第三次横浜市民読書活動推進計画 (原案) 令和7年●月 横浜市教育委員会 目次 第1章 第三次横浜市民読書活動推進計画について .............................. 1 1 第三次横浜市民読書活動推進計画の趣旨 ........................................... 2 2 読書活動推進の意義 ............................................................. 2 3 計画の位置づけ ................................................................. 3 4 計画期間 ....................................................................... 3 5 推進体制 ....................................................................... 3 第2章 読書活動を取り巻く状況について ...................................... 4 1 国・県の動向 ................................................................... 5 2 横浜市の動向 ................................................................... 6 3 横浜市における読書活動推進の現状 ............................................... 8 第3章 計画の全体について ................................................. 23 1 基本姿勢 ...................................................................... 24 2 計画体系 ...................................................................... 26 柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進 ........................................ 28 柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実 ............................................ 36 柱3 読書バリアフリーの推進 ...................................................... 41 資料編 ..................................................................... 44 1 関連法令(子ども読書法、読書条例、読書バリアフリー法) ......................... 45 2 第33期社会教育委員会議提言 ................................................... 48 3 第三次読書計画 策定経過 ...................................................... 50 4 市民アンケート 実施概要 ...................................................... 51 5 市民ワークショップ 実施概要 .................................................. 52 6 第34期社会教育委員会議 ...................................................... 523 7 市民意見募集 実施概要 ....................................................... 524 1頁 第1章 第三次横浜市民読書活動推進計画について 2頁 1 第三次横浜市民読書活動推進計画の趣旨 本市は、乳幼児から高齢者まですべての横浜市民の読書活動を総合的に推進するため、「子どもの読 書活動の推進に関する法律(以下「子ども読書法」という。)」の第4条「子どもの読書活動の推進に 関する施策」と「横浜市民の読書活動の推進に関する条例(以下「読書条例」という。)」の第3条 「市民の読書活動の推進に関する施策」を合わせ、一体の計画として平成26年3月に「横浜市民読書 活動推進計画(以下「第一次読書計画」という。)」を策定しました。 これにより、第一次読書計画策定から平成30年度までのおおむね5年間、市内各所で様々な読書活 動が活発に推進され、区役所・市立図書館(以下「図書館」という。)・市立学校(以下「学校」とい う。)では地域性に応じた読書活動推進目標を策定しました。 令和元年6月28日には、障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化 の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的とする「視覚障害者等の読書環境の 整備の推進に関する法律(以下「読書バリアフリー法」という。)」が施行されました。第一次読書計 画期間中の5年間の社会情勢の変化、取組状況と成果や課題等の検証、読書バリアフリー法の基本理 念等を踏まえ、「第二次横浜市民読書活動推進計画(以下「第二次読書計画」という。)」を令和元年12 月に策定しました。第二次読書計画策定から令和5年度までのおおむね5年間では、第一次読書計画 の取組を継続しつつ、区役所・図書館・学校は、地域性に応じた読書活動推進目標を更新、教育委員 会は、他機関、民間事業者と連携し、全市的な読書イベントや広報活動を実施してきました。 この度、第二次読書計画の計画期間(令和元年度~令和5年度)が終了となるため、第三次横浜市 民読書活動推進計画(以下「第三次読書計画」という。)を策定します。 第三次読書計画は第二次読書計画の取組を継続しつつ、これまでの成果や課題、社会情勢の変化等 を踏まえ、策定します。 2 読書活動推進の意義 子ども読書法及び読書条例では、読書活動を「言葉を学び、感性を磨き、表現力、創造力等を高め、 又は豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付ける上で大切なもの」としています。 また、読書条例では基本理念として「乳幼児期から高齢期まで市民一人一人が豊かな文字・活字文化 の恵沢を享受することができる環境を整備するよう全力を挙げなくてはならない」としています。その ため、家庭や学校、地域で読書活動を進めていくことが求められています。 そして、読書バリアフリー法では、法律の目的を「障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書 を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与すること」としています。こ れを受け、読書バリアフリー法をテーマに諮問した第33期横浜市社会教育委員会議※1(令和3年~令 和5年)では、横浜市としての読書バリアフリー法に基づく取組の方向性について、基本的な取組、重 点取組等を示した提言がなされました。この提言では、視覚障害者等をはじめ、すべての市民が読書に よる文字・活字文化の恩恵を受けられる環境の整備が求められています。 1 横浜市社会教育委員会議…社会教育(学校教育以外で主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動) に関し、教育委員会へ助言することを目的に設置しています。 これらを踏まえ、本市及び関係者は、市民一人一人の心豊かな生活及び活力ある社会の実現に資する ため、第三次読書計画に記載した取組を推進します。 3頁 3 計画の位置づけ 第三次読書計画は、関係法令・条例に基づき策定し、本市計画の関連する部分や国・県等読書活動に 関する計画等との整合性・連携を図ります。 【本計画と関連する法令や計画等のイメージ図】 4 計画期間 令和6年度(2024年度)から令和10年度(2029年度)までの5年間とします。 5 推進体制 区役所・図書館・学校は、第三次読書計画を踏まえ、区の地域性に応じた読書活動推進目標を定め、 これまでの読書活動推進の取組の中で築かれた連携基盤を生かし、引き続き地域全体で読書活動を推進 します。 また、区役所・図書館・学校及び教育委員会は、読書活動推進団体等と連携・協働・共創しながら、 読書活動推進の取組を拡充していきます。 【推進体制のイメージ図】 4頁 第2章 読書活動を取り巻く状況について 5頁 1 国・県の動向 (1)GIGAスクール構想による1人1台端末や高速通信ネットワーク環境の整備(令和元年12月) GIGAスクール構想とは、国が提唱した「児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネ ットワークを一体的に整備することで、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個 別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる」ことを目指した構想のことで、令 和元年12 月に予算案が閣議決定されました。 同構想では、令和5年度までに1人1台端末の整備を目標としていましたが、新型コロナウイ ルス感染症拡大の影響などにより、休校が続く学校などの状況を鑑み、令和2年度中までに前倒 しで各自治体が一人一台端末を整備することとなりました。 (2)視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(令和2年7月) 令和元年6月に、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、もって障害の 有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができ る社会の実現に寄与することを目的として、読書バリアフリー法が施行されました。 それに基づき令和2年7月に文部科学省および厚生労働省が、「視覚障害者等の読書環境の整 備の推進に関する基本的な計画」を公表しました。 基本的な方針として、アクセシブルな電子書籍等※2の普及及びアクセシブルな書籍の継続的な 提供、アクセシブルな書籍・電子書籍等の量的拡充・質の向上、視覚障害者等の障害の種類・程 度に応じた配慮の3つが掲げられています。 2 アクセシブルな電子書籍等…デイジー図書(P21参照)・音声読み上げ対応の電子書籍・オーディオブック・テキスト データ等、視覚障害者等が利用しやすい書籍のこと。 3 学校図書館図書標準…文部科学省の定める、学校規模(学級数)に応じた蔵書の整備目標。 (3)第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」の策定(令和4年1月) 第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」(計画期間/令和4年度~令和8年度)では、各学校 における学校図書館図書標準※3達成を目指すための新たな図書の整備に加え、図書の廃棄・更新を 進めるための選定基準・廃棄基準を策定し、古くなった本を新しく買い替えることを促進するこ とや、新聞の複数紙配備を図ることなどが示されました。 (4) 第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定(令和5年3月) 国では、第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が、令和5年3月に策定さ れました。この計画は、政府がおおむね5年ごとに策定するもので、子どもの読書活動の推進に 関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的方針を示すものです。 第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、「不読率の低減」、「多様な子ど もたちの読書機会の確保」、「デジタル社会に対応した読書環境の整備」、「子どもの視点に立った 読書活動の推進」の4つの基本方針が示されました。 (5)「かながわ読書のススメ~第五次神奈川県子ども読書活動推進計画~」の策定(令和6年3月) 神奈川県では、「かながわ読書のススメ~第五次神奈川県子ども読書活動推進計画~」が令和6 年3月に策定されました。この計画では、「『友のように いつも そばに 一冊の本を』~本との出 会い、本から拓く思いやり 心のつながりを大切に~」をスローガンに掲げ、「子どもが読書に親し むための環境づくり」、「子どもが読書に親しむことを支える人づくり」、「子どもが読書に親しむた めの情報収集・発信」を基本方針としています。 6頁 2 横浜市の動向 (1) GIGAスクール構想による1人1台端末の整備(令和2年9月) 国において、当初令和5年度までとしていた 1人1台端末の整備が令和2年度中へ前倒しとな ったことを受け、本市では令和2年9月に「横浜市におけるGIGAスクール構想(以下「GIGAスク ール構想」という。)」を公表しました。 GIGA スクール構想に基づき、端末や校内 LAN 等の ICT 環境を整備するとともに、今までの横 浜の教育と最先端のICT のベストミックスを図りながら、多様な児童生徒を誰一人取り残すこと なく、「個別最適な学び」と「社会につながる協働的な学び」を実現する取組を行っています。 (2) 読書バリアフリー法に基づく取組の方向性に関する提言(令和5年2月) 第33期横浜市社会教育委員会議(任期/令和3年9月15日~令和5年9月14日)では、 「読書バリアフリー法に基づく取組の方向性について」協議が行われ、提言がまとめられました。 この提言は、読書バリアフリー法で「視覚障害者等」として定義されている「視覚障害、発達障 害、肢体不自由その他の障害により、書籍について視覚による表現の認識が困難な人」の図書館・ 学校図書館を中心とした読書環境の整備の方向性について、同法の基本理念を軸に会議での検討 を重ねてきた結果がまとめられています。(詳細はP.20) (3) 第4期横浜市教育振興基本計画の策定(令和5年2月) 横浜市教育委員会では、2030年頃の社会を見据えて、横浜の教育が目指すべき姿を描いた「横 浜教育ビジョン2030」(平成30年策定)のアクションプランとして、「第4期横浜市教育振興基本 計画」(計画期間:令和4年度~令和7年度)を令和5年2月に策定しました。 第4期横浜市教育振興基本計画では、児童生徒一人ひとりの多様性を尊重し、つながりを大切に した教育の推進を目的としています。 図書館では、図書館の在り方に関するビジョンの策定、電子書籍の充実やICTを活用したサー ビスの拡充、学校では、学校図書館の環境や資料等の充実や学校司書※4や司書教諭※5の研修の充 実、全市的には、市民が読書に親しむ機会の創出などの取組が挙げられています。 4 学校司書…学校図書館法第6条で定められた専ら学校図書館の職務に従事する職員。 5 司書教諭…学校図書館法第5条で定められた、学校図書館の専門的職務をつかさどる教諭。 (4)横浜市図書館ビジョンの策定(令和6年3月) 近年、図書館には、資料の収集と提供だけでなく、市民が気軽に集い、交流する「居場所」と しての機能や、居心地よく豊かな時間が過ごせる場としての役割も期待されるようになってい ます。また、市民の皆さまが図書館に求める環境・施設やサービスも多様化しています。加えて 図書館には、増加傾向にある物流への対応や、蔵書の質・量の充実と収容能力の確保、電子書籍 への対応など様々な課題があります。 こうしたことを踏まえて、横浜市では10~20年後を見据え、中長期的な社会の変化を展望し、 これからの図書館の「目指す姿」や「取組の方向性」を示すものとして、令和6年3月に「横浜 市図書館ビジョン」を策定しました。 7頁 ■新たな図書館像 これからの図書館は、読書を通じて「知る・学ぶ・深める」ができるのはもちろん、居心地よ く自由に過ごすことができる、多様な人々の「つどう・憩う」場になります。「遊ぶ・体験す る」ことができ、「まちとつながり・交流」もできる“わくわく”を見つけられる場になりま す。さらに「連携・協働」して、新しい“わくわく”を創り出せる、子どもから大人まで、みん なが主役になれる場となっていきます。 ■5つの基本方針 基本方針1 未来を担う子どもたちのための図書館 基本方針2 あらゆる市民のための図書館 基本方針3 まちとコミュニティのための図書館 基本方針4 利用しやすい図書館サービス 基本方針5 柔軟に変化し魅力がいつまでも持続する図書館 (5)今後の市立図書館再整備の方向性(令和6年12月) 「横浜市図書館ビジョン」の具体化に向け、令和6年12月に、「今後の市立図書館再整備の方 向性」を策定しました。以下の3つの柱を方向性としてお示ししています。 ■ねらい 従来の市立図書館全体の枠組みを再構築し、デジタル技術もいかしながら、提供するサービス の充実とアクセス向上を目指す ■取組 柱1 市立図書館の再整備・機能拡張 ▪時間軸を考慮した地域図書館の老朽化対策 《基本》建物の老朽化状況や周辺まちづくりの状況等に応じた再整備 《短期》居心地の向上を目指した、各館のリノベーションの実施 ▪一部の地域図書館の中規模化 市域全体の交通アクセス・バランス等を考慮し、一部の地域図書館が有する機能・規模を拡大 ▪新たな大型図書館の整備 時代・ニーズの変化等に対応する、新たな大型図書館を整備 柱2 図書サービスへのアクセス性の向上 ▪図書取次拠点の増設 ▪図書取次サービスを支える物流拠点整備 柱3 デジタル技術の積極導入 ▪デジタル技術を活用した多様な体験の提供 ▪より便利で使いやすい図書館の実現 【図1 リノベーションによる環境づくり(イメージ写真)】 【図2 AIによるおすすめ絵本の紹介(イメージ写真)】 8頁 3 横浜市における読書活動推進の現状 (1)第二次読書計画 重点項目の振り返りと今後の方向性について 第二次読書計画では、4つの重点項目を基に読書活動推進の取組を進めてきました。 計画期間中における、各重点項目の主な取組状況は以下のとおりです。なお、各表の「当初値」 は、平成30年度の数値を表し、「目標値」は令和5年度末時点の目標を表しています。また、令和 2年1月に新型コロナウイルス感染症が国内で初めて確認され、その後令和4年度まで読書活動に 大きな影響を及ぼしました。 重点項目1 子どもの発達段階に応じた読書活動の推進 【振り返り】 〇学校図書館の「来館者数」、「貸出冊数」は新型コロナウイルス感染症拡大による休校などの影響 で減少しました。来館者数は、新型コロナウイルス感染症拡大前の数値に戻ってきましたが、児 童生徒が一人一台端末を用いて情報収集する力を身に付けたことで、貸出冊数は減少したと考え られます。 【図表1】【図表2】 【図表1】学校図書館の来館者数のグラフ(教育委員会調べ) 当初値 11,350人 令和元年度 10,674人 令和2年度 8,536人 令和3年度 8,209人 令和4年度 8,850人 令和5年度 11,358人 目標値 11,500人 【図表2】学校図書館の貸出冊数のグラフ(教育委員会調べ) 当初値 7,565冊 令和元年度 6,893冊 令和2年度 7,228冊 令和3年度 7,149冊 令和4年度 7,293冊 令和5年度 7,098冊 目標値 7,600冊 〇「学校図書館が好きと答えた市内小中学生の割合」、「1日のうち読書を「している」と回答した 市内小中学生の割合」は目標値を更新し、第二次読書計画の目標を達成しました。 学校図書館の資料の充実に向けた取組や、学校司書による授業支援の実践の成果と考えられます。 【図表3】【図表4】 【図表3】学校図書館が好きと回答した市内小中学生の割合のグラフ《出典》横浜市学力・学習状況調査 当初値 70.6% 令和元年度 71.3% 令和2年度 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により調査中止 令和3年度 79.3% 令和4年度 78.5% 令和5年度 78.8% 目標値 72.0% ※令和元年、令和4年度は全校調査、令和3年度の調査は、横浜市学力・学習状況調査の改訂により、学校数の7割が回答したものです。 【図表4】1日のうち読書を「している」と回答した市内小中学生の割合のグラフ《出典》横浜市学力・学習状況調査 当初値 小学生70.5%、中学生54.9% 令和元年度 小学生69.9%、中学生53.7% 令和2年度 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により調査中止 令和3年度 小学生74.8%、中学生62.1% 令和4年度 小学生75.4%、中学生59.1% 令和5年度 小学生74.7%、中学生56.9% 目標値 小学生71.0%、中学生55.0% ※令和元年、令和4年度は全校調査、令和3年度の調査は、横浜市学力・学習状況調査の改訂により、学校数の7割が回答したものです。 9頁 【今後の方向性】 子どもの読書機会や本を手に取る機会の充実に努め、学校図書館の図書や情報等を授業において も利活用することを継続して推進します。また、電子書籍サービスの導入の検討を進め、読書に親 しむための多様な方法を提示する等、さらなる読書活動の推進を図っていきます。 重点項目2 成人の読書活動の推進と担い手の拡大 (ア)図書館の登録者数と貸出冊数 【振り返り】 令和5年度の図書館の登録者数は約73万人であり、市の人口約377万人の約20%にあたりま す。年間の個人貸出冊数は約1,185万冊で、第二次読書計画の目標値である1,100万冊を達成し ました。うち児童書は約395万冊で、年間貸出冊数の約35%を児童書が占めています。電子書籍 の利用は約16万件あり、広域相互利用※6による貸出は約56万冊です。登録者数は減少傾向にあ りますが、貸出冊数は、電子書籍サービスの開始や、令和4年度に貸出冊数を6冊から10冊に変 更したことなどに伴い、増加傾向にあります。(令和5年度は図書館情報システムの更新に伴う臨 時休館の影響により減少)【図表5】 6 広域相互利用…横浜市と隣接する7市(川崎市・鎌倉市・逗子市・藤沢市・大和市・横須賀市・町田市)と、相互の 市民が直接各自治体の図書館で本を借りられるように協定を結んでいます。 【図表5】図書館の利用状況の表《出典》横浜市の図書館2020~2024(横浜市立図書館年報)         令和元年度 登録者数902,491人 貸出冊数 一般書6,818,754冊 児童書3,058,928冊 電子書籍 ―   広域502,656冊 貸出合計10,380,338冊 令和2年度 登録者数883,160人 貸出冊数 一般書5,731,741冊 児童書2,748,643冊 電子書籍 ―   広域410,227冊 貸出合計8,890,611冊 令和3年度 登録者数879,547人 貸出冊数 一般書7,112,113冊 児童書3,834,998冊 電子書籍59,173冊 広域594,173冊 貸出合計11,600,457冊 令和4年度 登録者数868,558人 貸出冊数 一般書7,370,614冊 児童書4,163,183冊 電子書籍93,594冊 広域571,539冊 貸出合計12,198,930冊 令和5年度 登録者数738,685人 貸出冊数 一般書7,172,457冊 児童書3,952,832冊 電子書籍159,273冊 広域562,472冊 貸出合計11,847,034冊【目標値:11,000万冊】 図書館におけるサービス拡充の変遷 令和2年11月 町田市との「図書館の相互利用に関する協定」の締結 令和3年3月 逗子市との「図書館の相互利用に関する協定」の締結        ⇒隣接する全7市との「図書館の相互利用に関する協定」締結完了        電子書籍サービスの開始        視覚障害者向けオンラインによる対面朗読サービスの開始 令和4年1月 日吉図書取次所「日吉の本だな」の開設(P.16参照) 令和4年3月 中央図書館地下1階を「交流と学びのフロア」としてリニューアル 令和4年4月 移動図書館「はまかぜ2号」※7の運行開始       貸出冊数を6冊から10冊に拡大       郵送による利用者登録・登録更新手続きの開始 令和6年1月 図書館情報システムのリニューアル        ⇒AI蔵書探索を全国で初めて開始        デジタル図書館カードの運用開始        オンラインによる利用者登録・登録更新申請手続きの開始 7 移動図書館はまかぜ号…本棚を取り付けた特別仕様の車で、約3,000冊の図書を積載することができます。図書館か ら遠い地域を中心に、令和6年度時点で市内30か所を定期的に巡回しています。 10頁 【今後の方向性】 令和3年から開始した電子書籍サービスの貸出冊数は増加しており、今後も新たなコンテンツ の拡充により、利用促進を図っていきます。また、図書館情報システムの更新を契機とし、利用 手続のオンライン化や、AIを活用した蔵書探索サービスの提供などを開始しました。より多くの 市民の皆様に図書館をご利用いただけるよう、引き続きデジタルを活用したサービスを展開して いきます。 (イ)読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動人数 【振り返り】 図書館と連携した事業での「読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動人数」及び市民利用施設 での「読み聞かせ、朗読等ボランティアの1館あたりの平均活動数」は、新型コロナウイルス感 染症拡大の影響により減少しましたが、回復傾向にあります。【図表6】【図表7】 【図表6】読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動者延べ人数(図書館と連携した事業)のグラフ《出典》横浜市の図書館2020~2024(横浜市立図書館年報)) 当初値 4,072人 令和元年度 3,630人 令和2年度 956人 令和3年度 1,511人 令和4年度 2,386人 令和5年度 3,326人 目標値 4,200人 【図表7】読み聞かせ、朗読等ボランティア活動数(市民利用施設1館平均数)のグラフ(横浜市教育委員会調べ) 当初値 26.6 令和元年度 24.0 令和2年度 7.1 令和3年度 12.9 令和4年度 16.8 令和5年度 20.1 目標値 30.1 【今後の方向性】 図書館と連携した事業での「読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動人数」は、ボランティア 向けの講座や交流会等の実施を通して、読書活動に携わる人のすそ野を広げ、活動の機会を増や していきます。 市民利用施設での読み聞かせ・朗読等ボランティアの活動支援は引き続き継続します。第三次 読書計画では、活動支援に加え、読書活動を推進する多様な主体との連携も拡大していきます。 11頁 重点項目3 読書活動の拠点の強化と連携 【振り返り】 〇図書館でのグループ貸出※8、学校向け貸出※9の冊数は、新型コロナウイルス感染症の影響に より、目標値を下回りました。中央図書館では、学校向けサービスとして、「母語セットの貸 出※10」を開始し、外国につながる児童生徒が読書に親しむ機会を支援しました。 8 グループ貸出…市内で読書に関する活動を行う会員5人以上のグループを対象に、一度に30冊まで、30日間、図書 の貸出を行う図書館のサービス。 9 学校向け貸出…市立学校教職員を対象に、40冊まで、30日間図書の貸出を行う図書館のサービス。 10 母語セットの貸出…外国につながる児童生徒の母語による読書活動を支援するため、国際教室が設置されている市立 小中学校向けに、母語で書かれた図書ややさしい日本語で書かれた図書等の貸出を行う図書館のサービス。 〇地域や学校と継続的に連携し、ボランティア向けの研修や講座を行うことによって、図書の 活用に向けた土壌づくりを行いました。 【成果指標の表】 図書館でのグループ貸出、学校向け貸出の合計数 当初値95,404冊 令和元年度87,643冊 令和2年度62,208冊 令和3年度76,233冊 令和4年度83,279冊 令和5年度81,497冊 目標値99,000冊 (内訳) グループ貸出 当初値49,768冊 令和元年度47,151冊 令和2年度27,201冊 令和3年度38,283冊 令和4年度48,525冊 令和5年度51,647冊 学校向け貸出 当初値45,636冊 令和元年度40,492冊 令和2年度35,007冊 令和3年度37,950冊 令和4年度34,754冊 令和5年度29,850冊 【今後の方向性】 グループ貸出や団体貸出※11を活用した子育て関連施設などへの支援を強化するとともに、引き 続き学校と連携し、地域や学校の読書活動を推進していきます。 11 団体貸出…地域の自主的な読書活動を支援することを目的に、自治会・町内会や地域文庫等の社会教育団体などへ、 1団体につき500冊まで、1年間、図書の貸出を行う図書館のサービス。 重点項目4 区の地域性に応じた読書活動の推進 【振り返り】 第二次読書計画時の成果指標である区の活動目標の推進について、全区において第二次読書計 画の期間中に活動目標の更新を行いました。全区で取組の情報共有を行いながら、地域性に応じ た読書活動を推進しました。 【今後の方向性】 引き続き、地域性に応じた読書活動に対するニーズを捉えて、区役所・図書館・学校が連携し て、区の活動目標を定め、効果的な読書活動の取組を進めます。 12頁 第二次計画時における、各区の主な取組 鶴見区 NHK連続ドラマ小説「ちむどんどん」で鶴見と 沖縄が舞台となったことを契機に、区やJICA横 浜とも連携し、沖縄関連の6イベントを開催(展 示、おはなし会、講演会、クイズラリーなど)し ました。 【つるみ読書講演会(令和4年度)「脚本家の仕事~ちむどんどんはこうして生まれた~」の写真】 神奈川区 毎年違うテーマで講演会を開催し、講師の著作 やテーマに関連する本の紹介を行いました。ま た、図書館のおはなし会で絵本の読み聞かせを行 うボランティアの養成講座を開催(令和3年度) し、受講者が読み聞かせ活動を始めました。 【令和5年度読書活動推進講演会「となりに住んでる世界のひと」ポスター写真】 【養成したボランティアが活動する「土曜日のおはなし会」の様子を写した写真】 西区 読書活動の魅力を伝えることを目的として、 「西区読書活動推進講演会」を開催しています。 令和5年度は株式会社有隣堂の方々を講師に迎 えて開催し、講演会の様子を記録した動画の再生 回数は3万回を超えました。 【講演会広報チラシの写真】 中区 読書活動推進連絡会を定期的に開催し、区内の 施設や書店、飲食店等と連携した「なか区ブック フェスタ」や、山手西洋館との協働読書イベント 「本活コミュニケーション」など、中区ならでは の地域に根差した取組を進めてきました。 【なか区ブックフェスタのパンフレットの写真】 南区 4つの地区センターでの読み聞かせボランテ ィア連続講座や図書修理講座などの人材育成を 行いました。そのほか、講演会等の開催、南区読 書イベントカレンダーや読書マップの配布など の啓発活動をしました。 【五木寛之氏講演会「読むことと話すこと」の写真】 港南区 区役所と図書館と区内施設が連携し、どなたで も参加し易いよう、延べ8施設で「わらべうたと 絵本を親子で楽しもう!」講座を開催。施設に絵 本を寄贈しました。身近な施設での実施が喜ば れ、その後の利用にも繋がっています。 【日限山地域ケアプラザ会場での絵本贈呈の写真】 各区の読書目標は、本市のホームページからもご覧いただけます。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/shimindokusho.html#5DB70 13頁 第二次計画時における、各区の主な取組 保土ケ谷区 著名人による講演会、区民まつりや地域のイベ ントでのおはなし会、ほどがや花フェスタでのブ ックマーケット(本の無料市)などを、区民ボラ ンティア、区民利用施設、民間事業者等と公民連 携の視点に立ち協働で実施しました。 【令和5年度の講演会(講師:沢木耕太郎氏)の写真】 旭区 読書関連施設に絵本などを配布し、それを活用 して読み聞かせ活動をするボランティアを養成 しました。また令和3年度には青崎有吾氏・大崎 梢氏・森谷明子氏による講演会「小説家、図書館 を語りつくす!」を行いました。 【「小説家たち、図書館を語りつくす!」の写真】 磯子区 【まちじゅう図書館】新たな本との出会いの場 をつくり、区民に読書の幅を広げていただくこと を目的とした事業です。磯子区内4か所の地区セ ンター、コミュニティハウスを巡回し、ライフス テージに合わせた本のセットを展示しています。 【本の展示風景の写真】 金沢区 図書館・大学図書館・区民利用施設や外部機関 など区内の様々な施設に御協力をいただき、10月 ~12月に「読書フェスティバル」として各館でイ ベントを開催しています。区ではイベント内容を まとめたパンフレットを発行しています。 