第34期横浜市社会教育委員会議 第2回会議録 日時 令和7年2月19日(水)午前10時から午前11時45分まで 開催場所 横浜市教育委員会事務局花咲研修室 305研修室 出席者 新垣委員、市川委員、北原委員、小林委員、齊藤委員、鈴木委員、七澤委員、野口副議長、牧野議長、米田委員 欠席者 なし 開催形態 公開(傍聴者1人) 議題 「第三次横浜市民読書活動推進計画」等について 資料 特記事項 1 資料 (1)資料1・第1回社会教育委員会議 意見回答 (2)資料2・「第三次横浜市民読書活動推進計画」説明資料 (3)資料3・「第三次横浜市民読書活動推進計画」原案 (4)資料4・「第三次横浜市民読書活動推進計画」原案概要 2 特記事項 次回は、令和7年6月に開催予定 開催日時については、後日事務局から連絡の上調整する。 議事 第三次横浜市民読書活動推進計画について 【牧野議長】 それでは議事に入らせていただきます。よろしくお願いします。 第1回の会議では、第三次横浜市民読書活動推進計画の素案について議論してい ただきました。その後、事務局で市民意見の募集をし、その結果等を踏まえて今回 原案が出てまいりましたので、今日皆さんには原案を議論していただきます。それ に先立ちまして、事務局から原案について説明をお願いします。 (事務局から第三次読書計画の原案について説明) 【牧野議長】 ありがとうございました。今、素案から委員の皆さんの御意見を受け、そして市 民意見募集を受けて、どこが変更になったか、どういう形で書き換えがあったかと いうことについて御説明があり、それが原案として出てきています。これから、皆 さんから原案について御質問や御議論をお願いしたいと思いますが、最初に私から お話をしたいと思うことがあります。概要版でも原案の(資料3)26ページでも構 わないのですが、第二次の読書計画から第三次の読書計画が、どのように構造的に 変わっているのかということを押さえておいていただいた上で、議論いただければ と思います。第二次読書計画は、全市的な読書活動の推進が大きなテーマとなって いて、重点項目が4つ挙げられています。重点項目1が「子どもの発達段階に応じ た読書活動の推進」、重点項目2が「成人の読書活動の推進と担い手の拡大」、重 点項目3が「読書活動の拠点の強化と連携」、そして重点項目4が「区の地域性に 応じた読書活動の推進」となっていたものが、今回の第三次読書計画では、基本姿 勢を示して、最初にデジタル社会に対応した読書環境の整備の推進という新しい社 会状況が入ってきています。更に、区の地域性に応じた、という形で、よりきめの 細かい、第二次読書計画の重点項目4が2つ目のところに上がってきています。更 に協働・共創による読書活動推進、それから読書活動推進を支える人材の育成とい うことが基本姿勢として入ってきています。それを受けて、今回は柱という形で 1、2、3と入ってきています。柱1が「未来を担う子どもたちの読書活動の推 進」、これは子ども読書法ができましたので、それを反映しています。柱2「市民 の読書活動の環境と機会の充実」については、市の条例がありますのでそれを反映 させてあり、柱3では「読書バリアフリーの推進」ということで、読書バリアフリ ー法と第33期横浜市社会教育委員会議の議論を受けています。個人的な感想も入り ますが、大きな形として、従来どちらかというと、学校の学年段階や子どもの発達 段階や子どもと成人を分ける形での構成など、従来の人間観が発達をしていくとい う、子ども・大人、成人・青年を分けていくというような感覚があったのではと思 うのですが、今回は発達段階というよりむしろ、未来を担う子どもたち、もう少し 言うと未来を創っていく子どもたちに対して、どのような形で読書の保障をしてい くのかといったことや、成人と子どもを分けるのではなく、市民としてどう受け止 めて考えていくかということが入ってきている。更にはバリアフリーということが 入ってきていて、これは従来は視覚障害を持った方々に対してということでした が、年齢のバリアフリーということも入ってきますので、発達段階に応じたという ことよりはむしろ、様々な形でバリアフリーを進めていく中で、市民が読書活動を 展開していくにはどうしたらいいか、そのようなことが第三次の計画の中に入って いるのだろうと思います。そうしたことも押さえていただいた上で御議論いただけ ればと思います。3章に分かれていますので、まずは1章・2章をまとめて、現状 認識について委員の皆さんからここはどうなんだろう、もう少しこうした現状認識 が入った方がいいのではないかということなど、御意見がありましたらお出しいた だければと思います。御質問でも結構です。 【北原委員】 原案の中身の前に市民意見募集について、今回の408通というのは多かったのか 少なかったのか、また、10歳未満や10代など、若い人たちの声も入っているような 傾向はかつてからあったのか、今回の特徴的なものなのかという点についてお聞き したいと思います。現在小学生を育てていますが、すぐーる(家庭と学校をつなぐ 連絡システム)で市民意見募集の募集がきたということは、非常に大きな意義があ ることだと思っています。プッシュ通知として、子育て世代にこうした情報が確実 に届くということや、あるいは市民が意見を述べられるということを知らなかった 市民に対しても、非常に意義があると思いますので、市民意見募集についてお話を 伺いたい。 【事務局】 市民意見募集の件数については、第二次読書計画で実施した際には69通、意見数 273件でしたので、第二次読書計画時と比べると御意見を多くいただいた結果とな っています。