予算質疑から 令和7年度横浜市予算議案と予算関連議案について、各会派を代表して18人の議員から「予算代表質疑」と「予算関連質疑」が行われました。その中から、24項目を抜粋してお伝えします。 【自民党】10問 ●令和7年度予算案 ●横浜の成長戦略 ●海洋分野の専門人材育成 ●避難所環境の改善 ●自治会町内会の活性化 ●中小企業支援 ●三ツ沢公園の再整備 ●都心臨海部のまちづくり ●都市インフラのメンテナンス ●予算に対する政治哲学 【公明党】4問 ●国際平和 ●防犯対策の強化 ●帯状疱疹ワクチン ●地域交通サービスの導入効果 【立憲党】4問 ●県と市の二重行政の解消 ●子育てしたいまちの実現に向けた取組 ●地域の担い手不足の解消 ●教育委員会の組織改革 【維新会】3問 ●人権問題の啓発に関する取組 ●新たな横浜市地震防災戦略 ●次世代への投資 【共産党】1問 ●不登校対策ではなく見直すべきは学校の在り方 【民主フ】1問 ●敬老特別乗車証制度の拡充 【無所属】1問 ●新たな横浜市地震防災戦略(地域防災の担い手育成) 政策 令和7年度予算案 自民党 (問) 横浜は今、世界的なプレゼンスを発揮できる都市として生き残っていくことができるのか、大きな分岐点にいると感じています。7年度はいよいよ中期計画の最終年となります。これまで取り組んできた子育て世代への支援やGREEN×EXPO 2027開催に向けた準備などを進めていかなければなりません。7年度予算案の基本的な考え方について伺います。 (答) 大規模災害から市民を守る防災・減災対策の推進、子育て支援やあらゆる世代の暮らしやすさにつながる施策、サステナブルで未来志向のまちづくりの展開など、中期計画の総仕上げに向けて取り組むとともに、内外から更に人を惹きつけるための予算案としました。同時に、データに基づく「施策の質の向上」と「創造と転換」による財源創出を進め、減債基金の臨時的活用額を圧縮させる目標に向けて進めていきます。  これらの取組により、「人にやさしいまち」「出かけたくなるまち」「世界を魅了するまち」を目指していきます。 政策 横浜の成長戦略 自民党 (問) 市長も、議員も、「横浜をこんなまちにしたい。そのための自分の役割はこれだ」という、強い思いを抱きながら活動を続けていることと思います。横浜をどういうまちにしたいのか、迫りくる都市間競争にどのように勝ち抜いていこうとしているのか、市長の思い描く横浜の未来像とは一体どういうものなのか、伺います。 (答) 横浜が将来にわたって持続的に発展するために、特に「人にやさしいまち」、「出かけたくなるまち」、「世界を魅了するまち」を目指すべきと考えた予算案としました。  活力あふれる都市であり続けるために、防災・減災、子育て支援等、将来にわたり安心して暮らせるまちづくりを進めていきます。あわせて、横浜の将来のあるべき姿を示す「都市計画マスタープラン」を大きく描き直します。ルールや規制を時代に合わせて柔軟に見直し、民間の発想や技術も十分活用します。これらの総合力によって、これまでにない都市の魅力を生み出し、横浜に人や企業を呼び込みます。さらに、にぎわいの創出により、観光消費額をこれまでよりも格段に上げたいと考えています。市内経済を活性化するとともに、グリーン社会の実現につながるサーキュラーエコノミーを推進します。  これらを通じ、市の魅力を更に高め、内外に発信し、更に人を惹きつけるまちを実現し、成長していきます。 海洋 海洋分野の専門人材育成 自民党 (問) 海洋産業を振興していくには、産業を支える専門人材を育成していくことが重要です。市は、海に関わる多くの企業や研究機関等で構成される、海洋都市横浜うみ協議会と連携し、これまでも海洋人材の育成に向けた取組を進めています。将来を見据えた海洋専門人材の育成に更に力を入れていくべきです。 (答) 市も参画する「うみ協議会」主催の「海と産業革新コンベンション」は、海洋産業振興・専門人材育成を目的に実施しています。今後は、更に、産官学で推進する国際海洋展へ規模を拡大し、開催していきます。この海洋展に、将来を担う若者が参加し、最先端の技術などを学び・体験できる機会を創出することで、世界で活躍できる専門人材の育成に取り組んでいきます。 大都市 県と市の二重行政の解消 立憲党 (問) 特別市への移行は、納税者にとって受益と負担の関係が明確になるとともに、税の使い道の透明性が高まります。実現に向けて、県と市の二重行政の具体的な弊害を市民に伝えることで、特別市の必要性を理解してもらうよう取り組むべきです。 (答) 各区で実施している特別市の説明会では、二重行政の具体的な事例を交えてお伝えすることで、特別市の必要性への理解が深まっていると感じています。引き続き、特別市の概要や必要性を分かりやすく伝えることで、特別市の法制化の実現に向けた機運が高まるよう取り組んでいきます。 