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脳血管障害・神経変性疾患の高次脳機能障害と病巣局在・ 障害ネットワークの検討

最終更新日 2025年4月30日

研究課題名

脳血管障害・神経変性疾患の高次脳機能障害と病巣局在・ 障害ネットワークの検討

研究の目的・方法

目的

脳血管障害や神経変性疾患に起因する、失語、失行、失認、記憶障害、半側空間無視、遂行機能障害などの高次脳機能障害は、日常生活に大きな影響を及ぼすため、発症早期からの診断および介入治療は患者のQOL向上のため非常に重要です。一方で、これら高次脳機能障害の生じる機序や神経基盤については不明な点が多く、早期診断のための簡易なバイオマーカーの開発が期待されています。
こうした背景のもと、脳血管障害領域では、拡散テンソル画像や安静時functional MRIなどの脳画像解析を応用したdisconnectome解析が、新たな疾患バイオマーカーとして近年注目されています。この解析法は、脳をネットワークとして捉え、病巣により障害されたネットワークの局在や分布を検討することで、従来の病巣局在のみに注目した画像解析と比較して、鋭敏かつ精密に病態を捉えることが可能と考えられています。 さらに神経変性疾患領域においても、拡散テンソル画像やfixel-based analysis (FBA)などの白質構造解析による病態評価が注目されており、従来の大脳皮質を中心とした脳萎縮部位の評価に加え、白質線維の構造変化を定量的に評価することで、早期診断や病勢把握がより正確に可能となる可能性があります。
本研究では、こうした新たな手法を用いて、高次脳機能障害における神経基盤の解明を目指します。

方法

脳血管障害、神経変性疾患の研究対象患者様に対して、日常診療下で各種神経心理検査を行います。得られた情報と既存の脳画像検査を用い、高次脳機能障害と脳画像所見との関連を解析します。
また、健常ボランティア様に対しては、研究対象患者と同様の各種神経心理検査と、MRIによる脳画像撮像を行い、患者群との比較を行います。
既存の診療情報を使用する研究でもあり、当院・共同研究機関で既に実施された、研究対象患者の神経心理検査結果含む各種臨床指標やMRIを収集し、高次脳機能障害と脳画像所見との関連を解析します。
なお、本研究の取得情報はいずれも遺伝情報にはあたりません。
脳血管障害例については、発症直後の意識障害や注意障害の影響を可能な限り除外するため、原則として症状発症日より1週間以上の日数を空けて神経心理学的検査を行います。神経変性疾患については、外来受診日あるいは入院日に、通常診療として神経心理学的検査や画像検査を適宜実施します。

研究の対象

2025年4月23日から2030年1月31日までの間に、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)、神経変性疾患と診断された患者様で、横浜市立大学附属病院および共同研究機関(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター、横浜南共済病院)を受診している患者様を対象とします(前向き観察研究)。
健常対照群として、上記疾患の既往がない健常者様を対象とします。
また、2009年4月~2025年1月の期間に、脳血管障害、神経変性疾患(後述)と診断され横浜市立大学附属病院および共同研究機関(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター、横浜南共済病院)を受診し、各種神経心理学的検査を行った患者様も対象します(後ろ向き観察研究)。
以下の選択基準を全て満たし、かつ除外基準のいずれにも該当しない患者様を対象とします。
【選択基準】
(対象患者様)
以下の基準をすべて満たす被検者様を対象とする。
1) 脳血管障害(脳出血、脳梗塞)、神経変性疾患(ALS、PD、Parkinson症候群、SCD、FTD、AD、PPAなど)と診断されている患者様
2) 日本語を母国語とする患者様
3) 診断時の年齢が、20歳以上の患者様
4) 性別不問
(健常対照群)
以下の基準をすべて満たす被検者様を対象とする。
1) 検査時に上記疾患や認知症などの診断を受けていない者
2) 日本語を母国語とする者
3) 検査時の年齢が、20歳以上
4) 性別不問
【除外基準】
(対象患者様・健常対照群)
以下のいずれかに抵触する患者様は本研究に組入れません。
1) 神経心理学的検査の実施が困難な者
2) MRIあるいはCT検査の実施が困難な者
3) 開頭手術の手術歴がある者
4) その他の脳神経内科疾患、検査に影響を与える可能性のある精神疾患の診断を受けている者