10歳未満、10代からの御意見については37通いただいています。学校 の図書委員会で紹介したこともあり、多くの子どもたちから御意見をいただけたと 考えています。件数から言うと、横浜市民の総数からするともっと、という見方も あるかもしれないのですが、通常、こうした意見募集をしてもなかなか御意見が集 まらない状況でして、決して少なくない数の御意見をお寄せいただいたと考えてい ます。10歳未満や10代の御意見については、先ほどお話のありました、すぐーると いう市立学校の保護者の方に学校が連絡するシステムで、保護者の方に市民意見募 集の御案内をした上で、ぜひお子様にも御意見があればということでお願いしたと ころでございます。計画の素案を作る段階では市民アンケートを実施しております が、市民アンケートでは子どもたちから400件を超える御意見をいただきました。 市民アンケートは選択式であるという点に対し、今回の市民意見募集では自由記載 となっており、私どもが期待したほどには子どもたちからの御意見が伸びなかった と考えます。私どもとしてはもう少し子どもたちから御意見をいただきたかったと いうのはありました。 【野口副議長】 資料1に関して、裏面の15番ですが、前回の会議でも委員の方の御意見というこ とで、バリアフリーとは視覚障害者等だけでなく、外国ルーツの人たちも含めてど うするかが重要だということで、これに関して(資料3)30ページに記載があると いうことで御説明いただいています。確かに、子どもたちに関しては(資料1)14 番と同じく、(資料3)30ページだと思って拝見していましたが、(資料3)39ペ ージの取組項目の一番下に「多文化共生」と書いてありますので、おそらく大人も 含めると、ページ数的に言うと、こちらの39ページのほうが適切なのではと思いま す。意見、ということです。 【米田委員】 前回、外国籍の方々の読書に関して意見を述べたことを取り上げてくださりあり がとうございます。学校への母語セットの提供は、これまでもなされていたと思い ますが、この計画の中に位置付けられたのはとても良いと思います。その取組があ ったことで、対象が子どもとされたように感じました。外国籍の大人にも母語で触 れる機会は重要です。子どもは学校や友達との遊びなどを通じて日本語に触れられ ますが、大人は母語のコミュニケーションに頼りがちです。母語に触れる機会はと ても大切な機会だと思うので、ぜひ大人向けの読書支援も力を入れて取り組んでい ただきたいと思います。 【牧野議長】 外国ルーツの方々について、「子どもに」のようになっている感じがするが、大 人たちに対しても母語での読書が大事ではという御意見でした。 【鈴木委員】 今の御意見と同じような内容ですが、前回の会議から今回までの間に、新1年生 の保護者の方と面談をしていますが、外国にルーツのある方は、子どもたち以上に 大人の方が言葉の壁、日本語の文字の壁は高いと感じています。なかなかこちらの 言葉が伝わらなくて大変な思いをしているのと、子どもより横のコミュニケーショ ン、保護者同士のコミュニケーションが取れていません。国際交流ラウンジとの連 携も含めて、文字に触れて、ご自身の世界が広がるような機会をつくるといいと思 いました。学校側からすると、(外国にルーツのある保護者に)来ていただくのも 一苦労で、最近スマートフォンの翻訳ソフトの機能がすごいことに、職員室でも歓 声をあげていました。読書だと著作権があるから難しいとは思いますが、そうした 活用方法等についても、図書館でそういう方たちのために何かできたらいいとも思 いました。 【牧野議長】 多文化共生ですね。母語保障を子どもたちだけでなくて、全世代に広げていくと いう観点も必要ではないかという御意見です。今の点について私からも加えます と、今話題になってきているのですが、高齢社会に入り、日本に早くからいらっし ゃった外国ルーツの方々も高齢期を迎える方が多くなってきていますが、認知症を 患い始めると習った言語を忘れてしまうのだそうです。それに対して、母語は残っ ていくようです。つまり日常的に日本語を使って生活されていても、高齢になるほ ど日本語がうまく使えなくなり、母語に戻っていくということが言われていますの で、そういうことも含めて母語保障の在り方ということも今後大きな課題になるか と思いますので、意識として持っていただけるとありがたいと思います。 【米田委員】 変更をお願いするものではないのですが、(資料3)7ページで今後の市立図書 館再整備の方向性を掲載いただいたのがとても良いと思います。特に、図書館の居 心地という点については前回会議でも発言しましたが、各館のリノベーションが進 められることに期待を持ちました。読書以前に、居心地よく過ごせそう、その空間 に本があって触れるという、出会い方が進んでいくといいと思います。また、1 章・2章から、はみ出る意見にはなりますが、図書館に関わる方のコミュニケーシ ョン能力の養成について、原案に入れていただきありがとうございました。前回会 議での私の発言があいまいで、コミュニケーション能力「みたいなもの」と記載さ れていますが、明確に「コミュニケーション能力」が必要、と資料を書き換えてく ださい。(資料3、53ページ下段)その方が人材育成に際して、明確にその点で取 り組んでいただけるかと思います。お願いします。 【牧野議長】 (資料3)7ページに図書館再整備の方向性が加わったのはとてもいいというこ と、そしてもう一つの大きな柱として人材育成が入っているので、こちらは第3章 にも関わりますが、コミュニケーション能力を重視できないか、ということです。 