【令和5年度のパンフレットのイラスト】 港北区 図書館で図鑑や本を見ながら紙芝居の作り方 や発表の仕方を学ぶ、こども「紙芝居づくり」教 室を実施しています。参加者が考えたお話を紙芝 居にして、参加者や保護者の前で楽しみながら発 表しました。 【こども「紙芝居づくり」教室(令和5年度)の写真】 緑区 令和4年度から、区内にある横浜創英大学と協 働して、司書による学生向けの絵本の講座と、講 座を受けた学生によるおはなし会を実施してい ます。また、学生が選んだ「心に残る絵本」を紹 介する冊子を作成して配布しています。 【学生によるおはなし会(令和5年度)の写真、学生と作成した冊子(令和4年度)の写真】 各区の読書目標は、本市のホームページからもご覧いただけます。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/shimindokusho.html#5DB70 14頁 第二次計画時における、各区の主な取組 青葉区 読書支援ツール「Life with Reading」、子ども 版「本の楽しみかたカード」を活用したワークシ ョップを区内小中学校で実施すると共に、司書等 の先生が使いこなせるよう支援も行い、本を介し たコミュニケーション能力の向上を図りました。 【中学校でのワークショップの写真】 都筑区 地区センターや地域ケアプラザ、ららぽーと横 浜などへ出向き「みゃーごとちゅーずのおでかけ 図書館」事業を実施しました。また、図書館・区 内読書関係団体・区役所担当者が集まる定例会も 継続的に開催しました。 【三井ショッピングパークららぽーと横浜でのおでかけ図書館の様子を写した写真】 戸塚区 子どもが読んで理解できる、いじめ・児童虐待・ 防犯等の児童書を紹介する「子どもSOSの本ブ ックリスト」を作成し、配布しました。また、紹 介した本を読んでもらうため、区内読書関連施設 に本を配布しました。(令和5年度) 【展示の様子を写した写真、ブックリストの写真】 栄区 本の紹介コミュニケーションゲーム「ビブリオ バトル」を開催しています。区内の中学生が発表 者となり、読んで面白いと思った本を5分間で紹 介し、観覧者の皆様が一番読みたくなった本に投 票してチャンプ本を決定しています。 【ビブリオバトルの様子を写した写真】 泉区 区内の読書関連施設を紹介する読書マップを 作成するとともに、リユース文庫の特設、区内読 書関連施設と連携した読書スタンプラリー、お勧 めの本の紹介等のイベントを開催し、読書活動の 推進を図りました。 【読書イベントの様子を写した写真】 瀬谷区 若年層に人気のある「謎解きイベント」をメイ ンテーマとし、活字離れの進む若年層にも本を読 む機会や新しい本の楽しみ方を知ってもらう機 会とするため、本の謎解きイベントを実施しまし た。 【「タイトルを探し出せ!」本の謎解きイベント(令和4年度)のパンフレットの写真】 各区の読書目標は、本市のホームページからもご覧いただけます。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/shimindokusho.html#5DB70 15頁 【コラム 子ども読書活動優秀実践校・実践図書館として文部科学大臣表彰を受賞】 文部科学省では、平成14年度から、子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高める活動を推進するため、 特色ある優れた実践を行っている学校・園、図書館、団体・個人に対し、大臣表彰を行っています。「子どもの読書活動優秀実践校・実践図書館」として、 文部科学大臣より表彰された学校・図書館を紹介します。 【令和6年度受賞校の取組】 ●川上小学校(戸塚区) 国語科の授業と関連づけ、児童に配付しているタブ レット端末で使用できる「読書生活シート」を開発し ました。このシートに、読書記録と読書計画の機能を もたせることで、自らの読書生活を日常的に見つめな がら、主体的に読書に向き合う子どもの育成につなげ ました。読書月間には、図書委員会が独自のイベント を企画・運営しており、「読書スタンプラリー」等の記 念品として「手作りしおり」を作成するなど、児童の 読書活動への興味・関心を高めています。 司書教諭や学校司書、ボランティアと、読書活動や 学校図書館の様子をまとめた読書活動パネルを区役所 や商業施設等に展示し、取組を発信するとともに、い ただいた感想や意見を学校図書館の環境整備や読書活 動の充実に役立てています。 ●北綱島特別支援学校(港北区) 読書支援の時間「としょ」では、個々の身体状況 が異なることから、手遊び歌やパネルシアター、製 作体験等、様々な感覚を使って参加できるよう工夫 しています。 学校司書による本の提示や読み聞かせでは、手指 を含めた上肢の動きが良好で触覚優位である場合 に、触る絵本やタブレット端末で利用できるマルチ メディアデイジー図書(P.22参照)を活用している ほか、意思伝達が眼球や眼瞼等限られている場合に も、まばたきなどの微細な反応によって本人とコミ ュニケーションをとり、本の選択や感想の交流につ なげたりしています。 また、給食時間等に視聴が困難な児童生徒が、見 やすい姿勢で、都合のよい時間に見られるようにす るために、読み聞かせ動画をタブレット端末のアプ リで共有する等、読書機会の確保のために工夫を凝 らしています。 ●港南図書館(港南区) 読み聞かせボランティアグループ4団体と積極的に 連携し、図書館でのおはなし会を年間134 回開催す るとともに、区役所や地域施設と連携し、市民に身近 な場所での「わらべうたと絵本を親子で楽しむ講座」 を実施するなど、区内全域で読書に親しむことができ る取組を進めてきました。 また、図書館で、おはなし会と「子育ての居場所事 業(子育て相談、情報提供等)」を同日開催すること で、子育て支援にも貢献しています。さらに、読書に 親しみやすい環境づくりとして、港南図書館マスコッ トキャラクター「こうなんうさぽん」を活用し、読ん だ本を記録して読書ノートをいっぱいにする読書マラ ソンや、ぬりえ大会を開催し、図書館の利用促進や読 書活動の推進に取り組んでいます。 【令和元年度~令和5年度の受賞団体一覧】 令和元年度 榎が丘小学校(青葉区)       すすき野中学校(青葉区)       青葉おはなしフェスティバル実行委員会(青葉区)       緑図書館(緑区) 令和2年度 緑園東小学校(泉区)       若葉台特別支援学校(旭区)       戸塚図書館(戸塚区) 令和3年度 豊田小学校(栄区)       金沢図書館(金沢区) 令和4年度 山内中学校(青葉区)       神奈川図書館(神奈川区) 令和5年度 寺尾小学校(鶴見区)       本牧南小学校(中区)       中図書館(中区) ※各取組の詳細は、文部科学省のホームページ から検索することができます。 子ども読書の情報館 https://www.kodomodokusyo.go.jp/jirei/ 16頁 【コラム 図書取次サービス実施場所について】 「図書取次サービス」は図書館以外の場所で予約した本の受取や本の返却ができるサービスで、 市内11か所で実施しています。11か所目の日吉図書取次所(日吉の本だな)は令和4年1月に開 所しました。日吉図書取次所では、本の受取や返却に加えて、港北図書館がおすすめの本展示や、 おはなし会・朗読会、絵本づくり講座などの企画事業を、港北区役所や地域の団体と連携しながら 行っています。また、本や図書館に関する相談や図書館カードの登録会を開催する等、利用促進に も取り組んでいます。令和7年3月には、新たな図書取次所をららぽーと横浜(都筑区)に開設す る予定です。 【「日吉の本だな」の展示スペース及び企画スペースの写真】 17頁 (2)第三次読書計画策定に向けたアンケート等の実施について ア 横浜市民読書アンケートについて 横浜市民の読書活動の現状を把握するため、令和6年7月から8月にかけてアンケート調査を 実施しました。アンケートは子ども向け(小学校5年生~高校3年生)と大人向け(18歳以上) の2つに分けて実施し、子ども437人、大人2,419人、合計2,856人の方に回答をいただきまし た。 ●子ども向けアンケートの主な質問項目と結果 あなたは本を読むことが好きですか、という問いに対して、「好き」と答えた人が最も高く(54.5%)、 過半数を占めました。「どちらかというと好き」を含めると約85%が本を読むことに対して好意的な 反応でした。 全体(n=437) 「好き」54.5%         「どちらかというと好き」31.4%         「どちらかというときらい」9.8%         「きらい」4.3% 小学校5、6年生(n=235) 「好き」57.4%               「どちらかというと好き」31.5%               「どちらかというときらい」6.4%               「きらい」4.7% 中学生(n=163) 「好き」48.5%          「どちらかというと好き」32.5%          「どちらかというときらい」14.1%          「きらい」4.9% 高校生(n=39) 「好き」61.5%         「どちらかというと好き」25.6%         「どちらかというときらい」12.8%         「きらい」0.0% また、本を好きになったきっかけの問いに対しては、「小さいころ、親や周りの大人に本を読んで もらったから」と答えた人が 47.7%と最も多く、次いで「わからない」が 41.3%、「親や友だちと 図書館に行ったから」が 20.8%、「先生や学校図書館の司書にすすめられたから」が 12.0%、「本 のイベントに参加したから」が 12.0%の順でした。 全体(n=375) 「小さいころ、親や周りの大人に本を読んでもらったから」47.7%         「先生や学校図書館の司書にすすめられたから」12.0%         「親や友だちと図書館に行ったから」20.8%         「本のイベントに参加したから」3.5%         「わからない(なんとなく)」41.3%         「その他」12.0% 小学校5、6年生(n=209) 「小さいころ、親や周りの大人に本を読んでもらったから」49.3%               「先生や学校図書館の司書にすすめられたから」12.4%               「親や友だちと図書館に行ったから」23%               「本のイベントに参加したから」4.3%               「わからない(なんとなく)」36.4%               「その他」13.9% 中学生(n=132) 「小さいころ、親や周りの大人に本を読んでもらったから」50.0%          「先生や学校図書館の司書にすすめられたから」9.8%          「親や友だちと図書館に行ったから」18.9%          「本のイベントに参加したから」2.3%          「わからない(なんとなく)」45.5%          「その他」8.3% 高校生(n=34) 「小さいころ、親や周りの大人に本を読んでもらったから」29.4%          「先生や学校図書館の司書にすすめられたから」17.6%         「親や友だちと図書館に行ったから」14.7%         「本のイベントに参加したから」2.9%         「わからない(なんとなく)」55.9%         「その他」14.7% 18頁 ●大人向けアンケートの主な設問と結果 年間にどのくらい本を読みますか(電子書籍も含む)、という問いに対して「年に数冊程度」と答 えた人が最も高く(38.4%)、「月に数冊程度」が36.1%、「読まない」が12.8%、「週に数冊程度」が 12.6%という順でした。 年代別に見ると、「週に数冊程度」の比率が最も高いのは20歳代であり(28.2%)、「読まない」の 比率が最も高いのは18歳(高校生を除く)、19歳でした(31.6%)。年代が高くなるにつれて「読ま ない」の比率は低くなる傾向にあります。 全体(n=2,419) 「週に数冊程度」12.6%          「月に数冊程度」36.1%          「年に数冊程度」38.4%          「読まない」12.8% 18、19歳(n=38) 「週に数冊程度」7.9%          「月に数冊程度」21.1%          「年に数冊程度」39.5%          「読まない」31.6% 20歳代(n=39) 「週に数冊程度」28.2%         「月に数冊程度」30.8%          「年に数冊程度」17.9%          「読まない」23.1% 30歳代(n=405) 「週に数冊程度」8.6%         「月に数冊程度」33.6%          「年に数冊程度」42.5%          「読まない」15.3% 40歳代(n=1,272) 「週に数冊程度」12.6%           「月に数冊程度」34.9%           「年に数冊程度」39.0%           「読まない」13.5% 50歳代(n=569) 「週に数冊程度」13.0%          「月に数冊程度」37.8%          「年に数冊程度」39.7%          「読まない」9.5% 60歳代(n=76) 「週に数冊程度」25.0%          「月に数冊程度」59.2%         「年に数冊程度」14.5%         「読まない」1.3% 70歳代(n=19) 「週に数冊程度」21.1%          「月に数冊程度」63.2%         「年に数冊程度」15.8%         「読まない」0.0% 80歳代(n=1) 「週に数冊程度」0.0%         「月に数冊程度」100.0%         「年に数冊程度」0.0%         「読まない」0.0% 90歳代以上(n=0) また、これまでを振り返って、今の読書習慣はいつの時期から始まっていますか、という問いに 対しては、「小学生」と答えた人が最も高く(34.9%)、「乳幼児期」(20.0%)、「読書習慣はない」(16.1%)、 「18歳以上(高校生を除く)」(17.8%)、「中学生」(6.2%)、「高校生」(5.0%)という順になりまし た。 全体(n=2,419) 「乳幼児期」20.0%          「小学生」34.9% 「中学生」6.2%          「高校生」5.0%          「18歳以上(高校生を除く)」17.8%          「読書習慣はない」16.1% 18、19歳(n=38) 「乳幼児期」7.9%          「小学生」39.5% 「中学生」18.4%          「高校生」21.1%          「18歳以上(高校生を除く)」2.6%          「読書習慣はない」10.5% 20歳代(n=39) 「乳幼児期」20.5%         「小学生」28.2% 「中学生」7.7%          「高校生」5.1%          「18歳以上(高校生を除く)」12.8%          「読書習慣はない」25.6% 30歳代(n=405) 「乳幼児期」18.5%          「小学生」32.8% 「中学生」6.4%          「高校生」4.7%          「18歳以上(高校生を除く)」15.6%          「読書習慣はない」22.0% 40歳代(n=1,272) 「乳幼児期」22.2%           「小学生」33.9%  「中学生」5.3%           「高校生」3.8%           「18歳以上(高校生を除く)」18.5%           「読書習慣はない」16.4% 50歳代(n=569) 「乳幼児期」17.4%          「小学生」37.8% 「中学生」6.9%          「高校生」6.0%          「18歳以上(高校生を除く)」18.5%          「読書習慣はない」13.5% 60歳代(n=76) 「乳幼児期」21.1%         「小学生」36.8% 「中学生」10.5%          「高校生」9.2%          「18歳以上(高校生を除く)」22.4%          「読書習慣はない」0.0% 70歳代(n=19) 「乳幼児期」5.3%         「小学生」57.9% 「中学生」0.0%          「高校生」5.3%          「18歳以上(高校生を除く)」26.3%          「読書習慣はない」5.3% 80歳代(n=1) 「乳幼児期」0.0%         「小学生」0.0% 「中学生」0.0%         「高校生」100.0%         「18歳以上(高校生を除く)」0.0%         「読書習慣はない」0.0% 90歳代以上(n=0) 19頁 イ ワークショップの開催について 子どもの部と大人の部の2部構成で実施し、参加者の読書活動の現状や読書をするきっかけ 等について語り合いました。 