防災 避難所環境の改善 自民党 (問) TKBユニットの予算が計上されていますが、政府が進める避難所改善にとって有意義な取組です。市は極めて先見性のある判断をしたと、高く評価します。新たな地震防災戦略でTKBユニットをどう位置付けるのか伺います。 (答) TKBユニットは、避難生活に必要なトイレ、キッチン、ベッド等の資機材一式をユニットとして管理します。そして、発災時には必要なエリアに柔軟かつ機動的に設置し、避難生活を支える環境を整えることができます。新たな地震防災戦略では、地域防災拠点等の指定した避難所以外における多様な避難への支援を想定し、運用方法等を検討します。 防災 新たな横浜市地震防災戦略(地域防災の担い手育成) 無所属 (問) 全市民の防災意識を向上させることも担い手の育成の一端ですが、実際に防災スキルの高い市民が増えることが大事です。消防団員の訓練の環境整備等を進めることが、担い手の育成につながります。地域防災におけるリーダーの育成にどのように取り組んでいくのか伺います。 (答) 地域防災の担い手の育成に加え、地域の防災活動のけん引役となるリーダーの育成も重要です。よこはま防災研修による知識やスキル向上の支援、横浜防災ライセンス講習などの内容の充実に取り組みます。また、防災士の資格取得に対して町の防災組織活動費補助金を活用できることとしており、地域の防災リーダーの育成支援の強化に取り組んでいきます。 国際 国際平和 公明党 (問) 核兵器は人類の生存の権利を脅かすものであり、絶対に廃絶しなければなりません。先日市会でも日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞を記念する講演会を開催しましたが、この受賞を核兵器のない世界に向かわせる転機にしなければなりません。核兵器廃絶に向けた決意を伺います。 (答) 日本被団協がノーベル平和賞を受賞され、長年の御活動に、改めて心からの敬意を表するとともに、平和への思いを一層強くしました。今後も、広島と長崎の記憶を語り継ぎ、市民とともに平和について考える機会を更に創出するなど、平和推進条例を有する都市として、人類共通の願いである核兵器のない世界の実現に向けて着実に取り組んでいきます。 自治会 自治会町内会の活性化 自民党 (問) 自治会町内会の行う地域の見守りや環境美化をはじめ、文化・広報活動などの公益的活動全般に対して交付する、地域活動推進費補助金の補助上限額が1世帯当たり700円から900円に引き上げられることは大いに評価します。補助拡充の狙いについて伺います。 (答) 地域のつながりづくりに欠くことのできない自治会町内会の活動をより充実していただくことが大切だと認識しています。また、担い手づくりや運営のデジタル化にも積極的に取り組んでもらうことで、自治会町内会の持続可能な運営につなげてほしいと考えています。今後も地域コミュニティの要である自治会町内会活動をしっかりと支援していきます。 防犯 防犯対策の強化 公明党 (問) 「よこはま安全・安心プラン」は策定から約20年が経過しており、我が党は今日的な課題を踏まえた実効性ある内容に改定することを提案しています。計画の実効性を担保するためには、行政や市民、事業者などの責務等を明確にする必要があります。条例の制定を視野に、「よこはま安全・安心プラン」を実効性のある計画にすべきです。 (答) 有識者や防犯関連の企業・団体等にも御協力いただき、いわゆる「闇バイト」対策など今日的な課題を踏まえ、防犯環境の整備も含めた総合的な防犯対策への改定を進めます。また、庁内での連携を一層強化した推進体制の構築や検証の仕組みを盛り込み、計画の実効性を高めていきます。条例の制定についても今後検討し、安全で安心なまちづくりを推進していきます。 人権 人権問題の啓発に関する取組 維新会 (問) いわゆる「拉致問題対処法」では、地方公共団体の責務として、国と連携を図りつつ、国民世論の啓発を図るよう努めるものとされています。予算や人員の制約もある中、「海上保安資料館横浜館」と連携することで、本問題の更なる啓発につながると考えますが、北朝鮮拉致問題に対する啓発の取組について伺います。 (答) 拉致問題は被害者や御家族の人生を狂わせた理不尽な行為であり、重大な人権侵害です。市では、国、県と一体となり、国民の集いや写真展、講演会を通じ、「拉致は決して許さない」との思いで、解決の後押しとなるよう取り組んできました。横浜館の常設展示については、市の関連イベントやホームページでの紹介など、活用を検討します。 経済 中小企業支援 自民党 (問) 中小企業の経営環境は、円安や原材料費高騰、人手不足や賃上げへの対応など、依然として厳しい状況です。中小企業への融資においては、国の方針に合わせて、経営改善支援や事業再生支援の視点で資金繰り支援を行うことが求められています。中小企業の資金繰り支援の考え方について伺います。