入替えがなかったので、入替えがあるとスタッフの紹介とか入るのですが、そういうのがないと活動の内容を皆さんにお伝えすることができるので、当支援室を知っていただくための広報誌として活用できるなと改めて実感しているところです。スタッフの紹介をするにはちょっともったいないなと思っているので。 (村山委員)なるほど。では、貴重な広報誌ですね。 (C区)はい。 (村山委員)ありがとうございました。 (八木委員)ほかの委員の皆様いかがでしょうか。よろしいですか。では、お願いします。 (麦倉委員長)@、Aの部分で、ご本人とご家族の意思の違いというところをご説明いただいたのですが、ご本人がグループホームに入りたい、あるいはご家族がどう思っているかというところのご説明はかなり丁寧にしていただいたし、実際にご説明もいろいろされていると思うのですが、保護者の会等を運営されていらっしゃるのですか。 (C区)運営までいかないと思うのですが、定期的にそれを定着させるために、きちんと定期的に行うということで、まず親御さんにはその情報を伝えます。親御さんが今度は孤立しない視点というのがやはり必要だと思います。ご本人が孤立しない視点も必要なのですが、親御さんが孤立しない視点も両方必要だと思いますので、当支援室を中心に親御さんにも仲間づくりをしていただきたいなというのが1点。それと、場合によっては親子面談というのもやっています。登録者の方と面談するのは当たり前なのですが、並行して親御さんと面談するということも、ケース・バイ・ケースではやっております。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ということで、保護者の方、親の方との面談は非常に手厚くやっていらっしゃると思うのですが、例えばご本人に情報提供するときに、今、グループホームしか選択肢に出てこないという印象がお話を伺っているとあって、それに代わる、暮らすところの選択というのも当然あるのだろうと思います。そこがグループホームか、そのまま家にいるかという二者択一の状態だと、意思表出支援としてどうなのだろうかという感覚があります。それからあと、保護者のそうした集まりというのはやっていらっしゃる一方で、例えば当事者の方が集まって、登録者の集いみたいな形になるんですかね、こうした場というのはどのくらい設定されているのでしょうか。 (C区)おっしゃるように2択、自宅かグループホームかというのではなく、当然、単身生活というのも視野に入れてお話はさせていただいていますし、中にはシェアハウスに入っていらっしゃる方も実はいらっしゃいます。ですから、そこのご本人にとってのデメリットとメリット、あと、そういうのは視覚で分かるように、私どもはグループホームを4つ運営しているのですが、全部の写真を、いろいろな部屋やトイレ、お風呂、みんなが集まっている様子、みんなが食べている様子などを視覚的に提供します。それで実際、どういう感じの夕飯の姿になるんだろうかとか、どんな行事がグループホームにあるんだろうかとか、そういうことも含めて情報提供させていただいております。あと、親御さんの集いはやっていますが、登録者の集いは次年度、来年度に初めてスタートする予定でおります。何で迷っていたかというと、精神の方の参加が、やはりすごく難しいと常々思っています。精神の方はキーパーを望まない方も多くいらっしゃいる一方、サポーターと一対一の関係で、それが安心につながるとおっしゃる方もいらっしゃいます。ですから、大勢の中に行くのが苦手だとか、そういうことも面談の中で伺っているので、当事者の集いをやったとしても、精神の方がどこまで参加できるのか、ちょっと迷いがあって今までできていませんでしたが、おっしゃるとおり、親御さんの集いがあるのだったら登録者の集いがあってもしかるべきだと思いますので、ぜひ来年度の課題にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。 (八木委員)よろしいでしょうか。ほかの皆さんもよろしいでしょうか。では、ヒアリングは終了とさせていただきます。 (麦倉委員長)ありがとうございました。C区のヒアリングを終了いたします。 (C区)ありがとうございました。 (3)各区障害者後見的支援室の取組状況、全市的な課題について (麦倉委員長)それでは、続いて議題3に移ります。各区障害者後見的支援室の取組状況を踏まえて全市的な課題についてということで、議題1・議題2から見えてきた各区後見的支援室の取組状況や全市的な課題について意見交換を持ちたいと思います。少し時間に余裕があるようですので、ぜひ積極的なご意見を承れればと思います。いかがでしょうか。  振り返りをしますと、それぞれ今日の3区、A区、B区、C区というのは特徴があって、A区は、集う会とか、多世代交流であるとか、そうした地域への展開を積極的にしている後見的支援室という特徴があったかなと思います。B区については、ご本人に合わせた丁寧な支援というところをやっていらっしゃるところかと思います。ケースワーク的な取組というか、そうした特徴があるのかなと思います。また、人員が限られている中で、記録等の整理を通していかに効率よく、また、必要な情報が漏れることなく記録していくかというところで工夫が見られたところかなと思います。一方、C区に関しては、地域福祉保健計画とのつながりや区社会福祉協議会との連携も比較的うまくいっている、そうした特徴があったかなと思います。以上の点も含めて何か各区に、こうした取組をもう少し進めたほうがいいのではないかとか、全市的な状況とかご意見等ありましたらお願いいたします。 (佐伯委員)さっきのB区のときでもちょっと話したのですが、昨今、人手不足ということがすごくあって、C区でもそういう話が出ていました。その中で、なるべくデジタル化というか合理化をして、事務処理を減らしてという話がありましたので、実際、B区でどんな項目で入力しているのかは分かりませんし、それが他の区で同じかどうかもまた分からないのですが、ぜひ他の区も同じように水平展開して、なるべく事務処理を減らして空いた力を人に合わせて対応していただくとか、そういうふうにしていただきたいと思います。 (事務局)ご意見ありがとうございます。B区に関しましては、増加が急激に起きたという事情もございまして、業務をどのように整理していったらいいのかという戸惑いがあり、本当にこの数か月ぐらい前に相談がございました。そのため、この制度の良いところは、推進法人がございますよね。市にあんしんマネジャーがおりまして、各運営法人に対して仕事の状況等の確認も行っております。ほかの区のやり方を推進法人が把握しておりますから、市のマネジャーからB区に対してやり方の整理を一緒に行っていただけるように、今お話をしている最中でございます。あと、担当職員さんの連絡会が、マネジャーと同じように毎月ございますので、そういった中でも情報共有を行ってまいりたいと思います。 (佐伯委員)ありがとうございました。 (麦倉委員長)ほかにございますでしょうか。坂田副委員長、お願いいたします。 (坂田副委員長)先ほどのヒアリングだけではないのですが、これから必要な成年後見制度の利用計画とか、そういうのがあまり出てこなかったのですが、どんどん必要な人が増えているような気がします。私の所属している団体では年3回、研修会をやっていますけれども、なかなか進まないんですね。法人後見を望んでいる人が非常に多くて。でも、法人後見は人がいないから、結局、後見人になってもらう人がいないのです。そうすると、勉強会に参加して、まずは親が親族後見をやるのが一番身近なやり方なのですが、それもなかなか進まないというのがあって、サポートネット会員に私も出ていますけれども、法人後見の事務所を立ち上げるのに、何も援助がないとこの前聞いてちょっとショックでした。その辺のところで、支援室で後見人の勉強会をやるのは非常に厳しいと私はこの前聞いたのですが、推進法人はどうなのでしょうか。いきなりごめんなさい。 (推進法人)勉強会を推進法人でやるというのは…。 (坂田副委員長)私も団体でやっていますが、弁護士さんが5人来ますので、いろいろ予算の面からも大変なのです。 (推進法人)いつもやっていらっしゃる研修会のことでしたら、やってくださっているところにご協力させていただいているという形にはなっています。坂田委員から頂いた課題意識で言うと、利用されるご家族の方向けの意識の醸成はもちろん必要だと思って、各支援室でも取り組んでいます。今回は多分、聞かれていないということではないかと思っています。後見的支援制度のPRをする場面に合わせて成年後見制度のお話をするということも通常やっています。やっていないということではないのですが、課題認識としてはもう一つ、担い手の成年後見人さんをどうしているかというところについては、支援室としてどう対応できるかというのは難しいところがあります。ご家族向けや登録していない方も含めての説明やPRというのは、この制度の説明と併せて今までどおりという感じにはなりますが、改めて意識してやっていくということはできるかと思います。担い手のほうは我々推進法人という立場でもどうにも難しいところがあります。法人内には、今日いらしている八木委員が属するあんしんセンターもありますので、連携できる範囲で何ができるのかというところは検討していきたいと思います。 (坂田副委員長)よろしくお願いいたします。 (麦倉委員長)ありがとうございます。今、成年後見の話も出ましたけれども、野村委員、もしこの件で何かご助言いただけたらありがたいです。 (野村委員)成年後見人の担い手ということでお話を頂きましたけれども、弁護士会としても一定の研修を積んだ者を名簿に登録して、その中から、裁判所から必要な案件について人を出すというような形で行っているところです。ただ、やはり案件が増えているという中では、弁護士会としても、そういった登録者がなかなか増えていないというような状況はございます。ご高齢の方であっても期間がなかなか分からないところではありますが、特にお若い方の場合には非常に長期間にわたってご支援を続けるということになっていきますので、それぞれ弁護士の担い手の人数が変わらない、増えないということになっていくと、一人一人が抱える人数が増えていく傾向があるのではないかと思いますので、そういう意味では、市民後見人を広げていくとか、そういった部分で担い手を増やすということが、今後より求められていくのではないかと感じております。 (麦倉委員長)ありがとうございます。確かに今回の検証のヒアリング項目の中に特に入っていなかったので、各区の報告の中でも上がってきてはいませんが、恐らくしっかりやってくれていると思います。ほかに気になった点などございますでしょうか。八木委員、お願いいたします。 (八木委員)評価の話とずれてしまいますが、ご承知のように成年後見制度自体の見直しが今かかっているところもありますので、本当に後見制度を利用しないといけない人がどれぐらいいるのかということも加味しながらこれから進めていかなくてはいけないということもあるかと思いますし、その制度改正の部分も含めて支援室としてどういった方に後見のご利用を勧めていくべきなのかとか、課題が終了したときに地域の中でどうやって見守っていくのか、考えていかなくてはいけない部分もこれから出てくるかと思いますので、そのあたりはまた一緒に連携しながら進めていければと思っています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。村山委員、お願いいたします。 (村山委員)あんしんキーパーさんがここに何人と書いてありますけれども、この方たちは報酬とかあるのですか。 (事務局)報酬はないです。あんしんキーパーさんは地域で暮らしていらっしゃる方で、基本的にはボランティア的に行っていただくという形です。 (村山委員)そうなんですね。ありがとうございました。 (麦倉委員長)麦倉です。活動にかかる実費みたいなところも発生するかと思うのです。交通費とかバス代とか。そういうものを精算する仕組みというのはあるのでしょうか。 (事務局)特にないです。団体活動をされているわけではないですので、特にキーパーさんにお金を出すという仕組みとしてはないです。 (麦倉委員長)ちょっとそこは気になるところで、必ずしも家が近い方ばかりではないと思いますし、バスでちょっと離れたぐらいの方がマッチングされるケースもあるのではないかと思いますので、できるだけ持ち出しがないような形がいいのかなと思います。何かこのあたりの状況をご存じの方はいらっしゃいますか。推進法人さんのほうでは把握されていらっしゃいますか。 (推進法人)質問に直接関係するかは分かりませんが、支援室からは、お近くの方にボランティアとして関わっていただく中で、謝金を払う払わないということよりも、キーパーとしてご本人に関わっているときに事故に遭った場合の対応をどう考えたらいいのかというお話を伺ったりしたことはあります。ただ、この制度ではもともと、キーパーの役割は、ふだんの日常生活の中での緩やかな見守りであり、具体的にこれをやってくださいという制度のつくりにはなっていません。今、何か保険に入っているかというと何も入ってはいないのですが、今後、キーパーさんが増え、ご本人との関係も育まれ、例えば、ご本人から災害が起きたときは一緒に避難所に避難してほしいというような具体的な要望が出てきてそれに応えてもらうことも想定されるので、謝金というよりはキーパーとしてご本人と関わるときに、何かあった場合の対策をどう考えていくのか。キーパーと登録者の関わりがふだんの生活の中でのお付き合いなので難しさはあると思いますが、キーパーの活動を支援室もどこまで把握できるのかということは、これから先、そこは考えていかなければいけないところなのではないかと感じています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ボランティア保険みたいなものもあったと思うのですが、あれは幾らかお支払いするような形になっているのですか。 (推進法人)今は特にないですね。 (麦倉委員長)無料ですか。できたらそういうものを使いながら何かあったときの対策をしておくのもいいかなと思います。 (推進法人)キーパーさんからそういう話を直接聞くということは、これまであったかもしれませんが、今のところ聞いていません。キーパーさんが広がっていけばまたそういったことも出てくるのかなというふうには、ちょっと心にとめながら活動していきたいと思います。 (麦倉委員長)ありがとうございます。ほかにご意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ちょっと1点だけ、最後のC区の人員体制で、やはり待機者と応募者が多くなってしまっているというところで、人材に関する事業計画が立てられないというお話がありました。それは前年度実績に対して次の年の予算を示すという、1年に1回なんですかね。その都度増えていくので、1年に1回予算ということだと、柔軟な対応ができないのではないかと。年度途中でそのあたりは対応できないのだろうかというところが少し気になりましたが、いかがでしょうか。 (事務局)こちらは行政の予算の仕組みの関係で年度初めに確定で契約を交わすということになってしまいますので、実績が前年度というか前々年度ぐらいのベースで積算した金額ということになります。あまりフレキシブルにお支払いできるような形は、やはりちょっと難しいかなと思います。 (麦倉委員長)ちょっと何ともし難いということではありますけれども、どんどん増やしていこうという目標がある中で、一方でその年に増えた方の分は全て運営法人が担わなければいけないということだと、かなり苦しいのかなという感じはしております。 (事務局)制度設計で、登録者に応じてサポーターの人件費を換算してということになっているので、今日は増加傾向にある法人さんがヒアリングで集まりましたけれども、一方で少し減少している運営法人もあったりします。それは支援室の職員体制だったり、登録者さん、当事者さんのニーズに応じてとか、いろいろな事情があるのかもしれません。そういった減少したところも、減少したから比例してすぐに予算が減っているかというと、そうではない、同じようにそうできないので、減少しても実は多く予算契約がされているという実情も一方ではあります。フレキシブルに対応していくとなると、減ったらすぐにお金が減りますというふうに、同じようにデメリットもありますから、慎重にその辺は考えていかないといけないかなと、横浜市としては思っています。ただ、減少したところが減少したままでずっと何年も運営費をもらっていくというのも違うかなと思っているので、そういった支援室に対しては事前にお話をして、大体何人ぐらいの登録者さんがいないとこの契約額の維持は難しいですよという話もしたりしています。 (麦倉委員長)野村委員、お願いいたします。 (野村委員)今のところで少し気になったのが、予算を減少する話と増加する話を同じには考えられないのではないか。というのは、予算に応じて雇用するということなので、人数が減ったから予算を削りますとなると、予算に応じて雇用がすぐ切れるかといったら、当然、雇用契約でそんな簡単に切れる話ではないと思います。減らす方向については人が減るタイミングというのを慎重に見ていかなければいけない部分はあるかと思いますが、増やすタイミングについては人を追加で入れるという話になってきますので、随時フレキシブルにという発想はなじみやすいと思います。予算全体の金額の関係はあるとは思いますが、減らす話と増やす話を全く同じ尺度で考えるというところには若干違和感があるなと感じましたので、そこはお伝えいたします。 (麦倉委員長)貴重な意見ありがとうございました。それでは、そろそろ時間も近づいてまいりましたので、今回の検証委員会はこれで終了とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、事務局にお戻しいたします。 その他 (事務局)皆様、ありがとうございます。また、長時間にわたり活発なご議論いただきました。今年度はこれで終了になりまして、次回は7年度、次年度の検証委員会になります。委嘱自体は2年でお願いしておりますので、皆様には次年度もこのまま引き続き委員になっていただければと思っております。よろしくお願いいたします。開催につきましては今年度と同様、1回目が8月から9月にかけて、2回目が年明けの2月ぐらいに開催したいと思っております。改めて日程調整を行いまして、また皆様にお知らせしていきますので、よろしくお願いします。ヒアリングシートは回収しますので、机の上にそのまま置いてお帰りください。では、これで本日の会議を終了したいと思います。誠にありがとうございました。 資  料 ・ 特記事項 1 資料 ・資料1:横浜市障害者後見的支援制度の現況(令和6年12月末時点) ・資料2:運営法人事業計画書兼自己点検シート 2 特記事項 1