子どもの部では「みんなが本を読みたくなるにはどんなしかけやイベントがあると、より本 を楽しく読めるようになるか」をテーマにグループディスカッションを実施しました。 「絵本などの子どもが大好きな要素を取り入れたイベントの実施」「生徒同士で読んでいる本 を紹介しあい、新しい本を知れるといい」「本好きの同世代が集まり、お勧め本や本の魅力につい て話し合えるイベント」といった様々な意見がありました。 大人の部では「子どもたちが本を楽しく読めるようになるには」「本を介した交流や企画、ど んなイベントがあると本を読むきっかけになるか」のテーマに分かれてグループディスカッシ ョンを行いました。 「子どもたちが本を楽しく読めるようになるには」をテーマにしたグループからは「学校では 読み聞かせ、ストーリーテリングなど本の世界への興味を高める活動」「親子で参加できる読書 イベント(多様な生活スタイルに合うよう開催を工夫)があるといい」といった意見がありまし た。 また、「本を介した交流や企画、どんなイベントがあると本を読むきっかけになるか」をテー マにしたグループからは「読書会の活性化(多様なテーマでの開催、会情報を集約して発信、開催し たい人の支援)」「もっと読書の魅力を伝えたい、本について話せる機会がほしい」といった意見があ りました。 ●7月28日(戸塚区:戸塚地区センター) 【子どもの部と大人の部のグループディスカッションの様子を写した写真】 ●8月3日(都筑区:中川西地区センター) 【子どもの部と大人の部のグループディスカッションの様子を写した写真】 20頁 (3)第33期社会教育委員会議提言について 第33期社会教育委員会議の提言では、横浜市における視覚障害者等の読書環境の整備状況や読 書バリアフリー法の基本理念に関連する取組の実施状況を踏まえ、従来からの取組を今後も継続 的に実施するものなどを「基本的な取組」としました。 また、この「基本的な取組」を基盤とした上で、特に重点的に推進していくものを「重点取 組」として位置付けました。 【提言で示された基本的取組】 1 視覚障害者等が利用しやすい書籍等及び読書支援機器の拡充 ・視覚障害者等が利用しやすい書籍等や読書支援機器の拡充 ・市立図書館による視覚障害者等が利用しやすい書籍等の学校図書館への貸出 ・視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作人材の育成 2 視覚障害者等が利用しやすい書籍等を誰もが利用できる環境づくり ・市立図書館の活字資料での読書が困難な人へのサービスの対象拡大に関する周知 ・一般利用が可能な視覚障害者等が利用しやすい書籍等の周知 ・視覚障害者等の読書環境整備に必要な用具の給付 3 円滑な図書館利用のための合理的配慮 ・市立図書館における視覚障害者等へのサービスの充実 ・市立図書館の施設整備や改修における、視覚障害者等の円滑利用への留意 ・学校図書館における、児童生徒、教職員のニーズ等に応じた円滑な図書館利用のための支援 【提言で示された重点取組】 重点取組1 連携・協働による視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作 ・民間事業者等と連携した視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作 重点取組2 インターネットサービスの利用促進 ・「サピエ図書館」「国立国会図書館」のインターネットサービスの利用支援の充実 ・学校におけるインターネットサービス利用支援の充実 重点取組3 図書館職員、司書教諭、学校司書等の人材育成 ・市立図書館における職員の人材育成 ・学校における司書教諭、学校司書等の人材育成 重点取組4 効果的な広報・啓発戦略 ・各種支援情報の一元化・見える化 ・「誰一人取り残さない」ための情報発信 ・地域共生社会の実現に向けた読書バリアフリーへの理解促進 21頁 【コラム バリアフリー図書の紹介及び本市の取組について】 バリアフリー図書とは、障害の有無に関わらず、誰もが読書を楽しめるように作られた書籍のこ とです。このコラムでは、バリアフリー図書及び本市の取組を紹介します。 1 バリアフリー図書の紹介 「目で読む」「触って読む」「耳で読む」「耳と目で読む」に分けて紹介します。 【目で読む】 ●大活字本 目の見えにくい方にも読みやすいように、大きな文字で書 かれた本です。 ●LLブック やさしい言葉で分かりやすく書かれた本です。 ピクトグラム(絵文字)や写真・図を使って理解しやすく書 かれています。 【触って読む】 ●点字図書 点字に翻訳された本です。点を使って図や絵に表した ものを「点図」といいます。点字と点図を透明なシートに 打って、絵本に貼った「点訳絵本」もあります。紙の本の ほかに点字データもあります。 ●布の絵本・さわる絵本 布・革・毛糸などを用いて作られた絵本で、触って絵の 形が分かるようになっています。ボタンをとめたり、ひも を通すなどの仕掛けがあるものもあり、楽しみながら読む ことができます。 【布の絵本の写真『たのしいどうぶつえん』製作:よこはま布えほんぐるーぷ】 【耳で読む】 ●音声デイジー 本の内容を録音して音声にしたものです。図や写真の説明も 入っています。パソコンやタブレット・スマートフォン、専用 機器などを使って、読むことができます。 【デイジー再生専用機器 PLEXTALK PTR3(シナノケンシ株式会社)の写真 】 ●読み上げ対応の電子書籍・オーディオブック 電子書籍の中には、音声合成機能で読み上げられるものが あります。また、文字の大きさ・色・背景の色を変えることが できるものもあります。 オーディオブックは、本の内容を朗読した音声データです。 パソコンやタブレット、スマートフォンなどで聴くことができます。 22頁 【耳と目で読む】 ●マルチメディアデイジー 本の内容を録音した音声を、その部分の文字や画像をハイ ライトしながら一緒に読むことができます。パソコンやタブ レット、スマートフォンなどを使って読むことができます。 【パソコンでマルチメディアデイジーを再生している様子を写した写真   再生しているマルチメディアデイジーは、わいわい文庫2022 Ver.BLUE『三郎丸の大くすとカッパ』協力:福岡女子短期大学】 ●テキストデイジー 文字情報(テキストデータ)を音声合成機能で読み上げるも のです。パソコンやタブレット、スマートフォン、専用機器な どを使って読むことができます。パソコンやタブレットで再生 アプリケーションを使って読む場合は、文字の大きさや背景の 色を変えたりすることができます。再生アプリケーションによ っては、読み上げている部分をハイライトさせることもできます。 ●りんごの棚 りんごの棚とは、特別な配慮を必要とする子どもが利用しや すい本を集めた棚のことです。1993年にスウェーデンで始まり ました。棚の名前の由来は、言語障害のある子どものために作 られたりんごのおもちゃから付けられました。 本市の図書館では、大活字本、LLブック、点字図書、さわる 絵本などを展示しています。 【戸塚図書館のりんごの棚の写真】 2 本市の取組 ●読書バリアフリー展の開催 バリアフリー図書の体験等を通して、読書バリアフリーにつ いて分かりやすく伝える企画展示を、令和5年9月~10月に市 庁舎2階プレゼンテーションスペースで開催しました。その後、 中央図書館や各区の図書館でも開催しています。 アンケートでは、「色々な工夫がなされた本があることを知 り、勉強になった」といった感想をいただきました。 【読書バリアフリー展の様子を写した写真】 ●西区 学校向け「読書バリアフリーセット」の貸出(令和5 年度) 中央図書館では西区役所と連携して、市立小中学校向けに 「読書バリアフリーセット」を作成しました。 LLブック、点字やピクトグラムつきの絵本の他、マルチメ ディアデイジー、リーディングトラッカー(※)など、さまざ まな読書のカタチに児童生徒が出会えるよう、図書館司書が先 生に対し、本や機器の使い方を事前説明してから利用いただい ています。 ※リーディングトラッカー…読みたい特定の行に集中して読めるように、 両隣の行の文字を隠して読み進めることができる機器のこと。 【読書バリアフリーセットの写真】 23頁 第3章 計画の全体について 24頁 1 基本姿勢 第三次読書計画を推進するにあたっては、第二次読書計画の重点項目や取組等を継続しつつ、社会 環境の変化を踏まえ、地域資源やデジタル技術を活用して、アクセスしやすい環境づくりを進め市民 一人一人が文字・活字に親しめるよう、次の4つの基本姿勢を基に、読書活動を推進します。 1 デジタル社会に対応した読書環境の整備の推進 市民一人一人、誰もが文字・活字を楽しめる環境づくりに向けて、デジタルを活用した読書環 境を充実させ、紙媒体だけでなく電子書籍等を柔軟に選択することができるよう取り組みます。 ※本市では令和3年に図書館で電子書籍サービスを開始したことや、令和6年に株式会社ポプラ社と 協定を結び、小中学校9校で同社の運営する電子書籍読み放題サービスの「Yomokka!(よもっ か!)」を試行導入するなど、電子書籍の活用を推進しています。(P.25コラム参照) 2 区の地域性に応じた読書活動推進 地域性に応じた読書活動に対するニーズを捉えて、区役所・図書館・学校は連携して、区の活 動目標を定め、効果的な読書活動の取組を進めます。 3 協働・共創による読書活動推進 様々な主体と協働・共創の視点を持って連携し、互いの特性を生かしながら、横浜らしい読書 活動の推進に取り組みます。 4 読書活動推進を支える人材の育成 全ての市民が文字・活字文化の恩恵を受けることができるよう、デジタル技術に関する能力開発 も含めた人材育成に取り組みます。 【コラム 人材育成】 ●司書職人材育成ビジョンの策定(令和6年4月) 横浜市図書館ビジョンを実現するために、図書館の司書の活躍が期待されます。本・情報に関する 専門性を高めるだけでなく、デジタル活用や交流・協働・共創を進める能力を高めていくことは、変 化し続ける図書館を支えるために、司書の能力として欠かせないものです。そのため、司書職人材育 成ビジョンを令和6年4月に策定しました。第三次読書計画を進めるにあたっても、司書職人材育成 ビジョンに基づき人材育成に取り組んでいきます。 ●学校司書研修 学校図書館の運営、読書活動の推進、児童生徒理解に関する研修等を年度当初に行っています。年 間10回程度、学校図書館の環境整備や読書活動、授業支援等について学びます。講師には、指導主 事や市立図書館司書をはじめ、その専門の外部講師などを招いています。研修の内容に応じて、研修 形態を設定しています。また、司書教諭と合同で実施する研修では、自校の取組についての協議や共 通理解を図る時間を設定しており、協働・連携への意識をより高めています。 25頁 【コラム デジタル社会に対応した読書環境の整備について】 本市ではデジタル社会に対応した読書環境の整備を進めるべく、様々な取組を行っています。 ●図書館での電子書籍サービスの開始(令和3年3月) 市立図書館では、令和3年から電子書籍サービスを導入しています。横浜市に在住、在勤、在学の 方で、横浜市立図書館の有効な図書館カードをお持ちの方は、申込み不要で電子書籍を利用すること ができます。 電子書籍には次のようなメリットがあります。 【Point1】いつでもどこでも、あなたのいる場所が図書館に。 ・24 時間いつでもどこでも、好きな時に好きな場所で気軽に読書を楽しむことができ、読みたい、知 りたい、調べたい、に応えてくれる。 ・スマートフォンやパソコンがあれば利用できるので、返却時に沢山の本を抱えて図書館に来館する 必要がない。 【Point2】多様なコンテンツを提供 ・15,000点(令和5年度末時点)を超える様々なコンテンツを取り揃えている。 ・耳で読書を楽しむことができるオーディオブック、文字の拡大や色の反転機能、読み上げ対応がで きるテキスト版サイト、多言語対応しているコンテンツもある。 ・紙の本では市立図書館に所蔵していないコンテンツも多数取り揃えている。 【Point3】新たな読書体験 ・紙の本とは異なったラインナップ、様々な機能、スマートフォンや タブレット端末、パソコン等で利用できることにより、これまでの 紙の本での読書とは異なった、新たな読書体験を得ることができる。 ●Yomokkaの利用について(1人1台端末での電子書籍の活用) Yomokkaとは株式会社ポプラ社が“いつでも、どこでも、好きなだけ!”をコンセプトに、子どもた ちの読書環境を支え、新たな読書体験を提供することを目指した、読み放題型電子書籍サービスで す。サービス導入によるメリットは以下のとおりです。 【Point1】子どもが手に取れる本が増える! ・「いろいろな本を読みたい」という子どもたちの多様な興味に応えられる。 ・本の配架スペースを必要としないため、物理的な制約を受けずに利用でき る図書が増える。 【Point2】同じ本を何人でも同時に読める!授業等での活用の幅も広がる! ・1人1台端末を活用して、学校図書館以外の場所でも読書ができる。 ・クラス全員が同じ本を読んで感想を共有したり、朝の読書タイムや調べ学習等でも活用できる。 【Point3】多様な子どもたちの読書機会の確保! (読書バリアフリー) ・一部の電子書籍で文字の大きさ・色、背景の色を変えることができ、 図鑑なども拡大して見ることができる。 ・内容を音声で聴くことができる読み上げ機能が一部搭載されている。 学校図書館だけでなく、1人1台端末で教室など、朝読書や調べ学習、授業での活用も!どこでも 読書を楽しむことができます。デジタル社会に対応していくため、これからも様々な取組を進めてい きます。 26頁 2 計画体系 第三次読書計画は「子ども読書法」・「読書条例」・「読書バリアフリー法」の3つの法律・条例を踏 まえながら進めていくため、第二次読書計画から3つの根拠法令に合わせる形に再編し、3つの柱と 5つの施策で構成します。 柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進【子ども読書法】 1 学校における子どもの読書活動の推進 2 家庭・地域における子どもの読書活動の推進 柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実【読書条例】 3 利用しやすい図書館サービスの充実 4 読書に親しみ楽しむ機会の充実 柱3 読書バリアフリーの推進【読書バリアフリー法】 5 読書バリアフリーの推進 【第二次読書計画から第三次読書計画への再編イメージの図】 27頁 ●指標一覧 客観的な根拠に基づく読書活動を推進するため、計画期間内に実施した施策の成果等を測る一つの 基準として、次のとおり数値を設定します。 柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進 成果指標  指標①小中学校等の学校図書館の利活用の促進 a 来館者数(平均値) 直近の現状値(令和5年度)11,358人 目標値(令和10年度)11,500人 b 貸出冊数(平均値) 直近の現状値(令和5年度)7,098冊 目標値(令和10年度)7,500冊 指標②一日のうち読書を「している」と回答した小中 現状値68.0% 目標値70.0% 柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実 成果指標 指標①図書館における貸出冊数※ 直近の現状値(令和5年度)11,847,034冊 目標値(令和10年度)12,600,000冊 ※図書館での貸出(電子書籍の貸出を含む)及び広域相互利用による他都市での横浜市民への貸出を含む 指標②図書館におけるボランティア活動者延べ人数 直近の現状値(令和5年度)3,326人 目標値(令和10年度)4,200人 指標③多様な主体との協働・共創数 直近の現状値(令和5年度)441団体 目標値(令和10年度)500団体 柱3 読書バリアフリーの推進 図書館における活字資料での読書が困難な方へのサービス登録者数 直近の現状値(令和5年度)446人 目標値(令和10年度)500人 28頁 柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進 施策1 学校における子どもの読書活動の推進 ✦ 施策の目標・方向性 学校の教育課程の展開に寄与する学校図書館の機能を果たし、子どもの実態に応じて、授業での 学校図書館の利活用を推進します。 