研究期間

2025年4月23日から2030年3月31日まで

研究に用いる試料・情報の種類

本研究にご同意いただいた方の検査結果、脳画像撮像データを使用します。また、既存の診療情報から、MRI病巣、各種臨床指標や検査結果にかかる情報を収集します。

試料・情報の取得と保管

【個人情報の加工の方法】
各研究機関の研究責任者又は研究分担者は、患者様に対して研究対象者識別コードを付与します。研究対象者識別コードには、研究対象者のカルテIDや氏名等の研究対象者個人を特定することができる情報は用いません。本研究では、研究対象者の同定及び照会のため、研究対象者識別コードから研究対象者を特定することができる個人情報を管理する表(以下「対応表」という。)を作成しますが、当該対応表は、作成した研究機関外への提供は一切行いません。本研究結果が公表される場合にも、研究対象者個人を特定できる情報を含まないこととします。
また、本研究では研究対象者に神経心理学的検査を行いますが、個人を特定できる部分について加工を行い、研究対象者識別コードを付与します。
【試料/情報の授受】
症例報告書及び神経心理学的検査結果や画像データには研究対象者識別コードを用い、カルテID、氏名等は記載しません。
症例報告書や神経心理学的検査結果は電子媒体で作成し、上書きのできない電子媒体に記録し保存します。又は書面として印刷し保存する場合は作成日及び研究責任者の署名を行います。修正履歴(日付、氏名含む。)は、正確に記録しUSBに保存します。
【試料・情報の保管方法及び保管期間】
(情報の保管)
保管期間は少なくとも本研究の終了について報告された日から5年間もしくは当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間としますが、個人が特定できないよう加工した情報については、本研究の目的以外の学術研究に用いられる可能性または他の研究機関に提供する可能性(以下「二次利用」という。)の可能性があるため、保管期間終了後も期間を定めず保管します。(管理責任者:研究代表者及び各機関の研究責任者)
保管方法は情報の種類に応じて以下のとおり管理します。
保管する情報の種類
・研究対象者の個人が特定できる情報を含む情報(対応表、同意書、同意撤回書、画像データ)
・研究対象者の個人が特定できないよう加工した情報
・研究に関する資料(研究計画書等の審査書類等)
それぞれ以下の通り保管します。
研究対象者の個人が特定できる情報について、電子データで情報を管理する場合は、各機関の研究責任者のもとで、ネットワークから独立したパソコンを各部屋で施錠管理し、紙媒体の情報を管理する場合は、同室で厳重に施錠管理します。また、同意書・同意撤回書については、紙媒体として原本保管するが、電子カルテにスキャンされた電子データは写しとして扱うものとします。
研究対象者の個人が特定できないよう加工した情報は、各機関の研究責任者のもとで、パスワードで管理されたパソコンにて保管します。
研究代表者へ集積した情報は、横浜市立大学附属病院 脳神経内科・脳卒中科で、パスワードで管理されたパソコンにて保管します。紙で提出を受けた症例報告書は、ファイルに綴じて同室で施錠管理します。
研究に関する資料(以下参照)は、各機関の研究責任者のもとで、立ち入りが管理された部屋で保管します。
1)研究計画書
2)その他倫理審査委員会へ提出した書類/承認された書類
3)倫理審査委員会の結果通知書および研究機関の長の実施許可書
4)その他本研究に関連する文書又は記録
【試料・情報の廃棄方法】
(情報の廃棄)
保存期間が終了後廃棄する際は、電子媒体で保存している情報については保存しているコンピューター端末等から復元不可能な形で消去し、紙媒体で保管している情報はシュレッダーにて廃棄します。
【試料・情報の提供の記録】
情報の提供の記録として、本研究計画書を保管します。
情報を提供する場合は提供した日から3年を経過した日まで、情報の提供を受ける場合は当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日までの期間、適切に保管されるよう必要な監督を行います。
【試料・情報の二次利用】
本研究で得られた情報は、保管され、将来他の目的の研究に二次使用する可能性、国内外の研究機関・研究者等への第三者提供を行う可能性があります。その二次利用目的、提供先を現在特定することはできませんが、本研究で得られた情報を将来的に他の目的の研究に利用する際は、新たに研究計画書を作成し、倫理審査委員会の承認及び研究機関の長の許可を得ることとします。そして、二次利用することについて文書での同意や本人への通知、もしくは情報公開文書の公告とともに拒否機会の保障を行ったうえで使用します。

研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益

【利益】
本研究は観察研究のため、研究対象者が研究に参加することで特別に得られる利益はありません。
【負担・リスク及びそれらを最小化する対策】
本研究は観察研究であり、重篤な有害事象は想定されません。
MRI検査については、施設安全基準に則して検査を行いますが、万が一、金属や電子機器等のMRIルームへの持ち込みを禁止されているものを携行した場合、MRIの磁気による影響で発熱し、身体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、注意喚起を行います。

お問い合わせ先

本研究に関するご質問・ご相談等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することができますので下記連絡先まで電話またはFAXでお申出ください。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者様もしくは患者様の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者様に不利益が生じることはありません。

研究責任者(研究への利用を拒否する場合の連絡先)

〒235-0012 神奈川県横浜市磯子区滝頭1-2-1
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 脳神経内科
研究員 東山 雄一
電話番号:045-753-2500(代表)

このページへのお問合せ

脳卒中・神経脊椎センター管理部総務課

電話:045-753-2500

電話:045-753-2500

ファクス:045-753-2859

メールアドレス:by-no-somu@city.yokohama.lg.jp

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