他に1章、2章についていかがでしょうか。では、また後ほど御意見等ありました らいただければと思います。 それでは次に第3章の計画の全体についてです。基本姿勢が4つ示されて、柱が 3つ書かれています。これら今後の在り方について、皆さんから御意見をいただけ ればと思います。 【齊藤委員】 3章に関して、在り方の前に形式的なことですが、(資料3)26ページで第二次 読書計画から第三次読書計画に向けての変更点についてはわかりやすいと思うので すが、私は今回初めて社会教育委員会議に入りまして、(資料3)3ページの計画 の推進の経緯について、年限が入っていないので、今回の計画からいつまでとか、 第二次の計画はいつからスタートしたのかとか、どのくらいのターム(期間)でこ の計画が動いているかという意味では、本当は西暦がいいのですが、西暦を示すの が難しいのであれば、3年計画であるとか5年とか、そうした形で(資料3)26ペ ージの図の中に年限等があったほうがいいと思います。このときにこの内容がスタ ートするのかや、予算を確保できそうなのか等考えていくこともあるかと思うの で、まずはその形式的な点をお伝えしたいと思います。 【牧野議長】 (資料3)3ページに計画期間がついていますが、こうしたものを(資料3の26 ページの)図の中にも入れ込んだほうがいいということです。第二次は継続なので しょうか。このあたり、少し事務局から説明をお願いします。 【事務局】 第二次の読書計画については、令和元年度から令和5年度までの5年間で実施し ておりました。第三次計画については、令和6年度の末からではありますが、5年 間となります。年限の記載については、ご意見をいただきましてありがとうござい ます。追記することを検討いたします。 【牧野議長】 第二次読書計画が令和元年、2019年度から、令和5年、2023年度までという理解 でよろしいですか。そして第三次読書計画が令和6年、2024年度からですので、今 すでに入っているということでしょうか。 【事務局】 一旦、第二次計画は終わっているというところです。 【牧野議長】 本当は(第二次計画が)終わる前に作ったほうがよかったですね。 【事務局】 本来、昨年度中に検討して策定をしたかったのですが、昨年度図書館ビジョンを 策定したこともあり、図書館ビジョンの策定内容を踏まえて次期の計画について策 定したいというところがございまして、少し遅れているところではありますが、今 年度からの計画を今年度に策定するということになっております。 【牧野議長】 ありがとうございます。本来であれは第二次読書計画期間中に第三次を作らなけ ればというところなのですが、策定が1年ずれ込む形となり、今年度(令和6年 度)から始まっているという理解です。それと、今気付いたのですが、(資料3) 3ページの令和10年度の記述のところは、2029年ではなく2028年ですね。修正をお 願いします。他に、第3章ですが今後の在り方についてのことになりますので、基 本姿勢、柱、背景等ありますけど、いかがでしょうか。 【野口副議長】 (資料3)41ページから、柱3読書バリアフリーに関わる部分で、視覚障害者等 というのが、これだけ読むと障害者の話と思われがちですが、実は読書バリアフリ ー法は障害者手帳の有無は問わない、ということになっています。昨年文化庁が公 表した令和5年度の国語に関する世論調査によると、不読率が62.6%で、読書量が 減っている理由も聞いているのですが、視力など健康上の理由との回答が3割なの です。しかもこの回答は年齢が上がるにつれ割合が高まっています。つまり、御高 齢の方で読みづらい方も、読書バリアフリーという視点で、御自身の読みやすい本 を使っていいんですよということをもう少し知っていただくようなことを注記でい いと思うので触れていただいてもいいかと思います。これだけ読むと、少し読みづ らくなった御高齢の方が、自分は障害者ではないから関係ないと思われてしまう と、すごくもったいないですし、先ほど御案内のあった(本市読書バリアフリー の)パンフレットも作られているのですから、例えば大活字本であるとか音声で聴 く方法は、御高齢の方にも非常に有効であると思いますので、注で構いませんので ぜひ入れていただけるとありがたいというのがまず1点です。 そしてもう1点は、先ほど議長も触れていらっしゃった認知症の方に関わってく るのですが、今日本の高齢化率は29.4%。その中で認知症の方の割合も高まってい る状況があります。日本図書館協会でも、認知症バリアフリー図書館特別検討チー ムを作って、認知症バリアフリーの取組を進めています。認知症の方も身近な図書 館にけっこう足を運ばれているのですが、本を返却する日が分からなくなってしま ってカウンターの方に尋ねているとか、図書館の配架がわかりづらくなってしまっ て非常に困ってしまうとか、そういった困り感を持つ方は多いです。ですから、認 知症バリアフリーの視点は、これから5年間の計画の中では間違いなく重要になっ てくる柱だと思いますので、どこかにその視点を位置づけていただけるとありがた いと思います。ちょうど昨年1月には認知症基本法も施行となっていまして、基本 理念の中には教育を含めた総合的な取組として進めていくということも書かれてい ます。社会教育が当然そこには関わってくると思います。ぜひご検討いただけると ありがたいです。 【牧野議長】 読書バリアフリー、視覚障害に関して、ここに括弧の中に入っていて、本当はも っと幅広なんだけれども、視覚障害と書くと、狭い意味での視覚障害に捉えられが ちではないか、もう少し説明を尽くしたらどうかということと、さらにバリアフリ ーを考える場合には認知症の問題があり、いわゆる2025年問題と言われますが、団 塊の世代の方々がほとんど75歳以上になられる年が今年なのです。今後認知症の方 が急速に増えていく、そしてあまり喜ばしい数字ではないのですが、確か2060年の 予測で、人口が8,700万人ぐらいまでに減り、その中で認知症を患う方が1,154万人 になるという数字が出ていて、総人口の8人に1人が認知症になるという予測がさ れています。そういうことの中で、厚生労働省も地域包括ケアから地域共生社会づ くりと言い方を変えてきていて、いわゆる施設に入れるということではなく、むし ろその方々をどうやって地域で迎え入れながらいっしょに生活ができる社会を作っ ていくのかという議論も始まっていますので、そういうことも含めて、読書の在り 方も今後検討が必要ではないか、できればどこかにいい表現があれば入れていただ くということも必要かと思いますので、ぜひとも御検討いただければと思います。 特に認知症の場合、市民後見制度というのがあるのですが、いわゆる士業の方がな されている後見ではなくて、一般の市民が後見を担っていくという仕組みを厚生労 働省が作ってきていて、(私は)後見人の育成等にも関わっているのですが、そこ で今言われているのが、認知症を患われると、表面的には何もできなくなっていろ いろと忘れてしまうので、代わりにして差し上げるというのが良いことのように思 われがちですが、実はどこまで行っても自分で決めたいと思っていらっしゃるので す。これは自己決定をしたいということと尊厳を尊重されたいということを強く思 っていらっしゃるということがわかってきていますので、そうしたものを社会でき っちりと受け止めながら自己決定ができるような形で支援をどうするか、それは当 然読書や知識をどう持つかということに関わってきますので、そのようなことも含 めて少しどこかに書き加えることができればありがたいと思います。これは5年計 画ですので、2030年になりますとやはり高齢化率が3割を超えているということに なっていきますし、新しい社会がやってくるのでしょうから、少し入れていただけ るとありがたいと思います。 【齊藤委員】 3章ですが、先ほどの議長の御発言に近いのですが、注目しているのが人材の育 成という点とボランティア活動を増やしていきたいという、「人材」に着目してい るのが大きいと思います。少し気になるのが、(資料3)31ページですが、司書や 学校司書ということで専門家養成を行うということが書かれているので、自分が人 材育成の対象になるのかということは、担当されている方は気になるかと思いま す。もしかすると非正規の方が多いのかと思うので、こうした方のボトムアップは とても大きな役割があると思います。他に、(資料3)35ページの取組7「子ども の読書活動を支えるボランティアの育成」というところと、(資料3)40ページに 「読書活動推進を支えるボランティアの育成」というところなど、各柱の中にボラ ンティアというキーワードが散在しています。皆さんも心当たりがあるのではない かと思うのですが、ボランティアを育成するという段階までは、講座を実施すれば できると思いますが、講座が終わった後にその方々がいつ来るのかや、運営管理、 ボランティアを束ねるというのは誰がどう担うのかということが、きっと問題にな ると思います。それは司書がやることなのかというところで、段階的にまず司書の 人材育成、どのくらいの人を対象にするかのある程度の目安をつけることが必要だ と思います。2つ目にボランティアの活動も、どこの部署がその講座を実施するこ とを担っていくのかということです。各区に投げていくのか、あるいは教育委員会 でボランティア育成を推進しなさいと促して、モデル区を作っていくのかなど、そ ういう計画も必要になると思います。また、育成したら終わりでは単なる講座にな ってしまうので、その方々をそこに定着するように育てていくというのは、それな りに時間がかかります。シニアの方々は、自分たちがやるべきことを探している時 に講座を受講する可能性がありますが、その受講者たちを束ねていく人も必要にな ってきて、束ねることも司書の仕事なのかどうかという問題もきっと出てきます。 その時に例えばNPOなど、そこでの協力があるので、前半部分ではNPOと追記したと 事務局からご説明がありましたが、特にこれらボランティア関連の箇所ではNPOと いう言葉が一言もないので、運営やマネジメントの整合性や協働ということをどう するのかということを計画に加えるのは簡単ですが、加えるとなると具体的なイメ ージが必要で、その点のご検討は今後計画を出したからには必要になると思いま す。 【牧野議長】 人材の問題ですね。一つは専門職人材としての司書の方々の育成ということが強 く出ていますが、他にもボランティアの方々の育成が入ってきていて、その方々の 活躍促進もあると思いますが、今の御意見では、育成した後どうするか、育成の担 当はどこがやるか、また育成した後の活躍の在り方をどこが差配するのかというこ ともこれから課題になってくるのではないか。そして、それが専門職である司書の 仕事になるのか、そうではないとすれば、例えばNPOや団体などの様々な主体との 連携・協働も必要になってくるかもしれないので、方向性としては、こうしたこと が課題になりそうだという形で、できればそれを少し書き込んでいただいほうがい いですか。 【齊藤委員】 そうですね、課題になりそうだということで。 【事務局】 ボランティアの取りまとめという点について、私どももこれからどうしていくの か課題だと思っております。現在、各区にあります市民活動・生涯学習支援センタ ーと連携し、ボランティアの育成をした後に支援センターにつないで、団体登録を していただき、そこからさらに活動につないでいくという事例もございます。その ような取組から各関連施設とも連携をしながら今後の在り方を検討していきたいと 考えております。現段階で、原案に具体的に書き込めるかは明確な回答を控えさせ ていただきますが、今後取組を進める上での参考にさせていただきます。 【米田委員】 3つのことを申し上げます。1つ目は、読み書きが厳しいディスレクシアの子ど もたちは、計画案では「多様な子どもたちへの」と記載があります。先ほど年齢で 区切るのをやめてというご指摘がありましたが、外国にルーツのある大人の件と同 様、学校図書館でケアされたディスレクシアの子どもたちが、卒業後にどう本に触 れることも視野に入れることが大事だと思うと同時に、計画内で何か所にも障害に 関することが分かれて出てくるので、今回変更するのは無理だとしても、今後「多 様性」という大きなくくりでバリアフリーを捉えたほうがいいと感じました。 2点目は、連携・協働についてです。具体的には柱2施策4の取組のうち、「本 を介した交流や学びあい」というところで、イベント開催は自ら主催するとなると 回数にも限界があるので、他機関の機会に加わらせてもらうような連携も重要で す。ここにイベントの開催などの「機会の創出」を書き加えたほうがいいと思いま す。そして多様な主体との連携が各所に出てきていますが、取組3の「身近な地域 における読書活動の推進」の2行目に市民、団体、企業等という箇所について、市 民が入っているのが、とても良いと思っています。私は横浜コミュニティカフェネ ットワークの副代表を務めていますが、コミュニティカフェの運営主体には、自宅 を住み開きにしている個人というケースがあり、本を置いているカフェもありま す。そういうところも連携先となっていくと思うので、市民も連携の対象だという 認識を持っていただくということがとても大事だと思います。本日の資料に3月10 日に開催するコミュニティカフェフォーラムのチラシをお配りしました。チラシに 記載のある「カフェ型中間支援」という取組では、図書館や社会教育士と同様な機 能をコミュニティカフェでも行っています。連携のベースになる考え方だと思うの で、ぜひ教育委員会からも御参加いただきたいと思っています。また、教育委員会 だけではなく市役所の他部署との連携を取っていただきたいなと思います。年齢も テーマも分野も広く対象となるので必要となります。あまりその点についての書き 込みがないと思ったので、この視点はどこかに加えていただけるといいと思いま す。 3点目は、こうした交流・学びあいやコーディネートについて、先ほど人材育成 して束ねるという話がありましたが、連携とはコーディネーターがいないと成立し ません。誰がコーディネートするのか、前回会議でも社会教育士という話が何度か 出ていましたが、そういう存在との協働が大切ですし、「図書館がまちづくりのプ ラットフォーム」という話も前回出ていました。図書館職員にコーディネート機能 まで持ってもらうとした場合、力量育成が大事なのと同時に、コーディネートを可 能にする勤務体制があることがとても大事だと思います。それがないと、計画にい くらコーディネートを歌っても、絵にかいた餅になるので、計画明記は難しいかも しれませんが、運用段階では現場体制を考えていただかないとアウトリーチできな い、アウトリーチできなかったら調整もできないので、意識していただきたいと思 います。 【牧野議長】 私も最初に少し申し上げましたけれど、年齢で割ってみたり行政の縦割りの中に 入れてみたりと、いろいろなことがまだ残っていて、1つ目の御指摘ですと、バリ アフリー、特に認知症も含めてですが、多様な方々が読書に親しんでいくというこ とを考えていくと、障害の有無や年齢の高低、認知症になっているかいないかなど を問わずに、全ての方々が読書に親しめるような体制づくりが必要ではないか、今 回計画への反映は難しいかもしれませんが、そうしたことも考えておく必要がある ということ。さらには連携の在り方。一般市民と連携するということも含めて、専 門の方々が連携して保障していくということよりは、市民自身が主体として連携対 象となっていくし、いっしょになってやっていくという仕組みづくりができないだ ろうかということ。更には教育行政の中だけの社会教育ということだけではなく て、むしろ一般行政の基盤を作っていくための、人とのつながりや関わりを作り出 していくための社会教育、その上にきっちりと一般行政の様々な組織が乗っかって いくことによって、社会の底が抜けないというか、底の厚い社会を作っていくとい ったことが今議論されているわけですけれども、図書館や読書の在り方もそれに関 わってくると考えますと、連携の在り方も、いわゆる一般行政との連携ということ も含めて議論していく必要があるのではないか。特に前回会議でも図書館がまちづ くりの基盤的な、プラットフォームになっていく必要があるのではないかという議 論もありましたので、その意味でも、いわゆる教育行政だけの問題ではなくて、広 く市民の生活に関わる様々な連携も考えていく必要があるのではないか。そしてそ れをきちんと運用していくためには、人材育成だけでなく、その方々の勤務の在り 方などいろいろと関わってくるので、運用面で少し考えてはいただけないかという 御意見でした。読書一つを取っても、今社会が大きく変わっていく中で、従来のよ うな縦割りの中に入れ込むということが難しくなってきて、むしろ市民生活の全般 に関わるような問題として扱っていきながら、様々な行政領域が連携・融合してい きながら保障していくという体制が取れないかと思いますので、今のことも参考に していただければと思います。 【新垣委員】 行政計画の建て付けについて意見を述べます。(資料3)26ページについてです が、第二次の読書計画と第三次の読書計画で重点項目という建て方から、基本姿勢 と柱ということに変更されたということですが、我々のように行政学の学問をして いる人間からすると、行政機構図もそうですし、計画もそうなのですが、載ってい る順番のことをけっこう気にするのです。そういうところからすると、第二次読書 計画だと重点項目の4であった「区の地域性に応じた読書活動の推進」というの が、(第三次では)基本姿勢の2番目に来ています。そうなると、第三次の計画に 当たっては、地域性を非常に重視した計画として建て付けられているのかと最初は 読んだのです。ただ、基本姿勢の2番目に来ている割に、柱の中のKPI(重要業績 評価指標:key performance indicators)や各施策を見ると、あまり地域性に応じ たというところが特に設定されてないように思います。もちろん今お話しのありま した連携などは重要な課題ですが、数値化できない、施策化できない前提があるの だとすると、なかなか難しさもありますが、一般行政と教育行政の垣根の問題など もあるので、順番のこだわりがないのであれば、従来通り4番目に置いておいたほ うがいいと思います。読書活動の推進とか人材育成というのは非常に重要な問題 で、区の地域性に応じたというのも大事だけれども、これは壮大なテーマだと思う ので、強調されないのであれば、第二次読書計画と同じところに留めおかれたほう が穏当かなと感じますので、御検討いただければと思います。 【牧野議長】 私も上に上がったんだなと思って見ていたのですが、いかがでしょうか。 【事務局】 区の地域性を生かした取組については、基本姿勢2での建て付けといたしまし た。具体的な区の取組といたしましては、原案の(資料3)12ページから各区の取 組を紹介しているところでございます。今後の流れといたしましては、教育委員会 で第三次の計画、本市の指針というものをお示ししまして、こちらを参考に来年度 以降各区で読書目標を更新し、各区で読書目標を推進していく流れとなっておりま すので、それに基づきまして、全市で進めることも大切ですが、区がそれぞれ地域 ごとに、地域に応じた取組については今後読書活動を進める上で重要なものだと考 えておりますので、順番として第三次計画の2番目に書かせていただいたところで ございます。 【七澤委員】 追加などではないのですが、まず(資料3)31ページの「子どもの視点に立った 読書活動の推進」のところで、子どもの目指す学校図書館像や取り組みたい読書活 動の実現ということで、取組項目で「子どもの意見聴取の機会の確保」と載せてい ただいて、私の活動領域ではとてもうれしく思います。4月から横浜市こども・子 育て基本条例が制定されて、子どもや青少年の意見を聴くと言うことをすごく大事 にしているのです。合わせて、(資料3)34、35ページで主な取組の3と5にも 「小・中・高校生世代が参画する企画事業等の実施」という取組を書いていただい て、とてもうれしいです。併せて、学校図書館においては、子どもの目指す、子ど もが取り組みたいというのがあるのですが、実際には不登校の子どもたちも含め て、地域の図書館が居場所の一つになっていて、そこで読書に触れると言うことも あると思います。ですからぜひ再整備の際には、地域の図書館でも子どもや若者の 意見を聴く機会を、再整備に向けて使いやすい図書館、行きたい図書館という形で 子どもの意見を取り入れていただけたらと思いました。 【牧野議長】 子どもの意見聴取や企画への参画に絡んでいくこと、さらに区や地域単位で広げ ていけないかということです。 【事務局】 今、地域図書館のリノベーションということで、少しずつ居心地のいい地域図書 館を作っていこうと考えております。その中で、大人だけでなく地域の子どもたち の居心地の良さというのももちろん必要だと考えます。意見聴取につきましても、 子どもたちからもきちんと聴取していきたいと考えています。 【牧野議長】 図書館は今、けっこう居場所になっていると言いますか、勉強する子も増えてい ます。家に机があっても家でやらないのです。図書館に行ったほうがいいとうちの 学生も言いますけど、なぜでしょうか。私たちだと、静かな環境でと思うのです が、彼らはざわざわしているほうが集中できると言っているのです。そういうこと も含め、寂しいのかもしれませんが、居場所としての図書館というのがこれから大 事になってくるでしょうから、ぜひお考えいただければと思います。 【市川委員】 (資料3)24ページの基本姿勢1の「デジタル社会に対応した読書環境の整備の 推進」について、質問と意見があります。冒頭、牧野議長が御挨拶の中でも触れて いらっしゃいましたが、生成AIに関して、教育委員会が本体の活動部署ではないの かもしれませんが、急速に活用が進んでいる世の中において、横浜市としてガイド ラインを明示したり、こうした取組の用意や計画があるのかというのが質問です。 読書活動においても必ず接点があるところですので、文言として中に入れておいた ほうがいいのでは、というのが意見です。これは、子どもの読書活動にも関わって きますし、例えば(資料3)31ページの取組4「子どもの視点に立った読書活動の 推進」でも、生成AIを使う子どもたちも出てきています。