様々な他者と協働しながら子どもの読書機会を創出するとともに、子どもとともに創り上げる読 書活動の取組を推進します。 外国籍、外国につながる児童生徒や、個別支援を必要とする児童生徒数の増加により、読書のカタ チはより多様になることが想定されることから、子どもの読書環境の充実をより一層推進します。 ✦ 現状と課題 ・ 令和2年度「学校図書館の現状に関する調査」公表結果では、学校図書館図書標準の達成率の全 国平均が小学校71.2%、中学校61.1%であるのに対し、横浜市は、小学校11.9%、中学校35.7% と大幅に下回っている状況が見られます。ただし、図書標準に至らずとも、図書標準達成を目前 としている学校は多くあります。令和5年度の蔵書状況をみると、図書標準を100と考えたとき、 80を超える蔵書数をもつ学校が、小学校では約6割、中学校では約8割となっています。図書標 準達成に向け、適切な蔵書の更新を進めつつ、各校において継続して取り組んでいるところです。 令和2年度学校図書館の現状に関する調査公表結果図書標準達成率 小学校 全国71.2%     市(令和2年度)11.9%     市(令和5年度)14.5% 中学校 全国61.1%     市(令和2年度)35.7%     市(令和5年度)37.7% 《出典》令和2年度「学校図書館の現状に関する調査結果」及び横浜市教育委員会調べ ・ 各校の教育課程の展開に寄与する学校図書館の機能を果たすため、多様な子どもの実態に応じた 様々な図書を整備し、決して子どもの読書機会が奪われることのないよう、学校図書館の図書の 充実が求められています。学校における書架や図書は限られていることからも、図書館からの教 職員向け貸出や近隣校との図書の貸借についても、利用の方法を周知し、図書の活用が図られる ように継続した支援が必要です。 29頁 外国につながる児童生徒数は、(令和5年5月1日現在)1万人を超えており、令和2年度以降増 加傾向が続いています。さらに、個別支援学級に在籍する児童生徒数は、令和2年度の8,286名 と比較して、令和5年度には11,457名に増加しています。読むことに困難さを抱える児童生徒 や外国語を母語とする児童生徒が手に取れる図書を配架するなど、多様な子どもたちの読書機会 の確保につながるよう、読書環境のより一層の充実が求められます。 ・ 令和5年度横浜市学力・学習状況調査における生活意識調査では、「一日のうち読書を「してい る」と回答した市内小中学生」の割合は、第二次計画における当初値(平成30年度)との比較で は、学校司書の配置による効果から小学校74.7%、中学校56.9%と増加しました。一方、令和4 年度と令和5年度を比較すると、小学校においては横ばい、中学校においては減少傾向が見られ ます。国語における読書単元での本の紹介やポップ作りなど、学習を通して得た力は、委員会活 動や他教科等とも関連させながら発揮できるようにすることが大切であり、各教科等において も、様々な本や資料、新聞などから得た情報を活用する授業実践、学校の教育活動と図書とをつ なぐ取組や読書機会の創出の好事例は積極的に共有を図り、各校において参考・還元されること が望まれます。 ・ より多くの子どもたちが読書に親しむことができるよう、司書教諭・学校司書・ボランティアが 連携して行う読書活動や、学校内の読書環境整備、学校図書館の利活用の促進を引き続き進めて いくことに加えて、子どもたちの実現したい学校図書館像や読書活動について、子どもの声も積 極的に活用する取組を実施し、子どもとともに読書活動を推進していくことも必要です。 ・ 学校司書が全校に配置された平成28年度から、「学校図書館の平均貸出冊数」は令和元年度を除 き、常に7,000冊を超えています。また、「「学校図書館が好き」と答えた市内小中学生の割合」 は、70.6%(平成30年度)から78.8%(令和5年度)に大幅に増加しており、学校司書は子ど もの読書活動を支える大切な役割を担っているといえます。一方、社会の状況の変化が激しい時 代において、様々な図書による読書への案内、情報活用能力の育成支援等、各学校において必要 となる力は多岐にわたり、学校における教職員や子どもからのニーズも多様化しています。配置 から12年を迎え、多様な子どもたちのニーズに応えるためにも、学校司書は経験年数に応じて、 より一層のスキルアップを図る必要があります。 30頁 ✦ 主な取組 1 読書環境の充実 学校の教育課程の展開に寄与する学校図書館の蔵書構築を進め、適切にその更新や廃棄を行いな がら、子どもの実態に応じた様々な図書の整備に努めます。 また、図書館は学校図書館支援など学校との連携事業に取り組みます。 取組項目 ・ 一人一台端末を活用した電子書籍の導入 ・ 学校図書館の資料の充実 ・ 近隣校で学校図書館の相互利用の検討 ・ 図書館による学校図書館の図書選定支援、学校向け図書の貸出 ・ 学校や関係機関と連携し、児童生徒のニーズに合わせた支援事業を実施 2 読書への関心を高めるきっかけづくり 各校の実態に即して展開する各教科等における、様々な本や資料などから得た情報を活用する授 業実践や国語の読書単元での学習活動、学校の教育活動と図書とをつなぐ取組や読書機会の創出の 好事例等を、市内においてデータベース化し、各校が参考とすることで読書活動推進の機運をさら に高めます。 取組項目 ・ 学校図書館を活用した授業づくり ・ 本の紹介を行う取組など本に親しむきっかけとなる取組 ・ 児童生徒同士が本を紹介し合う取組 ・ 「はまっ子読書の日」等による読書活動の推進 3 多様な子どもたちの読書機会の確保 学校図書館は、読むことに困難さを抱える児童生徒や外国語を母語とする児童生徒が手に取れる 図書や、必要に応じてアクセシブルな図書を整備するなど、多様な子どもたちへの読書機会を確保 する工夫に努めます。(例 LLブック・点字・手話・多様性の本・マルチメディアデイジー用タブ レット端末等) また、日本語支援拠点施設「ひまわり」や国際教室、中学校夜間学級など、日本語の指導が必要 な児童生徒が読書に親しめるよう、学習に利用できる図書や、母語で読むことのできる図書の整備 に努めます。 図書館は、外国につながる児童生徒の読書活動を支援します。 取組項目 ・ 障害特性や発達段階に応じた読書環境の整備 ・ 図書館による学校への「母語セット」の貸出 31頁 4 子どもの視点に立った読書活動の推進 学校の児童会・生徒会活動等においても、子どもの目指す学校図書館像や取り組みたい読書活動 の実現に向けた、多様な他者との協働、自主的・実践的な取組、校種を超えた学校間での交流等、 子どもからの声を積極的に活用する取組を実施します。 取組項目 ・ 子どもの意見聴取の機会の確保 ・ 図書委員が参画した読書活動推進の取組 5 子どもの読書活動を支える人材の育成 多様な子どもたちへの読書機会確保のために、研修実施や事例発信により、司書教諭や学校司書 のスキルアップを図ります。校内における連携・協働を基盤として、多様な他者との連携・協働お よび情報共有を図り、学校図書館の利活用推進と読書活動推進に生かすための研修を実施します。 取組項目 ・ 学校図書館を活用した授業づくりや本に親しむきっかけとなる取組の先進事例の情報提供・情 報共有 ・ 図書館と連携した読み聞かせや本の修理等の学校ボランティア向け講座の開催 ・ 図書館と連携した、司書教諭・学校司書に対する研修の充実 32頁 施策2 家庭・地域における子どもの読書活動の推進 ✦ 施策の目標・方向性 区役所、図書館、学校が連携して、子ども達のニーズを共有し、子どもたちが求めている企画を実 施し、子どもが読書を身近に感じることができる機会を創出します。 また、家庭における読書活動が促進される取組を進めるとともに、図書館をはじめとする身近な 施設や地域において、子どもが読書に親しみ楽しむことができる機会を創出します。 ✦ 現状と課題 ・ 子どもの頃(就学前から中学時代)に読書活動が多かった人は、大人になっても1か月に読む本 の冊数が多い傾向があるとともに、子どもに読み聞かせをするなど、読書活動を通じた子どもと の関わりが多いことが分かっています。(国立青少年教育機構「子どもの読書活動と人材育成に関 する調査研究」報告書(平成25年)) 令和6年度に行った市民アンケートでは、今の読書習慣の開始時期が早い回答者ほど、「週に数冊 程度」の本を読む比率が高い傾向にありました。また、今の読書習慣の開始時期が早い回答者ほ ど、「週に3~4回程度」以上子どもと読書する比率が高い傾向にありました。 子どもの頃に読書習慣を身につけることが、生涯にわたって読書に親しみ、読書を楽しむ習慣を 形成する上で重要と言えます。子どもが読書習慣を身につけられるよう、家庭での読書活動が促 進される取組を行うとともに、図書館をはじめとする子どもにとって身近な場所(地域)におい て読書活動を推進する取組を行う必要があります。 ・ 乳幼児期から学齢期の子どもにとっては、身近な存在である保護者や、保育者等とともに読書に 親しむことが有効です。図書館では、乳幼児期の親子で参加するおはなし会の開催や乳幼児健診 等を活用した0~3歳児向けのわらべうたや絵本を紹介したブックリストの配布など、読み聞か せの大切さを伝える取組などを行ってきました。また、地域子育て支援拠点など地域の様々な施 設においても、ボランティア等との連携による読み聞かせ・おはなし会が行われており、今後も 身近な地域での取組が充実するよう、支援を行っていく必要があります。 ・ 学齢期の子ども向けに、図書館では、小学校(低・中・高学年)、中学生等、それぞれの年齢・ 年代向けにおすすめの本のブックリストを毎年度作成・配布しました。また、ホームページでの 毎月のおすすめの本の紹介や令和5年度からはティーンズ向けにインスタグラムでの情報発信 を開始しました。今後は、デジタル媒体を活用した情報提供の充実が必要です。 ・ 図書館が実施した子育て世代向けアンケート(令和5年1月)では、子育ての中で、子どもの本 選びに悩む声、おすすめの本を手軽に借りたいという声が多く寄せられました。これを受けて実 施した絵本の福袋などの企画は好評で、気軽に楽しく本が借りられる取組や、ホームページやSNS 33頁 等を通じた本の紹介などの情報提供を充実していく必要があります。 ・ 読書の楽しみを発信するとともに、多様な知や人・文化との出会いや体験を通して、子どもたち の「知りたい」「創りたい」を引き出すような取組が、子どもの読書意欲の向上につながります。 本と体験を通じて楽しく学べる機会を充実するためにも、子どもたちの発想や意見を生かし、子 どもが参画した取組を進めていくことが必要です。 ・ 国の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、「多様な子どもの読書活動を推進す るためには、多様な機関や人々の連携・協力が不可欠」とされており、保育所、幼稚園、市民利 用施設、ボランティア団体、大学、民間事業者など様々な主体との連携が求められています。 参考:乳幼児期の読み聞かせが、その後の読書活動に影響を与えるデータ 入学前の読み聞かせ日数別一日の読書時間(小学1年生~中学2年生追跡調査) 入学前に週4日以上読み聞かせ  小学1年 18.6分  小学2年 21.2分  小学3年 22.9分  小学4年 22.5分  小学5年 23.9分  小学6年 25.6分  中学1年 23.6分  中学2年 20.6分 入学前に週1~3日読み聞かせ  小学1年 13.4分  小学2年 13.8分  小学3年 14.4分  小学4年 16.1分  小学5年 17.1分  小学6年 19.7分  中学1年 15.8分  中学2年 13.7分  入学前に週一日未満読み聞かせ  小学1年 8.8分  小学2年 10.6分  小学3年 10.9分  小学4年 13.4分  小学5年 16分  小学6年 15.9分  中学1年 15.5分  中学2年 11.3分 ≪出典≫「子どもの生活と学びに関する親子調査」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)調査年:平成27年から令和4年 34頁 ✦ 主な取組 1 読書環境の充実 図書館は、乳幼児期から小・中・高校生世代まで、子どもたちの年齢ごとの興味関心に応じた子 どもの本を充実します。また、子育て世代が図書館を利用しやすいサービスを検討します。 取組項目 ・ 図書館の子どもの本の充実 ・ 子どもと保護者が利用しやすいサービスや居心地のよい空間の提供 ・ 子育て世代に適した情報発信 ・ デジタル技術等を活用した、読書に興味を持ってもらうための仕組みづくり ・ 企業等と連携した子ども向けの本の検索サービスの提供 2 読書への関心を高めるきっかけづくり ➀ 乳幼児期 乳幼児がはじめて本と出会う場所として、子どもと保護者が読書に親しめる機会を提供します。 取組項目 ・ 子どもと保護者が楽しめるおはなし会等のイベントの充実 ・ 子どもの成長に合わせた年齢別のブックリストの提供と活用事業 ・ 手軽に借りることのできる乳幼児向け絵本セットの提供 ・ 地域子育て支援拠点との連携や育児教室などの機会を活用した子どもと保護者で本に親しむこ との大切さを伝える取組の実施 3 読書への関心を高めるきっかけづくり ② 小・中・高校生世代 読書を通じて知識と体験をつなぎ、子どもたちの「知りたい」「創りたい」気持ちを引き出し、子 どもたちの読書と学びを支えます 取組項目 ・ 学齢期に合わせたブックリストの作成(または提供)と活用事業 ・ SNS等を活用した情報発信 ・ 読書の楽しさに関連した「知りたい」「創りたい」気持ちを引き出す体験型イベントの開催 ・ 学校と図書館が連携した、図書館の登録・利用促進キャンペーンの検討・実施 ・ 小・中・高校生世代が参画する企画事業等の実施 4 多様な子どもたちへの読書機会の確保 読む・知る・体験することへのバリアを取り除き、多文化共生の視点も含めて多様な子どもたち のニーズに応じた読書機会を提供します。 取組項目 ・ やさしい言葉で分かりやすく書かれた本やさわる本などを集めた「りんごの棚」の図書館全館 での設置 ・ 多様な子どもたちを対象とした読書活動の推進 ・ 多言語の児童書やバリアフリー絵本などの充実 35頁 5 子どもの視点に立った読書活動の推進 子どもの視点に立った読書活動の推進の取組を行います。また、子どもが参画した読書活動事業 を進めます。 取組項目 ・ 子どものアイディアを取り入れた企画事業等の実施 ・ 小・中・高校生世代が参画する企画事業等の実施 6 身近な地域における子どもの読書活動の促進 身近な市民利用施設や子育て関連施設等での読書活動を促進するため、子どもの本の選書支援や グループ貸出、協働・共創による子ども向け読書イベントの実施などに取り組みます。 取組項目 ・ 図書館の団体貸出、グループ貸出を活用した市民利用施設や子育て関連施設等への支援 ・ 市民利用施設や子育て関連施設等との連携による子ども向けの読書イベントの開催 7 子どもの読書活動を支えるボランティアの育成 図書館や市民利用施設等での読み聞かせなど、身近な地域における読書活動を進めるため、活動 を支えるボランティアの育成・支援を行います。また、読み聞かせ、朗読等ボランティアに対して、 活動を行う場所や機会に関する情報提供などを行います。 取組項目 ・ 読み聞かせ、朗読等ボランティア向けサポートツールの作成・提供 ・ 生涯学習・市民活動支援センターと連携した、ボランティアへの活動場所の紹介 【コラム のげやま子ども図書館について】 令和6年1月に、野毛山地区の新たな魅力創出に向け、「誰もが学び、楽しみ、交流し、理解しあ えるインクルーシブなまちづくりの展開」をエリアコンセプトとした「のげやまインクルーシブ構 想」が発表されました。このコンセプトに基づき、中央図書館の1階を、親子連れや子どもたちが 楽しく学べる、居心地の良い「のげやま子ども図書館」としてリニューアルします。 乳幼児とその保護者が安心して遊び、絵本を読んで過ごすことができる「おやこフロア」を、1 階レストランフロアに先行整備し、その後、1階図書館フロアを親子連れや子どもたちが楽しく学 べる「子どもフロア」として整備します。 【のげやま子ども図書館(おやこフロア)のイメージパース】 ※ イメージ図であり、今後一部変更する場合があります。 36頁 柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実 施策3 利用しやすい図書館サービスの充実 ✦ 施策の目標・方向性 市民一人一人が読書に親しみ、必要な情報を得ることができる「知の拠点」として、図書館の蔵 書、提供する情報を充実するとともに、居心地よく過ごすことができる場を提供していきます。ま た、デジタル技術を積極的に導入し、図書館を利用したことのない方々にも興味・関心を持ってもら うきっかけとします。 加えて、身近で便利な場所での図書館サービスの提供を進めます。 ✦ 現状と課題 ・ 図書館は、すべての人が知識や情報を得ることができる権利を保障する、大切な役割を担ってお り、楽しみのための読書を始め、市民の調査研究や課題解決に役立つよう、すべての分野にわた って本や情報を収集・蓄積しています。図書館の蔵書は約410万冊ありますが、今後も、各図書 館が地域の特性を踏まえた特色あるコレクション(図書館が提供する蔵書や情報)を持ち、図書 館全体として、幅広くバランスの良い蔵書の構築と、活字だけでない多様な情報の収集が必要で す。 ・ 電子書籍は、令和5年度末時点でコンテンツ数約1万5千点を提供し、令和5年度の年間利用件 数は約16万件ありました。また、開港期に発行された浮世絵や絵葉書などを画像データ化し、 デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」としてインターネットで公開しています。今後も電子書 籍やデジタルアーカイブなど、24時間自宅などから利用できるサービスのニーズに応えるために もコンテンツを充実していく必要があります。 ・ 本や情報の充実とともに、司書によるレファレンス、おすすめの本や課題解決に役立つ情報の提 供など、本と人をつなぐための情報提供も重要です。今後も、便利に情報が得られるようにホー ムページやSNSを活用した情報提供を一層進める必要があります。 ・ 令和6年1月に新しい図書館情報システムが稼働し、オンラインでのデジタル図書館カードの発 行やAIによる蔵書探索など新機能を備えました。デジタルを活用した情報サービスの充実にあ わせて、市民の情報リテラシーの支援が重要になってきます。 ・ 図書館サービスへのアクセスを向上させるためには、図書館以外の場所で図書館の本を借りるこ とができる図書取次所の拡充や移動図書館の巡回場所の最適化などを進めていく必要がありま す。 37頁 ✦ 主な取組 1 市民の読書と課題解決に役立つ蔵書と情報の充実 中央図書館・地域図書館それぞれが、地域の特性を踏まえ、市民の読書や課題の解決に応える本 やデジタル情報を収集し、図書館全体として、幅広くバランスの良い蔵書を構築します。さらに、 本や様々な情報を市民の皆様につなぎ、図書館との接点を増やすために、ホームページやSNS等の 多様な情報ツールを活用するとともに、関係区局や外部機関等との連携・協働により、課題解決に 向けた情報発信や関連事業等を行います。 取組項目 ・ 地域の特性を踏まえた特色ある蔵書の充実 ・ 読書や調べものに役立つブックリスト・調べ方案内などの情報提供の充実 ・ SNS等を活用した本や図書館の企画事業等の情報発信の充実 ・ レファレンス事例集の充実 ・ オンラインデータベースの充実 ・ 関係区局や外部機関等との連携・協働した地域の課題解決に向けた講演会・展示会等の実施 2 デジタルを活用したサービスの充実 デジタル技術を活用し、いつでもどこでも利用できる図書館サービスや読書活動につながる新た な仕組みを提供します。デジタルコンテンツの充実を進めるとともに、デジタルコンテンツを利用 するための情報リテラシー支援に取り組みます。 取組項目 ・ 電子書籍の充実 ・ デジタルアーカイブの充実 ・ 手続きやレファレンスのオンライン活用の推進 ・ 蔵書検索や電子書籍の使い方案内や情報リテラシー向上のための講座等の実施 ・ 動画等を活用したサービス案内の実施 ・ 読書活動につながるデジタルサービスの提供 3 身近で便利な図書館サービスの拡充 図書館以外の場所でも、図書館の本を借りることができるよう、サービスを拡充します。また、 地域に出向いて図書館サービスを提供する移動図書館を活用した図書館サービスを提供します。 取組項目 ・ 図書取次所の拡充 ・ 移動図書館の定期巡回と地域のイベント等への特別運行の実施 38頁 施策4 読書に親しみ楽しむ機会の充実 ✦ 施策の目標・方向性 図書館でのイベントの開催等のほか、市民利用施設、書店など地域の様々な主体と連携し、読書に 親しみ楽しむ機会となる取組を充実していきます。 また、本には、人と人とがつながり、新たな活動が行われる可能性があることから、本を介した交 流や学びあいを促進する機会をつくります。 ✦ 現状と課題 ・ 国が全国の16歳以上の男女を対象に実施した調査では、1か月に1冊も本を読まないと回答した 割合が62.6%と、半数以上の人が1か月に1冊も本を読んでいない状況です。普段読書をしない 方に、読書への関心を高めていただける機会をつくることが求められています。 1か月に読む本の冊数 読まない 62.6% 1.2冊 27.6% 3.4冊 6.0% 5.6冊 1.5% 7冊以上 1.8% 無回答 0.5% 《出典》「国語に関する世論調査」(文化庁) 調査年:令和5年 対象:全国16 歳以上の男女 ・ 第31期横浜市社会教育委員会議からは、「本を読み、その体験を語り合う場はいわゆる「地域の居 場所」「人と人との交流の場」として大きな可能性があり、このような場をさらに充実させていく ことが地域のコミュニティづくりに寄与する」との提言がなされ、本や読書を介して人と人がつな がるような取組が求められています。 ・ 「横浜市図書館ビジョン」では基本方針3まちとコミュニティのための図書館として、「市民、団 体、企業等が持つ情報・知識を集め、協働・共創により地域の魅力を引き出し、人々の暮らしの豊 かさと地域の課題解決を支援する、まちづくりのプラットホームになる」ことを目指しています。 図書館は本と出会う場であるだけでなく、交流や学びあいの場としての役割も担っていくために、 協働・共創を進め、地域の情報の発信と交流を生み出す取組を進める必要があります。 ・ 地域特性に応じたニーズを捉え、効果的な読書活動推進の取組を進めるために、区は、第二次読書 計画に引き続き市民利用施設や読書活動推進団体等との効果的な連携を行う必要があります。「読 み聞かせ、朗読等ボランティアの活動人数(図書館と連携した事業)」は、平成 24 年度以降、増 加傾向にありましたが、令和元年度以降は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により減少して います。読み聞かせ等のスキルアップのための講座の開催や、ボランティア活動を行う場所や機会 に関する情報提供などの支援の重要性が高まっています。 39頁 ✦ 主な取組 1 本と出会う機会の創出 全市的な取組として、民間企業・書店など地域の様々な主体と連携し、読書に繋がる多様なき っかけを提供します。 区では、イベントの開催のほか、区内の本を利用できる場所等を紹介する取組を行います。 取組項目 ・ 読書イベントの開催 ・ 読書の日(毎月23日)、読書活動推進月間(11月)に合わせたイベント等の開催 ・ 読書活動推進月間の広報・啓発活動の拡充 ・ 区の読書マップなど本にふれる機会となる場所等の紹介 ・ 「二十歳の市民を祝うつどい実行委員会」と連携した本と出会う機会の創出 2 本を介した交流や学びあい 本には、人と人とがつながり、新たな活動が行われる可能性があることから、本を介した交流や 学びあいを促進する機会をつくります。 取組項目 ・ 本を介した交流を生み出すイベントの開催 ・ 市民、団体、企業等と連携・協働したまちの魅力発見イベントの開催 ・ オンラインサービスの充実による新たな本の出会いや交流機会の創出 ・ シニアに役立つ情報の収集や学びの機会の提供 3 身近な地域における読書活動の促進 地域全体で効果的な読書活動推進を図るため、市民利用施設や読書活動団体等との情報交換の場 や機会を設け、地域における連携を進めます。また、市民、団体、企業等との協働・共創による地 域の読書活動推進の取組を進めます。 取組項目 ・ 市民利用施設や読書活動団体との連携のための情報交換の場や機会づくり ・ 市民利用施設等における読書活動への支援(グループ貸出、選書情報の提供など) ・ 市民利用施設等との連携による読書イベントの開催 ・ ボランティア団体、大学、企業など多様な主体と連携した読書活動の推進 ・ 国際交流ラウンジ等と連携し、多文化共生を進める読書活動の推進 40頁 4 読書活動推進を支えるボランティアの育成 身近な地域における読書活動を推進するため、図書館、市民利用施設等で活動する、読み聞かせ、 朗読等ボランティアの育成・支援を行います。 取組項目 ・ 読み聞かせ等ボランティアの育成・支援 ・ 生涯学習・市民活動支援センターと連携したボランティアへの活動場所の紹介 ・ 読書活動推進団体、ボランティア交流会等の実施 【コラム 読書の多様な楽しみ方について】 読書には多様な楽しみ方が存在します。 市民アンケートで読書の多様な楽しみ方についての経験の有無を聞いたところ、「知人や家族と 読んだ本について話す」の比率が最も高く(76.7%)、「おはなし会や朗読会に参加する」 (27.4%)、「読書ノートや読書管理アプリに記録する」(17.7%)との回答が続きました。 市民ワークショップでは、「誰かと一緒に読む」という行為は、普段馴染みのない分野や難易度 の高い本を読むきっかけにもなるとの意見がありました。 また、読書ノートについて、ノートの活用、スマホのメモ機能の活用、PCでの記録など様々な やり方で読書ノートをつけている声が挙げられ、SNS(X)に読書記録を投稿し、色んな方と交流 するという楽しみ方を実践している方もいました。 「他の人との交流は、個々の読書生活を見直したり、広げたり、深めたりするために必要不可 欠な過程(※)」とも言われています。本市では、複数の区が読書ノートを作成しており、ホーム ページからダウンロードすることもできます。多くの市民の皆様に、読書を様々な形で楽しんで いただけるよう、取組を進めてまいります。 ※参考文献 杉本直美.読書生活をひらく「読書ノート」.全国学校図書館協議会,2013,53p 41頁 柱3 読書バリアフリーの推進 施策5 読書バリアフリーの推進 ✦ 施策の目標・方向性 視覚障害者等(視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍について視覚によ る表現の認識が困難な方)の読書環境の整備に取り組みます。 ✦ 現状と課題 ・ バリアフリー図書の製作は、主に図書館等が養成した図書館協力者やボランティアが担ってい ますが、担い手の高齢化などの課題があり、製作人材の確保が必要です。製作人材の確保にあ たっては、ボランティアのみに頼ることなく、様々な方策の検討が求められています。 ・ 一人ひとりのニーズに応じた支援を行うためには、障害特性と障害者サービスの内容を理解し支 援方法を習得することが重要です。また、人材育成の対象は、図書館司書、司書教諭、学校司書 に加えて、視覚障害者等と接する図書館や学校に関わる人たちにも広げる必要があります。 ・ 視覚障害等により読書や図書館利用を諦めてしまっている人に対する働きかけも求められてい ます。 ・ 読書バリアフリーに関連する制度やサービスなどの各種支援情報は点在しているため、視覚障害 者等が必要な情報にたどり着くまでに相当な時間を要し、十分に情報が行き渡っていない状況に ありました。そこで、令和5年度に、読書バリアフリーの情報を一元化したサイトを開設し、周 知を行いました。引き続き、必要とする人に的確に届くための効果的な広報・啓発が必要です。 また、図書館における活字資料での読書が困難な人へのサービスの対象に新たに加わった、発達 障害、肢体不自由の障害者等に情報が行き渡るよう配慮が必要です。 ・ 本市では、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の購入や製作に引き続き取り組みます。 42頁 ✦ 主な取組 1 読書バリアフリーの基盤づくり 図書館、学校図書館でのバリアフリー図書、読書支援機器の拡充や、円滑な図書館利用のための 合理的配慮を行います。 取組項目 ・ 図書館、学校図書館における録音図書等や読書支援機器の購入 ・ 図書館によるバリアフリー図書の学校図書館への貸出 ・ 点訳・音訳奉仕員の育成 ・ 視覚障害者等の読書環境整備に必要な用具の給付 ・ 学校図書館における、児童生徒、教職員のニーズ等に応じた円滑な図書館利用のための支援 2 バリアフリー図書の製作 バリアフリー図書の製作にあたっては、図書館協力者やボランティアに加えて、民間事業者等と の連携・協働等による製作に取り組みます。 取組項目 ・ バリアフリー図書の製作に向けた出版社や大学等への働きかけ ・ 障害者就労施設等と連携した図書館におけるバリアフリー図書の製作 ・ バリアフリー図書(デイジー図書)製作人材の育成 3 視覚障害者等向けインターネットサービスの利用促進 全国の点字図書館、公共図書館で製作された視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等が集約され た「サピエ図書館」や「国立国会図書館」のインターネットサービスの利用支援に取り組みます。 取組項目 ・ インターネットサービスの操作方法、検索方法などに関する相談対応、講習などの支援 ・ 学校における、司書教諭、学校司書などへの研修等を通じた、児童生徒のインターネットサー ビス利用支援 4 図書館司書、司書教諭、学校司書等の人材の育成 読書に困難のある方の一人ひとりのニーズに応じた支援を行うことができる図書館司書、司書教 諭、学校司書等を育成します。 取組項目 ・ 図書館における司書をはじめとした職員の人材育成のため、視覚障害者等との交流や読書支援 機器の操作体験など、障害特性の理解促進や支援方法を学ぶための取組 ・ 学校における、司書教諭や学校司書をはじめとした教職員に対する研修や先進事例の共有、視 覚障害者等との交流など、障害特性の理解促進や支援方法を学ぶための取組 43頁 5 効果的な広報・啓発戦略 読書バリアフリーに関する情報にアクセスしやすくするために、必要な人に情報が行き渡るよ うに的確な広報を行います。また、障害の有無に関わらず市民が読書バリアフリーの理解を深 め、助け合い・支え合いの機運を醸成するために各種啓発活動を実施します。 取組項目 ・ 支援情報を集約したホームページを活用した横断的な庁内支援体制の整備 ・ 視覚障害者等が日頃よく利用する施設や機関などでの幅広い広報、視覚障害者等への情報提供 に関する支援者への働きかけ ・ 図書館、学校での知識や情報を得る機会の充実 ・ 身近な施設や地域イベント等での、バリアフリー図書を体験する機会の提供や読書バリアフ リーへの市民理解の促進 ・ 児童生徒同士の支え合いに関する理解の促進 44頁 資料編 45頁 1 関連法令(子ども読書法、読書条例、読書バリアフリー法) ○子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年12月12日法律第154号) ―以下、一部抜粋― (地方公共団体の責務) 第4条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子ども の読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (子ども読書活動推進基本計画) 第8条 政府は、子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子どもの読 書活動の推進に関する基本的な計画(以下「子ども読書活動推進基本計画」という。)を策定しなけ ればならない。 2 政府は、子ども読書活動推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するととも に、公表しなければならない。 3 前項の規定は、子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。 (都道府県子ども読書活動推進計画等) 第9条 都道府県は、子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における子どもの 読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該都道府県における子どもの読書活動の推進に関する施策に ついての計画(以下「都道府県子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければな らない。 2 市町村は、子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策定されているとき は、子ども読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進計画)を基本とするとともに、 当該市町村における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該市町村における子どもの読書 活動の推進に関する施策についての計画(以下「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定 するよう努めなければならない。 