ここから本文です。

特別賞受賞企業取組事例紹介

最終更新日 2020年3月16日

株式会社荏原精密

キャッチコピー・経営者の理念表明
「尊重と信頼」、「気付きと想像(創造)」、「プラス思考と「楽しもう」」

所在地:横浜市港北区箕輪町2-19-6
代表者名:中島 一郎
従業員数:26人(うち女性6人)
事業内容:精密プレス部品、精密板金、絞り加工部品、切削部品、試作部品、プレス金型設計および製作

目的・理念・思い

 「女性が活躍する職場=誰でも働きやすい職場」の推進は、スタッフ、会社の成長に繋がるという信念の下、固定観念や既成概念にとらわれず、常にチャレンジしていくことをモットーとしている。
 「女性が活躍する職場」づくりは、給茶機を導入することで、女性のお茶くみをなくしたことから始まった。「女性=お茶くみ」という性別役割分担意識を払しょくし、簡易な業務を暗黙の内に押し付けることをやめた。
 また、性別ではなく、パフォーマンスと個性で担当業務を決めている。世の中には事務職を好む女性も多くいるが、「事務職ではなく現場が良い」という女性も一定数おり、本人の気持ちを尊重して配置を行っている。
 働き方の多様性・幅を広げるために、時差出勤、年次有給休暇の時間単位取得、テレワーク、短時間正社員など、スタッフのニーズを汲み取り、年々制度を増やすことも行っている。
 スタッフ1人ひとりが、当社で働くことに価値を感じてもらえるように、日々改善を重ねている。

推進体制

 『外部教育、セミナーなどによる情報収集』『「困っている=ニーズ」を放置しない』『変化を恐れないチャレンジ精神』の三本柱をベースに、トップ、リーダー、担当者が連携し、「働きやすさ=分かりやすさ=合理化(効率化)」を追求している。

これまでの課題

●女性スタッフが少ないことから男性スタッフに偏った社内のしくみや考え方
 外部の方には「工場きれいですね」とお褒めいただくが、3S(整理・整頓・清掃)がまだまだ行き届いていない。男性スタッフの関心はそこまで高くないが、女性スタッフの中にはこの部分を問題視している人も多く、課題の1つ。

課題に対する取組(制度設計など)

【ワーク・ライフ・バランス】
●正社員(短時間正社員)転換制度:実績2名
●育児・看護・介護のための時差出勤制度
●性別を問わない育児休業取得促進
 男性スタッフの育休取得:実績1名(取得日数5日+ゴールデンウィークで連続16日間のお休み)
●生活習慣病および女性特有疾病リスクを考慮した「充実した健康診断」の実施(全額会社負担)
 本人の希望に応じて、乳がん検査(マンモグラフィ)、子宮頸がん検査、生活習慣病リスクに特化した血液検査や胃部レントゲン検査を実施。
●勤務間インターバル制度
 終業と始業のインターバルを11時間設けている。時間外労働等改善助成金(厚生労働省)を活用し、就労管理システムを導入。

【IT化(効率化)】
●テレワークの導入
 横浜市中小企業職場環境向上支援助成金を活用し、ノートパソコン3台とリモートワークソフトを購入し、導入。

【人財育成】
●資格教育支援制度(全額会社負担)
 会社からの命令ではなく、スタッフの希望を尊重し、資格取得や外部教育受講を支援する制度。対象資格は、加工現場系、事務系合わせて19種類。受講費用、受験費用など、掛かる経費は全額会社負担とし、休日の受験については、振替休日を付与。

効果・成果

●ワーク・ライフ・バランスの向上
(1)年次有給休暇平均取得率:86.3%(平成30年度)
(2)月平均時間外労働:6.63H(4年前より40%ダウン)
(3)男性スタッフ育児休業取得:1名、GWとあわせて16連休
(4)女性スタッフ育児休業取得100%(2回→ともに現職へ復職)
(5)育児・介護のための時差出勤制度:2名
(6)パート職から正社員、短時間正社員へ転換:2名

●「根拠」をもとにした合理的な考え・行動
 「IT化(効率化)・「見える化」推進」により、生産管理システムに蓄積されたデータを分析するプログラムを作り、詳細な原価、利益率が容易に把握できるようにした。それにより、会議の質や方向性の設定が明確になり、憶測ではなく数値を根拠に、「利益になるのか、否か」というシンプルで合理的な考えと行動がとれるようになった。

社員の声

 

●子育てをバックアップする制度がいくつもあるだけでなく、「困ったときは、お互いさま」の風土も定着しているので、子どもの急な病気のときも安心して休み(有休)が取れる。(20代女性・40代女性)
●入院している親の介護のため、時差出勤制度を利用して出勤時間を1時間繰り上げている。退勤後の面会時間が限られているため、時間が確保できてありがたい。(40代男性)
●子どもがいると後回しになってしまいがちな自身の健康管理も、婦人科系が充実した健康診断が受けられるため、大変助かっている。(40代女性)
●子どもの学校関係で急な用事が発生した場合でも、スムーズに業務調整を行ってもらい、休暇が取れて助かった。(50代男性)
●スタッフの提案を尊重し、自分たちの手で理想の会社を作っていくことができるので「やりがい」が持てる。(20代女性)

取組を進めるにあたって苦労した点、工夫した点

 新しい取組を行う場合、不安からネガティブな意見も若干出ますが、スタッフへの周知と説明を地道に行い、常に使いやすい仕組みになるよう改善を繰り返し、定着まで漕ぎ着けました。
 制度の運用によりスタッフ自身がメリットを感じられるまで続ける根気と「働きやすい職場づくり」に対するブレないポリシーが今日に繋がっていると思います。

 当社の就業規則は、経営者、スタッフが良い関係を維持、向上させていくためのルールブックと考え、敬意と尊重を重んじ、全て口語体で書かれています。中には、挿絵も多数あります。
 表紙には、当社で働くスタッフ全員の似顔絵が描かれています。業務の役割は違いますが、バトンリレーのように全て繋がっていること、顧客のため、スタッフとその家族のため、協力する姿、他者への尊重を表現しています。

このページへのお問合せ

政策経営局男女共同参画推進課

電話:045-671-2017

電話:045-671-2017

ファクス:045-663-3431

メールアドレス:ss-danjo@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:471-615-175

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews