第１回　横浜市障害者施策推進協議会会議録

日時
平成30年６月25日（月曜日）10時00分から11時30分

開催場所
関内中央ビル10階大会議室

出席者（五十音順）
大友勝委員
大橋由昌委員
渋谷治巳委員
清水龍男委員
須山優江委員
多田葉子委員
田中梨奈委員
永田孝委員
中根幹夫委員
奈良﨑真弓委員
西川麻衣子委員
平井晃委員
森和雄委員
山田武志委員
和田千珠子委員
渡部匡隆会長
渡邊雅子委員

欠席者
酒井夏之委員
北川はるみ委員
武安宣明委員
片岡充彦委員
清原忠夫委員
山口哲顕委員
山田初男委員

開催形態
公開（傍聴者なし）

議題
第３期横浜市障害者プラン改訂版について
平成29年度専門委員会の活動報告について

１議題１
第３期横浜市障害者プラン改訂版について
事務局より資料1 について説明した。

和田委員
先ほどの説明では、話が速かったので追い切れなかった。住み慣れた社会でみんな生きようと、と話したようだ。その中で４～５年前に私は引っ越しをした。理由は家の構造が良くなく、ボロボロになったので出て行ってくれと言われた。次の家を大屋さんが不動産屋で探してくれた。でも、精神障害で生活保護と言おうものなら、返事の電話すらももらえない。いろいろと調べて、ようやく９件目でヒットしてそこに住んでいる。精神障害者が家を探すのは困難だ。その辺りをどう思われているかを伺いたい。

事務局
和田委員からの意見について、まさに議論を始めている新たな住宅セーフティネット制度が、解決の一つを担っていくのでないかと思っている。プラン68ページにこれから関係団体と連携し検討をすすめると、大枠ではあるが、住宅を確保するのに困難を抱える方と、空き家や空き室が多いのでご苦労されている大屋さんとをつなぐ仕組みを建築局が中心となって検討をしている。その準備の会合を何度かやっている。その中で和田委員の意見のような事案がメンバーと共有されている。すぐに解決には至らないが、もう少しお待ちいただきたい。少しでもよくしていきたいと取り組んでいる。

奈良崎委員
あのＤＶＤは何に使うのか？ＣＭとかで流すのか？事前説明がないので分からない。ナレーションが必要だ。よく分からない。

事務局
最初に流したのは15秒のコマーシャルのような短さだった。９つの自治体の知事や市長と一緒に作った。これは県がYouTubeで流している。今、1000回くらい再生されている。横浜市には370万人いるが、まだ1000回しか再生されていない。何を目指しているのかが、短いので分かりにくいのかも知れない。今はまだYouTubeだけだが、横浜市でもリンクをはって、色々なイベントなどで流して「ともに目指そう」とメッセージとして出していこうと作られてものだ。2つ目のＤＶＤは、ご協力いただいた、市内の活動ホームやいろいろなところと、どう使っていこうかと議論していただいている。就労の合同面接会で流す、YouTubeで流す、YouTubeにアップすることも考えている。いろいろなところで、若い方の目に触れるように、大学などにもアプローチできるといいと思っている。

大橋委員
ＤＶＤは最初の説明がなく、いきなりだと何が何だかわからない。画像の見えない者には分かりにくい。作るときに当事者の意見を聞いて欲しかったが、これからでも検討はしてほしい。報告書も出来上がっているのでいまさら言っても仕方がない。和田委員からも出たが住宅に関しては視覚障害者も同じ状況だ。大家さんはほとんど貸してくれない。空き家対策のひとつに厚生労働省の管轄ではない、国土交通省のサービス付高齢者住宅などの助成金もあるが、幅広く制度の活用と連携を考えているのかどうか。精神障害の当事者ではないが、市長が立派な宣言をしており、精神病床の早期退院率の計画地の設定など、いろいろ精神障害者のことも出ている。病棟転換型居住系施設を作ろうとしているのではなく、地域に開放するような方向で行っているのかお聞きしたい。浜視協としても、視覚障害者の地域支援の拠点作りの必要性は、以前から言っている。障害企画課長をはじめ、具体化できるようお願いしたい。第3期障害者プランは実施されているので間に合わないが、４次に向けて、今後障害福祉計画に視覚障害者支援施策を盛り込むよう協議をしていきたい。また、視覚障害者には、学校教育法で教科書と言えば紙媒体のものだった。今度の改正でタブレットなど使えるサブ教材も認められる。しかし、視覚障害者も使いこなせるソフトの開発に時間がかかるため、教育現場でタイムラグがないようお願いしたい。

渋谷委員
津久井やまゆりだが、根源的な問題だと思っている。それを乗り越えるには、普及・啓発が必要だと思う。これは繰り返し行ってきた。もう30年になると思う。普通の学校の生徒になれたか、普通の職場の同僚になれたか、普通の地域住民になれたか、というとなれてはいない。我々が普通の学校の生徒、普通の職場の同僚、普通の地域の住民になれないと駄目だと思う。そのためには、教育を根源的に変えるべきだと思う。すごく難しく時間がかかる。普及・啓発だけを繰り返していくという認識を変えなければいけない。

須山委員
49ページの情報の保障の件について聴覚障害者への情報保障の取組でタブレット端末を活用した手話通訳サービスの提供で、区役所での手話通訳の充実を図ったことについて、とてもありがたいと思っている。この７月から同じ手話を使わない聴覚障害者への筆談サポートを各区役所の窓口に置いてくださると聞いた。その文章も入っているといいと思った。今はスマートホンなどの情報機器を使っている現代なので、横浜市の各施設にある、おもてなしガイドを使用してみてはどうか。ヤマハなどでは火災などの緊急の時の文面もスマートホンでみられる取り組みを始めている。横浜市でも取り入れてもらえると聴覚障害者にとっては貴重な情報になるので、取り組んでいただけると良いと思う。

事務局
住宅確保要配慮者について。平成19年に議員立法で住宅セーフティネット法というものが制定されている。それは理念法みたいなものだったので、昨年の秋に法改正があった。そこでは障害者の方をはじめとした住宅確保要援護者に対して入居を拒まないような住宅を広げていこうという方向での改正があった。その中の３本柱があり、ひとつめが入居を拒まない住宅の登録を国土交通省のホームページを通じて行っていく。二つめは低額所得者に対しての家賃債務保障であるとか家賃補填ということの保障制度、三つめがそういった配慮者の方々をきちんと住宅につなげていく、住んだ後もどういった支援が必要かということも含めて、居住支援協議会を設置して取り組みを進めていく。現状の本市の進捗状況としては、協力住宅はなかなか進んでいないという状況もあるが、居住支援協議会の立ち上げは予定している。その協議会の準備会の議論の中で、障害者が入居を希望されたときに不動産関連の方々としては支援の情報がないために受け入れがたいという話もあった。そのあたりを居住支援協議会の中で障害者を支援される方、家を貸すオーナーを含めてどういったことをすれば住むことができるのかという議論を始めたところだ。支援制度については関係部局と協議を進め制度設計をしているところだ。

事務局
ICTの活用、タブレット教材の教育の場においての課題について。視覚障害のある児童生徒への教材にタイムラグがあるということの質問をいただいた。新学習指導要領の考え方に基づいて小学校中学校での教育課程を確立していく事になる。現在本市でも横浜市立カリキュラムマネージメント要領特別支援教育編ということで今後10年、この要領に従って教育課程を編成していく。タイムラグについては今日、この場では申し上げられないが、いただいた意見を持ち帰り教育課程を編成する部署ともよく話し合い、しっかりと対応していく。渋谷委員の質問に対して、文部科学省が考え方を出しているインクルーシブ教育を構築していくという事に該当するかと思う。平成24年に文部科学省が共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進という考え方を出している。障害者等が障害のあるなしに関わらず積極的に参加、貢献していくことが出来る共生社会を実現していくという事がおおもとになっている。その中の教育のことについては、障害のある方とない方がともに学べる仕組み作り、教育制度から障害のある方が排除されないこと、自己生活をする地域において教育の機会が与えられていること、合理的配慮が提供されることを基本に教育の場においても、特別支援教育を着実に進めていく必要があるという考え方だ。横浜市もこの考え方に基づいて同じ場でともに学ぶという事を追及するそのために多様な学びの場を用意するようになっている。小中学校における通常の学級、個別支援学級、特別支援学校といった連続性で多様な学びの場を用意している。それぞれの方がどのような場で教育を受けられるかという事については大変大きな課題となっているのでいただいたご意見を踏まえて多様な学びの場ということを進めていきたい。

事務局
DVDの説明が足りておらず、大変に申し訳なく思っている。特に最初の15秒の音楽が流れている部分に関しては神奈川県内で催されたイベントで障害のある人、ない人が一緒に踊っているシーン、スポーツをやっているシーン、楽しくレクリエーションをやっているシーン、放課後等デイサービスで子どもたちがボールプールで遊んでいる場面、これらが流れた後に九都県市のメッセージが流れるDVDになっていた。もう出来上がっている物ではあるが、ナレーションを入れるということについては神奈川県などにアプローチをしてみようと思う。須山委員の質問について。７月に各区役所の全ての窓口に筆談ボードの配布に向けた準備をしているところだ。おもてなしガイドというソフトについては調べた後に活用できるようであれば活用を検討したい。

事務局
精神のことで病棟転換型の話があった。病棟転換型については基本的にしないという方向だったと思うので、改めて状況については確認させていただきたい。いただいたご意見を参考にしながら課題を一つ一つ整理しながら進めていきたい。

中根委員
改訂項目について。法人地活の相談に関することが多い。質問というより意見のようなものだが、地域移行支援や地域定着支援、計画相談、さらにこれから地域生活支援拠点とか自立生活援助とか、後見的支援も入ってきて、相談のすそ野が広がってくるのであれば、それを一つにまとめた部署の方がやりやすいと思う。市民に対しても分かりやすい示し方が出来るのでは。

西川委員
早期退院率というのが非常に高いのは見上げたものだと思うが、早期に退院される方も後押しし、サポートも手厚くするべきだと思う。一橋大学では就学支援が充実している。横浜市も就労支援だけでなく、就学支援も進めてもらいたい。

事務局
お二人のご意見を踏まえて、さらに施策をどう充実させていくのか考えていきたい。

渡邊委員
生活支援センターについて。標準型の部分を取り上げているが、A型とB型ではどうしてもB型の人員が増えていかない。福祉人材のビデオ作成では人が集まらないという状況だ。標準型となるために、来年度完璧にやろうとすると17名を採用しなければならない。それだけの人材を増やすことは可能ではない。もし、可能になったときに、予算が付くかどうかも不安だ。そのあたりの見通しもお聞きしたい。

和田委員
先ほどのDVDで福祉となっていたが、精神障害は蚊帳の外という感じだ。日本福祉大学のスクーリングでゲスト講師をした。精神障害者が来るということで、生徒が15人きた。その生徒からの感想文を後で読んだ。皆さん、大声を出すのではないかとか、訳の分からないことを言うのではないかとびくびくしていた。ステレオタイプの感想が多かった。それが果たして精神障害者なのか。具合が悪い時を指しているのかどうか、普通にいる間は、ごく普通というのが私たちの共通認識を健常者が知らないのは納得できない。このDVD作成時に、精神障害者とはどういうことかの話がでなかったか？

事務局
生活支援センターのボトムアップについて、本日障害支援課が別の会議とかぶりきちんと説明ができない。申し訳ないが、運営日や時間などサービスを底上げするためには、人の質と量が必要と認識している。これについては改めてきちんと答えたいと思っている。今日は持ち帰り、改めてご連絡をする。DVDについては、市内の福祉施設に声をかけて作った。中の例示は知的、身体障害の活動ホームが中心で、精神の活動にスポットが当たっていなかった。それも含め、このDVDをどう使っていくか、新たな宣伝も今後考えていきたい。

渡部会長
多くの意見などがあると思うが、メール等で連絡をお願いしたい。

議題２
平成29年度専門委員会の活動報告について
事務局より資料２ について説明した。

須山委員
自分とは関係ないが、発達障害者検討委員会のなかで。発達障害児の親は出ていないようだ。横浜市自閉症児はある。この中に発達障害児の親も出す必要があるのでは、と思う。議題だが、幼・保・小の発達障害の話がされている。人間の成長で一番重要な時期は、中・高、仕事につながるまでも重要だ。そういう話し合いができる委員会も必要と思う。

渡部会長
私から少し捕捉する。自閉症児・者の親の会の方とLDの会のお二人に参加してもらっている。それを保護者と位置付けている。発達障害者支援法が施行されてから、順次ライフステージで検討している。先般が学齢後期の充実策を検討してきた。幼児期から小学校の間までの接続期のしっかりとした取り組みとしてきた。議論を行い、そこに焦点を当てた。議論をまとめ、提言とした。それはホームページでアップされると思う。

西川委員
発達障害者がいまひとつ分からない。調べてみれば分かるかも知れないが、一般の人にも分かるように、広く改めて分かるようにしていくといいと思う。下風さんの所属しているシティコミュニケーションとはどういうものなのか？

奈良崎委員）お願い事がある。今日の説明は早口で分からないことが多かった。もう少しゆっくり説明してほしい。

事務局
発達障害は広いと思う。学習障害を含めるときちんとした定義が学術的にはあると思うが、発達に凹凸がある人たちにどのような支援をしていけるか議論をしている。発達障害という言葉や概念をさらに広げていったり、浸透させる取り組みを一層進めなければならないと思っている。

事務局
下風委員についはアミューズメント事業を経営していて、店員に障害のある人を雇用している。それで参加指定いただいている。アミューズメント系で障害のある方を雇用しているところが少ない。その職種の観点で意見をいただいている。

渡部会長
奈良崎委員の発言については、私をはじめ、伝わりやすいように努力してまいりたいと思う。事務局も含めてお願いしたい。２の報告事項については以上で閉じたいと思う。最後に奈良崎委員よりご案内があるのでお願いしたい。

奈良崎委員
津久井やまゆり事件から２年が経った。私が当事者でいろいろな活動をしている。今年も大きなシンポジウムをする。７月26日に相模原でする。今回のテーマは意思決定というキーワードが国から出されていて、私たちの暮らしはどうなっているかと、自分たちの暮らしはどうなるかを、話している。ゲスト講師はいろいろな人に声かけをしている。皆さん、暇と時間があれば来てほしい。未来と暮らしを一緒に考えてほしい。


以上