3 都道府県又は市町村は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画を策 定したときは、これを公表しなければならない。 4 前項の規定は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画の変更につい て準用する。 ○横浜市民の読書活動の推進に関する条例(平成25年6月5日条例第31号) (目的) 第1条 この条例は、市民の読書活動の推進に関し、基本理念を定めるとともに、横浜市(以下「市」とい う。)の責務並びに家庭、学校(市立の小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校をいう。以下同 じ。)及び地域における取組等を定めることにより、市民の読書活動の推進に関する施策を総合的か つ計画的に推進し、もって市民一人一人の心豊かな生活及び活力ある社会の実現に資することを目 的とする。 (基本理念) 第2条 市は、読書活動が、言葉を学び、感性を磨き、表現力、創造力等を高め、又は豊かなものにし、人生 をより深く生きる力を身に付ける上で大切なものであることに鑑み、乳幼児期から高齢期まで、市 民一人一人が、豊かな文字・活字文化の恵沢を享受することができる環境を整備するよう、全力を 挙げて市民の読書活動を推進しなければならない。 (市の責務) 第3条 市は、前条に定める基本理念にのっとり、市民の読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施 する責務を有する。 2 市は、前項の施策を実施するに当たっては、区の地域性に応じて、読書活動の推進を図るための目 標を定めるものとする。 (家庭における取組) 第4条 家庭における読書活動は、本の感想を話し合うなど、読書の楽しさを共有することにより、読書活 動がより身近に感じられるよう努めるものとする。 (学校における取組) 第5条 学校は、それぞれの学校の特性並びに児童及び生徒の発達段階に応じ、読書活動の推進に関する計 画を策定し、当該計画に基づき、学校図書館を中核として児童及び生徒の読書活動の推進に努めな ければならない。 (地域における取組等) 第6条 地域における読書活動は、学校、市立図書館、地区センター、コミュニティハウスその他の読書活 動に関係する施設又はボランティア活動を行う団体と連携し、日常的な読書活動の推進に資するよ 46頁 う努めるものとする。 2 市は、市立図書館がその使命を全うするため、蔵書の充実その他運営の改善及び向上等に寄与する 措置を講ずるものとする。 3 市は、民間団体及び事業者に対し、市が実施する市民の読書活動の推進に関する施策又は家庭、学 校若しくは地域における読書活動に関する取組に協力するよう要請するものとする。 (他の計画等との整合性の確保) 第7条 市が実施する市民の読書活動の推進に関する施策及び目標並びに家庭、学校及び地域における読書 活動に関する取組等については、子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年法律第154号) その他の法令に基づく読書活動に関する計画等との整合性の確保を図るものとする。 (市民の読書の日等) 第8条 読書活動に関する市民の関心及び理解を深めるとともに、市民が積極的に読書活動に取り組む意欲 を高めるため、毎月23日を市民の読書の日とし、毎年11月を市民の読書活動推進月間とする。 (財政上の措置等) 第9条 市は、市民の読書活動の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講 ずるものとする。 (委任) 第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が定める。 附 則 この条例は、平成26年4月1日から施行する。 ○視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(令和元年6月28日法律第49号) ―以下、一部抜粋― 第一章 総則 (目的) 第1条 この法律は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公 共団体の責務を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の視覚障害者等の読書環境の整備の 推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、視覚障害者等の読書環境の整備を総合 的かつ計画的に推進し、もって障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活 字文化(文字・活字文化振興法(平成十七年法律第九十一号)第二条に規定する文字・活字文化を いう。)の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的とする。 (定義) 第2条 この法律において「視覚障害者等」とは、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、 書籍(雑誌、新聞その他の刊行物を含む。以下同じ。)について、視覚による表現の認識が困難な者 をいう。 2 この法律において「視覚障害者等が利用しやすい書籍」とは、点字図書、拡大図書その他の視覚障 害者等がその内容を容易に認識することができる書籍をいう。 3 この法律において「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」とは、電子書籍その他の書籍に相当 する文字、音声、点字等の電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識す ることができない方式で作られる記録をいう。第十一条第二項及び第十二条第二項において同じ。) であって、電子計算機等を利用して視覚障害者等がその内容を容易に認識することができるものを いう。 (基本理念) 第3条 視覚障害者等の読書環境の整備の推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。 1 視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等が視覚障害者等の読書に係る利便性の向上に著しく資する 特性を有することに鑑み、情報通信その他の分野における先端的な技術等を活用して視覚障害者等 が利用しやすい電子書籍等の普及が図られるとともに、視覚障害者等の需要を踏まえ、引き続き、 視覚障害者等が利用しやすい書籍が提供されること。 2 視覚障害者等が利用しやすい書籍及び視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(以下「視覚障害者 等が利用しやすい書籍等」という。)の量的拡充及び質の向上が図られること。 3 視覚障害者等の障害の種類及び程度に応じた配慮がなされること。 (地方公共団体の責務) 第5条 地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。 第二章 基本計画等 (地方公共団体の計画) 第8条 地方公共団体は、基本計画を勘案して、当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備 47頁 の状況等を踏まえ、当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画 を定めるよう努めなければならない。 2 地方公共団体は、前項の計画を定めようとするときは、あらかじめ、視覚障害者等その他の関係者 の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 3 地方公共団体は、第一項の計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければなら ない。 4 前二項の規定は、第一項の計画の変更について準用する。 第三章 基本的施策 (視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等) 第9条 国及び地方公共団体は、公立図書館、大学及び高等専門学校の附属図書館並びに学校図書館(以下 「公立図書館等」という。)並びに国立国会図書館について、各々の果たすべき役割に応じ、点字図 書館とも連携して、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、視覚障害者等が利用しやすい書籍 等の円滑な利用のための支援の充実その他の視覚障害者等によるこれらの図書館の利用に係る体制 の整備が行われるよう、必要な施策を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、点字図書館について、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、公立図 書館等に対する視覚障害者等が利用しやすい書籍等の利用に関する情報提供その他の視覚障害者等 が利用しやすい書籍等を視覚障害者が十分かつ円滑に利用することができるようにするための取組 の促進に必要な施策を講ずるものとする。 (インターネットを利用したサービスの提供体制の強化) 第10条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等がインターネットを利用して全国各地に存する視覚障害者等 が利用しやすい書籍等を十分かつ円滑に利用することができるようにするため、次に掲げる施策そ の他の必要な施策を講ずるものとする。 一 点字図書館等から著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十七条第二項又は第三項本文の規 定により製作される視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(以下「特定電子書籍等」という。)で あってインターネットにより送信することができるもの及び当該点字図書館等の有する視覚障害者 等が利用しやすい書籍等に関する情報の提供を受け、これらをインターネットにより視覚障害者等 に提供する全国的なネットワークの運営に対する支援 二 視覚障害者等が利用しやすい書籍等に係るインターネットを利用したサービスの提供についての国 立国会図書館、前号のネットワークを運営する者、公立図書館等、点字図書館及び特定電子書籍等 の製作を行う者の間の連携の強化 (特定書籍及び特定電子書籍等の製作の支援) 第11条 国及び地方公共団体は、著作権法第三十七条第一項又は第三項本文の規定により製作される視覚障 害者等が利用しやすい書籍(以下「特定書籍」という。)及び特定電子書籍等の製作を支援するため、 製作に係る基準の作成等のこれらの質の向上を図るための取組に対する支援その他の必要な施策を 講ずるものとする。 (端末機器等及びこれに関する情報の入手の支援) 第14条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等を利用するための端末機器等及び これに関する情報を視覚障害者等が入手することを支援するため、必要な施策を講ずるものとする。 (情報通信技術の習得支援) 第15条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等を利用するに当たって必要となる 情報通信技術を視覚障害者等が習得することを支援するため、講習会及び巡回指導の実施の推進そ の他の必要な施策を講ずるものとする。 (人材の育成等) 第17条 国及び地方公共団体は、特定書籍及び特定電子書籍等の製作並びに公立図書館等、国立国会図書館 及び点字図書館における視覚障害者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用のための支援に係る人 材の育成、資質の向上及び確保を図るため、研修の実施の推進、広報活動の充実その他の必要な施 策を講ずるものとする。 48頁 2 第33期社会教育委員会議提言 ―以下、一部抜粋―(提言の全文は本市のホームページをご覧ください。) https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/hokokusho/shakaikyoiku/shakaikyoiku.html 提言 横浜市における視覚障害者等の読書環境の整備状況や読書バリアフリー法の基本理念に関連する取組の実 施状況を踏まえ、従来からの取組を今後も継続的に実施するものなどを「基本的な取組」とします。この「基 本的な取組」を基盤とした上で、特に重点的に推進していくものを「重点取組」として位置付けます。 (1)基本的な取組 ア 視覚障害者等が利用しやすい書籍等及び読書支援機器の拡充 ・市立図書館および学校図書館において、視覚障害者等が利用しやすい書籍等や読書支援機器を 拡充すること。 ・市立図書館が所蔵する視覚障害者等が利用しやすい書籍等について、学校図書館への貸出を行 うこと。 ・市立図書館および健康福祉局において、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作人材を育成 すること。 (音声デイジーの製作等を行う図書館協力者に対するスキル向上のための研修、点 訳・音訳奉仕員の養成) イ 視覚障害者等が利用しやすい書籍等を誰もが利用できる環境づくり(著作権法第37条により製 作される書籍等は、同法により利用対象が「視覚障害者等」に限定される。) ・市立図書館において、活字資料での読書が困難な人へのサービスの対象を発達障害、肢体不自 由その他の障害により、書籍について視覚による表現の認識が困難を伴う「視覚障害者等」に 拡大したことについて、周知を行うこと。 ・一般利用が可能な視覚障害者等が利用しやすい書籍等について、障害の有無に関わらず誰もが 利用できる事に関して周知を行うこと。 ・障害福祉サービス(日常生活用具給付等事業)として、デイジー再生機器など視覚障害者等の 読書環境の整備に必要な用具の給付を行うこと。 ウ 円滑な図書館利用のための合理的配慮 ・市立図書館において、レファレンスサービスで回答した資料のプレーンテキストでの提供や、 蔵書検索の使い方の相談など、視覚障害者等へのサービスを充実すること。 ・市立図書館の施設整備や改修にあたっては、来館時や施設内での移動のしやすさ、トイレなど の設備やわかりやすいサインの設置など、視覚障害者等の円滑な利用に留意すること。 ・学校図書館において、児童生徒、教職員のニーズ等に応じた円滑な図書館利用のための支援を 行うこと。 (2)重点取組について 横浜市の特徴や、インクルーシブ教育などの視点を踏まえて、多様な主体との連携・協働を推進しな がら、4つの重点取組を行うものとします。 《重点取組1》連携・協働による視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作 【背景(必要性)】 ・視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作は、主に市立図書館等が養成した図書館協力者やボランティア が担っていますが、担い手の高齢化などの課題があり、製作人材の確保が必要です。 ・製作人材の確保にあたっては、ボランティアのみに頼ることなく、様々な方策の検討が求められています。 【施策】 民間事業者等と連携した視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作 ・視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作工程の分担など、出版社や大学等へ連携の働きかけを行うこと。 ・市立図書館が実施しているテキストデイジーの製作においては、障害者就労施設等と連携を進めて迅速な 提供に取り組むこと。 《重点取組2》インターネットサービスの利用促進 【背景(必要性)】 ・人口規模の大きい横浜市においては、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の購入や製作に取り組むと ともに、全国の点字図書館、公共図書館で製作された視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等が集約され た「サピエ図書館」や「国立国会図書館」のインターネットサービスの利用を促進することが有効です。 ・インターネットサービスの利用促進にあたっては、視覚障害者等のデジタルデバイド(情報格差)の解消 が必要です。 49頁 ・「横浜市におけるGIGAスクール構想」に基づき、市立学校において、1人1台端末が整備されており、 ICT支援員も各校へ派遣されていることから、学校におけるインターネットサービスの活用が期待され ています。 【施策】 1 「サピエ図書館」「国立国会図書館」のインターネットサービスの利用支援の充実 市立図書館や健康福祉局等において、サピエ図書館や国立国会図書館のインターネットサービスの操作 方法や検索方法に関する相談対応、講習などの支援を行うこと。 2 学校におけるインターネットサービス利用支援の充実 司書教諭、学校司書などへの研修等を通じて、視覚障害等のある児童生徒が、サピエ図書館や国立国会 図書館のインターネットサービスを円滑に利用するための、支援を充実すること。 《重点取組3》図書館職員、司書教諭、学校司書等の人材育成 【背景(必要性)】 ・一人ひとりのニーズに応じた支援を行うためには、障害特性や障害者サービスの内容を理解し支援方法を 習得することが重要です。また、人材育成の対象は、図書館司書、司書教諭、学校司書に加えて、視覚障 害者等と接する市立図書館や学校に関わる人たちにも広げる必要があります。 【施策】 1 市立図書館における職員の人材育成 市立図書館の職員に対して、視覚障害者等との交流や読書支援機器の操作体験など、障害特性の理解促進 や支援方法を学ぶための取組を実施すること。 2 学校における司書教諭、学校司書等の人材育成 司書教諭や学校司書をはじめとした教職員に対して、市立図書館等との連携による研修や先進事例の共 有、視覚障害者等との交流など、障害特性の理解促進や支援方法を学ぶための取組を実施すること。 《重点取組4》効果的な広報・啓発戦略 【背景(必要性)】 ・読書バリアフリーに関連する制度やサービスなどの各種支援情報は点在しているため、視覚障害者等が重 要な情報にたどり着くまでに相当な時間を要し、十分に情報が行き渡っていない状況にあります。必要と する人に的確に届くための効果的な広報・啓発が必要です。 ・特に、市立図書館における活字資料での読書が困難な人へのサービスの対象に新たに加わった、発達障害、 肢体不自由の障害者等に情報が行き渡るよう配慮が必要です。 ・発達障害など気づきにくい障害のある人は、視覚による表現の認識が困難な障害特性があることについて、 本人も認識できていない場合があります。このため、障害の有無に関わらず、幅広く広報・啓発を行うこ とが求められます。 ・視覚障害等により読書や図書館利用を諦めてしまっている人に対する働きかけも求められています。 【施策】 1 各種支援情報の一元化・見える化 ・市の読書バリアフリーに関する事業や支援の情報を一か所に集約したホームページを作成 すること。 ・ホームページを活用した横断的な庁内支援体制を整備すること。 2 「誰一人取り残さない」ための情報発信 ・視覚障害者等が支援情報に気づく機会を拡充するため、区役所や地域療育センター、医療機関等の日 頃よく利用する施設や機関などでの幅広い広報を実施すること。また、障害者団体や相談支援専門員、 ヘルパー、ボランティア等の支援者などに対する各種支援情報の周知を行い、支援者を通じて視覚障 害者等へ情報が提供されるよう働きかけを行うこと。 ・市立図書館において、視覚障害者等が利用しやすい書籍等や各種支援情報を紹介するコーナーを通じ た周知など、障害の有無に関わらず誰もが知識や情報を得ることのできる機会を充実すること。学校 においても、障害の有無に関わらず、児童生徒が必要な情報や知識を得られるきっかけや体験する機 会を充実すること。 ・視覚障害等により読書や図書館利用を諦めてしまっている人に対する働きかけとして、学校や図書館 以外の身近な施設や地域イベントなどで、視覚障害者等が利用しやすい書籍等を知るきっかけや体験 する機会を提供すること。 3 地域共生社会の実現に向けた読書バリアフリーへの理解促進 ・市立図書館をはじめとした身近な施設等において、視覚障害者等が利用しやすい書籍等を知るきっか けや体験する機会、視覚障害者等との交流の場、学び合いの場をつくるなど、様々な機会を捉えた読 書バリアフリーへの市民の理解を促進すること。 ・障害の有無に関わらず、児童生徒に対する、読めない・読みにくい状態を補う方法を周知 し、児童生徒同士の支え合いに関する理解を促進すること。 50頁 3 第三次読書計画 策定経過 令和6年度 市民アンケート(2,856人) P.51に市民アンケートの実施概要を載せています。 実施結果は本市のホームページをご覧ください。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/sanjikeikaku.html 市民ワークショップ(46人) P.52に市民ワークショップの概要を載せています。 実施結果は本市のホームページをご覧ください。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/sanjikeikaku.html 第34期社会教育委員会議 P.53に会議の概要を載せています。 会議の詳細は本市のホームページをご覧ください。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/hokokusho/shakaikyoiku/shakaikyoiku.html 市民意見募集 P.54に市民ワークショップの概要を載せています。 51頁 4 市民アンケート 実施概要 (1)調査目的 市民の意見を踏まえた「第三次横浜市民読書活動推進計画」(計画期間:令和6~10年度)を策定する ため、市内在住・在勤・在学の方を対象としたアンケートを実施し、年間の読書量、本を読むきっかけ 等の調査・分析を行いました。 (2)調査手法 Webアンケート調査(横浜市電子申請・届出システム) (3)調査期間 令和6年7月1日(月)から8月3日(土) (4)調査対象者 【小・中・高校生向けアンケート】市内在住・在学の小学校5年生から高校生までの方 【一般市民向けアンケート】市内在住・在勤・在学の18歳以上(高校生を除く)の方 (5)回答数 【小・中・高校生向けアンケート】437人 【一般市民向けアンケート】2,419人 (6)実施結果 本市のホームページをご覧ください。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/sanjikeikaku.html 52頁 5 市民ワークショップ 実施概要 (1)開催目的 ・市民の皆様から、より効果的な施策につながる意見を伺うことを目的に開催しました。 ・本ワークショップでは、対象者の読書の状況、読書環境、今後の希望を把握すると共に、「読書を広 げるには?」というアイデアを直接お伺いするだけでなく、参加者自身の読書体験をふりかえり、 話し合うことを通して読書のきっかけや効果などについての考えを深めた上で、読書活動を活性化 するアイデアを出す話し合いを行いました。 ・読書習慣を形成するのに大切な小中高生の意見を聞く「小学校5年生~高校生対象」と「18歳以上 (高校生を除く)対象」の回を開催し、より多様な視点で活発な意見交換ができるように開催しま した。 ・ワークショップを通して、市民にとっての読書に対する考え方だけでなく、読書体験の前後の行動 や心の動きへの理解を深め、より市民生活の実態に即した読書活動推進のヒントとなる意見を把握 し、施策検討へ活かすことにしました。 (2)実施日時等 実施予定日時 参加者数 実施予定会場 7月28日 (日) 【小学校5年生~高校生対象回】10:00~11:30 8名 戸塚地区センター 会議室A 【18歳以上(高校生を除く)対象回】14:00~16:00 18名 8月3日 (土) 【小学校5年生~高校生対象回】10:00~11:30 4名 中川西地区センター 会議室1 【18歳以上(高校生を除く)対象回】14:00~16:00 16名 (3)テーマ 対象者 テーマ 小学校5年生から高校生 みんなが本を読みたくなるにはどんなしかけやイベントがあると、より 本を楽しく読めるようになりますか? 18歳以上(高校生を除く) ①子どもたちが本を楽しく読めるようになるには? ②本を介した交流や企画、どんなイベントがあると本を読むきっかけに なりますか? (4)プログラム 第1部 横浜市より、ワークショップ開催趣旨とこれまでの読書推進の取組の紹介 第2部 意見交換 1.自己紹介+心に残る本 (小中高生向け:今のお気に入りの本、大人向け:自分にとっての思い出の本) 2.読書の参加者自身の現状と地域の現状認識について (読書の状況、読書の方法、読書に関わる活動への参加) 3.参加者にとっての大切な本に関するエピソードについて (参加者それぞれの具体的な読書体験を共有し、それを基に「読書のきっかけ」 「読書の効果」について意見交換を行った) 4.読書推進の市の施策のアイデア、提案の募集 (読書の現状と読書のきっかけ・効果について話し合ったことを踏まえて、今後の 市の読書推進活動へのアイデア、提案を集める) (5)実施結果 本市のホームページをご覧ください。 P1922#y1 P1922#y1 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo- manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/shimindokusho/sanjikeikaku.html 53頁 6 第34期社会教育委員会議 (1)第34期社会教育委員名簿(任期 令和6年10月1日から令和8年9月30日まで) 五十音順・敬称略 氏名 役職名 選出区分 新垣 二郎(あらかき じろう) 横浜市立大学 国際教養学部 准教授 学識経験者 市川 紀子(いちかわ のりこ) 株式会社有隣堂 経営企画本部 広報・マーケティング部 チーフ 教育委員会が必要と認める者 北原 まどか(きたはら まどか) 認定NPO法人森ノオト 理事長 社会教育関係者 小林 祐樹(こばやし ゆうき) 東山田中学校 校長 学校教育関係者 齊藤 ゆか(さいとう ゆか) 神奈川大学 人間科学部 教授 学識経験者 鈴木 陽一(すずき よういち)柏尾小学校 校長 学校教育関係者 七澤 淳子(ななさわ じゅんこ) 公益財団法人 よこはまユース 事業課長 社会教育関係者 野口 武悟(のぐち たけのり) 専修大学 文学部 教授 学識経験者 牧野 篤(まきの あつし) 東京大学 大学院教育学研究科 教授 中央教育審議会生涯学習分科会委員 学識経験者 米田 佐知子(よねだ さちこ) 子どもの未来サポートオフィス 代表 関東学院大学経済学部 非常勤講師 家庭教育関係者 (2)第1回会議 日時 令和6年10月30日(水)午後6時から午後8時まで 議題 第三次横浜市民読書活動推進計画等について 主な意見 ・推進体制について、もう少し小さい単位の活動が位置付けられるといいのでは。 ・図書館カードを作るところに一つのハードルがあるのでは。 例えば行政と学校が連携するのであれば、入学のときに申込みできるようにするなど。 ・「情報リテラシー支援」とは、何を指すのか。 ・本を介して世代を超えて関わり合う機会が大切ではないか。 ・読書の対象と結びつけていくためには、やはり「人」が必要で、そこに学校司書がいる という意味はすごく大きい。 ・読書バリアフリー情報サイトを積極的にアピールしていくのと、サイト情報を充実し たものにするとよい。 ・「りんごの棚」を各学校の学校図書館に広めていく取組やバリアフリーの存在を多く の子どもたちに知ってもらう機会が大切。 ・司書にはコミュニケーション能力みたいなものがすごく大事で、持ってほしい力だと 思う。 54頁 7 市民意見募集 実施概要 (1)実施期間 令和6年12月20日(金)~令和7年1月20日(月) (2)意見提出方法 横浜市電子申請・届出システム、電子メール、FAX、郵送 (3)素案(概要版)の配布部数 約4,500部 (4)周知方法 (ア) 素案(概要版)の配布施設 区役所、市立図書館、市民情報センター、地区センター、コミュニティハウス 地域ケアプラザ、地域子育て支援拠点、市民活動・生涯学習支援センター、 社会教育コーナー (イ) 点字版(概要版)・DAISY版の閲覧(貸出)施設 区役所、市立図書館、市民情報センター、神奈川県ライトセンター (ウ) 広報手段 記者発表、広報よこはま(令和6年12月号)、教育委員会ホームページ 市SNS等を活用した発信、すぐーる(家庭と学校の連絡システム) (5)実施結果 (ア) 意見提出状況 408通、686件のご意見が寄せられました。 意見の提出方法・年代の内訳 投稿手段 電子申請 通数393通  (年代内訳) 10歳未満 14通 10代 22通 20代 2通 30代 64通 40代 198通 50代 68通 60代 22通 70代以上 3通 不明・団体 0通 投稿手段 メール 通数12通 (年代内訳) 10歳未満 0通 10代 0通 20代 0通 30代 0通 40代 0通 50代 0通 60代 1通 70代以上 3通 不明・団体 8通 投稿手段 FAX 通数2通 (年代内訳) 10歳未満 0通 10代 1通 20代 0通 30代 0通 40代 0通 50代 0通 60代 0通 70代以上 0通 不明・団体 1通 投稿手段 郵送 通数1通 (年代内訳) 10歳未満 0通 10代 0通 20代 0通 30代 0通 40代 0通 50代 0通 60代 0通 70代以上 0通 不明・団体 1通 計 408通  (年代内訳) 10歳未満 14通 10代 23通 20代 2通 30代 64通 40代 198通 50代 68通 60代 23通 70代以上 6通 不明・団体 10通 (イ) 項目別意見数 項目 意見数 割合 計画全体について 32件 4.7% 第1章 第三次横浜市民読書活動推進計画について 2件 0.3% 第2章 読書活動を取り巻く状況について 15件 2.2% 第3章 計画の全体について 「1 基本姿勢」 17件 2.5% 第3章 計画の全体について 「2 計画体系」 7件 1.0% 第3章 計画の全体について 「柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進」 274件 39.9% 第3章 計画の全体について 「柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実」 299件 43.5% 第3章 計画の全体について 「柱3 読書バリアフリーの推進」 21件 3.1% その他 19件 2.8% 計 686件 100% ※ご意見を提出いただいた皆様が、意見提出時に明記した項目に添って集計しています。明記されていなかったものは、事務局で振り分けました。 複数の項目に関連するご意見は、内容に応じて各項目に分けています。 (ウ) 第三次読書計画への主な市民意見 内容  横浜市立図書館の充実について ご意見の例 ・図書館の増 ・図書館の蔵書の充実 ・図書取次の増 等 意見数 306件 内容 学校図書館の充実について ご意見の例 ・学校司書の研修や支援の充実、待遇向上 ・学校図書の予算の拡充 ・学校図書館の蔵書の充実 等 意見数 146件 内容 デジタル推進(電子書籍)について ご意見の例 ・デジタル社会への期待・賛同 ・紙の本の充実 ・一人一台端末を活用した電子書籍の全校導入 等 意見数 73件 内容 多様な主体との協働・共創について ご意見の例 ・市民利用施設の蔵書の充実 ・書店との連携 等 意見数 48件 内容 読書バリアフリーについて ご意見の例 ・バリアフリー図書の推進 ・バリアフリー図書の充実 等 意見数 35件 内容 計画全体への賛同・期待(※) ご意見の例 ・読書活動推進への賛成 ・読書に触れる機会の増に対する期待 等 意見数 23件 ※「計画全体への賛同・期待」については、個別の施策等に関する賛同は除いています。 (ウ) ご意見の対応状況 対応状況 説明 意見数 割合 反映 ご意見の趣旨を踏まえ、原案を修正したもの 109件 15.9% 包含・賛同 ご意見の趣旨が既に素案に含まれるもの又は素案に賛同いただいたもの 109件 15.9% 参考 取組等の参考とさせていただくもの 447件 65.1% その他 本計画に関する質問、本計画に関連しない意見・要望等 21件 3.1% 計 686件 100% 第三次横浜市民読書活動推進計画 事務局 横浜市教育委員会事務局総務部生涯学習文化財課 TEL:045-671-3282 FAX:045-224-5863 横浜市教育委員会事務局学校教育企画部小中学校企画課 TEL:045-671-3588 FAX:045-664-5499 横浜市教育委員会事務局中央図書館企画運営課 TEL:045-262-7334 FAX:045-262-0052