高い崖の上の家

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恐怖症というほどではないが、どちらかというと高い所は苦手である。だから音楽通りの裏道から、このお家を眺めるたびに畏敬の念が湧くのである。浅間神社近くの崖や東久保町の崖もそれぞれかなり高いが、ここの場合、一戸だけが屹立（きつりつ）しているので一層その感が強いのだろう。

試みにえっちらおっちら登ってみた。うしろの丘の頂は伊勢山皇大神宮で、右隣が成田山別院。神仏のご加護いずれ劣らずあらたかな瑞祥（ずいしょう※1）の地といえよう。見はるかす(※2)周囲の景観はすばらしい。林立するビル群が押し寄せてくるようだ。嵐の日など窓辺に立てば、映画「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオになったような気がすること必定だ。
※1 めでたいしるし※2 はるかに見渡す

文・絵 長谷川 泰（西区文化協会 騎虎の会主宰）

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