例えば、弊社はお薦めの 本を紹介しようビブリオバトルというイベントを推進していたり、先日は地区セン ターのイベントとしてビブリオバトルの手伝いをしてきたところで、これは小学生 と中学生に参加していただき、お薦めの本を紹介してもらったのですが、原稿を用 意してくる子が多くて、その中にはスマートフォンを見ながら話す子どもが多く て、それが必ずしも生成AIを使った紹介文とは限らないのですが、職員の中には、 もしかして生成AIを使って紹介している子もいるのではと、懸念している方もいら っしゃいました。現在は人の生身の言葉と、生成AIが作成した言葉では、客観的に 違和感があれば気が付くことが多いのですが、徐々に生成AIの機能も高まってき て、区別がつきにくくなる中で、子どもが自分で考えて、読書の楽しみ方を自分で 表現したり、探求型の学習の際にも自分で考えながら本の知識や言葉を取り入れ て、新しいアイデアとか構想を練ったりするときにあまり生成AIに頼りすぎない、 うまく情報を扱う、情報の使い方についても、学校でどう接し方を教えるのか、そ うした取組についても、姿勢、講座、教育などを示すことは必要ですし、また(資 料3)37ページの取組2「デジタルを活用したサービスの充実」でも、電子書籍だ けではなく生成AIを使う場面も増えると思いますので、著作権の保護の意識や情報 リテラシー講座のバリエーション、生成AIの活用講座などもあると、全国に先駆け て横浜市が取り組んでいるということで、横浜市らしさを出せるのではないかと思 います。 【牧野議長】 デジタル社会の中で、今大きな話題になっている生成AIの問題です。これらをど う活用するのか、又はガイドラインをどうするのか、そうしたことも含めて書き込 めないか、何か方向性が示せないかということだと思いますがいかがでしょうか。 【事務局】 本市に生成AIのガイドラインの有無についてですが、他部署ではありますが現在 暫定版として用意がございます。(基本姿勢の)「デジタル社会に対応した読書環 境の整備の推進」に書き込んだほうがいいのではないかというご意見については、 著作権等について明記をしたほうがよいということでしょうか。 【市川委員】 そうですね、情報リテラシー講座を開催するというアイデアを取り入れていただ いていますので、ぜひともそのバリエーションの一つとして、生成AIを使うに当た っては著作権に対する意識を持つことが必要であるというような注意喚起を提示し たり、そういう意識を高めていただくための講座を推進していただきたいという考 えです。 【事務局】 情報リテラシー向上のための講座についての前に、図書館でAIを使ったよう な読書推進の取組について御紹介させていただきます。図書館の蔵書を検索するシ ステムにおいて、昨年度新たなものを導入したところです。今までは入力した文字 が含まれるもの、タイトルや御案内に書かれているものしか検索できなかったので すが、昨年からAIでそこから連想される言葉もどんどん引っ張ってきて、自分 では思いもよらなかった本を検索することができるという仕組みを取り入れていま す。また、現在検討中のものといたしましては、検索するには文字を入力してなけ ればならず、例えば小さいお子さんは文字の入力ができないものですから、さらに 検索の範囲を広げていけないかということを検討の段階です。詳細を申し上げるこ とはできないのですが、さらにAIを活用については検討していければと考えて いるところです。また御指摘のありました(資料3)37ページの情報リテラシー向 上のための講座についてですが、正しい情報にアクセスする、活用するという点 で、AIや著作権の問題など幅広な論点があると思いますので、中身については 今後検討ということではありますが、その時期に応じて、どのようなところで市民 の皆様のお力になることができるのか、私どもも研究・勉強しながら考えていけれ ばと思います。 【牧野議長】 検索でもいろいろな活用がなされ始めているということです。対話的に検索がで きるとおもしろいかもしれませんね。読みたい本だけではなくて、「こういうのが 読みたいんだけど」と相談していくと、これもあるよ、あれもあるよと紹介しても らえるようなこともこれから出てくるのだと思います。検索の幅が広がるというこ とかもしれません。 【小林委員】 (資料3)34ページで意見を反映していただきありがとうございます。学校と図 書館の連携により、子どもたちが図書に触れる機会を増やしていこうというのは非 常にありがたいことです。先ほど人材育成という話がありましたが、東山田中学校 は神奈川県初のコミュニティスクールとなっており、地域と連携して何を実施する かというところで、コーディネーターの活動が盛んです。コミュニティハウスが学 校に付帯施設としてあり、その中には簡単な図書施設ですが、市民図書館という小 さい子どもが読書に触れる機会があります。そのコーディネーターをうまく活用し ていくという点において、横浜市の学校として考えていかなければならないと思う のですが、人材を発掘し、育成していくというのはなかなか難しくて、コーディネ ーターと学校司書が連携しているかというと、まだそこまでは行っていません。単 独で学校司書が主催の活動は読書活動を推進する上では横浜市の学校でも実施でき ていますが、学校司書の待遇面をもう少し良くしていただけるといいかと思いま す。予算が関係してきますので、なかなか難しいかもしれませんが、結構薄給で従 事していただいているところがあります。また教育委員会で研修の機会を作ってい ますが、こうした場面でコミュニケーション能力が上がるとも思います。更に先ほ ど北原委員もおっしゃっていたことですが、すぐーるのような良いものについて は、学校経由ではなくても、各課で連携して直で家庭に情報が届くとなると、すそ 野が広がっていくと思います。アンケート機能も年代別にアンケート設定したほう がいいし、意見をくださいというアンケートの問いでは子どもは難しいと思います ので、子どもからの回答が欲しい項目については子ども向けの質問をつくってやる と、より具体的な回答になるし、それをすぐーるのアンケート機能を使って実施す れば、直接データが得られると思います。そうしたことを縦割りではなくて、課ご とに連携することや横のつながりが非常に重要だと学校でも感じているところで す。 【牧野議長】 学校司書の待遇改善、皆さんが活躍できるように、より活躍していただけるよう な待遇の在り方を考えていただきたいということと、横の連携、教育委員会だけで はなくて学校と様々な部署との連携、さらにはアンケートの採り方も含めてすぐー るなどの仕組みを生かして横の連携を取りながら、より普及をしていくような使い 方もあるのではないかというご指摘でした。 【北原委員】 皆さんのご意見に重ねての話になりますが、(資料3)35ページや40ページでボ ランティア育成やボランティア運営管理のマネジメント、コーディネーターの必要 性が本日再三出ていたと思いますが、コーディネーターという名称がつく役割とい うのは、様々な部署にありまして、例えば学校・地域コーディネーターや地域ケア プラザにもコーディネーターはおりますし、市民活動のコーディネーターもいま す。この読書活動というものが、教育の部署で閉じずに、もっと市民全般に広く、 部局を超えて認知をされる必要があると感じました。今回初めて社会教育委員にな らせていただき、読書活動という言葉のイメージ、印象的なものとしては、文化や 趣味・余暇というプラスアルファのように考えられがちと思っていましたが、この 会議の議論の中で実際に感じることとしては、福祉、高齢化社会、多文化共生、市 民協働・共創など、まちづくりのプラットフォームであり、福祉のインフラ的な部 分がとても大きいというということを、議論の中で学ぶことができました。そうし たメッセージがもっと市民に伝わると良いと思いまして、計画への反映は難しいか もしれませんが、記者発表などで読書活動推進計画がもたらすメリットがもっと広 い意味で伝わっていくといいと思いました。 【牧野議長】 様々な人材の方々が活躍される、特にコーディネーターという言葉が多用される わけですが、先ほどからの議論と重ねていきますと、多職種、他部署の連携での中 でも読書活動が位置付けられていくこともあるのではないか。更にそうしていくと 読書はプラスアルファという感覚になっているものが、本当は社会のインフラであ って、ある意味では福祉であったり、もっと言うと防災であったり、様々なところ と連携を取りながら社会の基盤を作っていくものであるという、そうしたことも今 回の計画を通して社会に発信していってはどうかという御意見でした。 【市川委員】 言葉の確認ですが、資料2の裏面第3章で柱1「未来を担う子どもたちの読書活 動の推進」について、市民の御意見から取組を追加されました点で、企業等と連携 した子ども向け検索システムについて、資料2では「検討」でしたが、資料3原案 では「提供」という言葉に変わっております。こちらは、決定したという認識でよ ろしいのでしょうか。 【事務局】 御指摘ありがとうございます。資料2の「検討」が正しく、原案の修正をさせて いただきます。検討して、実施に向けて調整をしているところです。 【野口副議長】 計画についてではないが、先ほどディスレクシアのお話もありました。法的には 柱3の視覚障害者等にディスレクシアは入るのですが、そういったところが市民に は伝わりにくいところもあるかなと思うのです。一方で、本日お配りいただいた読 書バリアフリーのパンフレットがとても分かりやすくて、パンフレットの1枚目の 下段にはディスレクシアの方がどう文字を認識されているのかが、具体例で示され ています。このパンフレットはどこで入手することができるのか、どの範囲で配ら れているのか気になります。このパンフレットは、すごく分かりやすくて、いい資 料を作ってくださったと思うのです。先ほどから話題になっているすぐーるで、こ うしたパンフレットのデータ等も御紹介いただけたりするのでしょうか。多くの保 護者に知っていただきたい内容の資料だと思います。いかがでしょうか。 【事務局】 すぐーるについては今年度から実施されたものですから、読書バリアフリーのパ ンフレットの発行時は、まだすぐーるの導入前でございました。今後様々な発信を していく中では、すぐーる等を積極的に活用して、保護者や児童生徒の皆様により 伝わりますよう、発信したいと考えております。また、パンフレットを置いている 施設等についてですが、図書館、区役所、学校へ配付いたしました。また、視覚障 害者団体や神奈川県ライトセンター、さらに障害者スポーツ文化センターである横 浜ラポールでも配架をしております。また、ホームページからいつでも御覧いただ けます。 【牧野議長】 すぐーるの優れた機能として、プッシュ通知の機能があるということだと思いま す。ホームページは自分から情報を取りにいかないといけませんが、すぐーるは通 知が来ますから、見てしまうということがあると思います。ぜひとも御検討いただ ければと思います。 いかがでしょうか。全体を通して御意見等ありますでしょうか。(意見なし) それではここまでにさせていただきます。議事を事務局にお返ししたしますの で、よろしくお願いします。(議事終了)